世代別(小学生・中学生・高校生・大学生・短大生・専門学生・社会人)に場面緘黙症の支援を考えてみた。

2020年10月22日

場面緘黙症は、家族などの間では話せるのに、学校や塾といった他の特定の場面で話すことや行動が不安や恐怖などの要因によって、制限されるという特性を指します。アメリカ精神医学会が規定する診断基準DSMにも記載されており、情緒障害の一つとされています。

場面緘黙症の支援(小学生・中学生・高校生)

場面緘黙症は、先程も申し上げたとおり、情緒障害の一つですので、投薬療法で直ぐに改善されることはないと言われています。しかし、場面緘黙症は、うつ病や統合失調症などの精神疾患を併発することもあり、その意味では投薬療法が必要になることがあります。また、場面緘黙症の要因である不安や恐怖、緊張を抑えるために投薬約療法が有効な場合もあります。

では、どのような支援を受ければいいのか。場面緘黙症では、心理療法(カウンセリング)が重要です。主に、SST(Social Skills Training)や段階的脱感作法、段階的暴露療法が有効であると言われています。これを受けることができるカウンセラーを探してみてください。場面緘黙症は、幼少期の発症が多く、早期の支援が求められています。その点でいえば、まずはスクールカウンセラーに相談されるといいと思います。スクールカウンセラーで経験の豊富な方は、知り合いに場面緘黙症のカウンセリングが得意なカウンセラーがいたり、紹介してもらえるかもしれません。

また、学校生活を送る上での支援にも繋がりますので、スクールカウンセラーに相談して、担任や教科担任の先生に支援をお願いしてもらうと、スムーズに支援に繋がると思います。もし、本人でスクールカウンセラーに相談しにくい場合は、保護者の方に学校に連絡を入れてもらって、スクールカウンセリングの予約を入れてもらってください。保護者も同伴でお願いしたいと伝えると、時間の調整をしてもらえると思います。

学校にスクールカウンセラーがいない場合、外部の精神科や心療内科にかかり、カウンセリングを受けてください。その際に、学校で支援をもらうために一筆お願いしたいと伝えると診断書を書いてもらえるかもしれません。ただし、お金はかかります。診断書がもらえない場合は、保護者から受診した旨を学校に伝えてください。学校の担任や養護教諭、校長の判断で支援が行われるようになると思います。

場面緘黙症の支援(大学生・短大生・専門学生)

まず、学校によっては学生相談室というところが設置されている場合があります。国立大学では、ほとんど設けられていると思うのですが、私立では設置されていないところもあるようです。短大や専門学校には、設置されていないところが多いようです。学生相談室には、臨床心理士や公認心理師といった心理支援の専門家が配置されています。大抵は、常勤のカウンセラーが数人いて、非常勤のカウンセラーも数人いて、曜日によって居るカウンセラーが違います。大学のホームページに開室している時間や勤務しているカウンセラーの名前は記載があると思います。

複数のカウンセラーが出入りしているということは、それぞれの得意な領域があって、場面緘黙症に強いカウンセラーがいる可能性も高いです。まずは、ホームページから予約を入れる場合もあるので、ホームページをみてください。行ってみて、場面緘黙症の改善がしたいと伝えると得意にしているカウンセラーがいる曜日を教えてもらえると思います。

大学・短大・専門学校は、単位制であるといっても、教育基本法が設置基準になっているので、小中高と同様に「合理的配慮」を行うことが義務づけられています。上述の『場面緘黙症の支援(高校生まで)』にあるように、診断書や通院した旨を伝えることで、可能な範囲に限り、合理的配慮を受けることができます。例えば、口頭発表を録音や動画、プレゼンソフトを用いて行えるなどです。この合理的配慮については、講義を担当している教員が何もかも考えることは負担になり、どの程度の支援をすることが妥当か考えにくいものですから、学生相談室のカウンセラーや外部のカウンセラーの指導のもと、支援案を考えて、担当教員にわたすといいと思います。中には、理解のない教員もいるかもしれませんが、その場合は学校の管理者(学園長や理事長)に直接、申し出てみてください。

場面緘黙症の支援(社会人)

社会人になると、仕事に支障が出ると困ります。何より、就職する際の面接や試験で力が発揮できなかったり、受けることすらできなかったりすると、非常に悔しいでしょう。もし、発達障害が原因にあるのであれば(細かく言えば、発達障害が要因である場合は、場面緘黙症と診断されないことがある。)発達障害の診断を受け、養育手帳があれば、障害者枠で就職するという手段もあります。しかしながら、任される仕事が簡単だったり、給与も低かったり、あまり良い思いはしないでしょう。今の日本の制度だと、どうしても苦しい思いをしてしまいます。

僕として思うのは、何とか幼いうちから適切に支援を受けて、社会人になる頃までには、改善して就職活動で本来の力が出せるように準備しておくのが一番いいと思います。一方で、これは個人差もあり、適切な支援を受けても、上手く改善されないこともあるので、厳しい意見でもあります。もう一つは、早いうちからフリーランスやネット販売など、場面緘黙症であっても仕事ができるような環境や能力を確保しておくことです。

個人的な考えなので、聞き流してほしいのですが、これまで知り合った場面緘黙症の方は、真面目で丁寧で自分のことをよく考えていて、でも生きることに苦戦している方が多いように思います。僕は、凄く勿体ないと思ってしまいます。もっと色々なことができて、もっと質の良いことができるはずなのに、就職活動で上手くいかなかったり、あらゆる活動が制限されてしまっていたりします。かといって、僕にはどうしてあげることもできないので、とても心苦しいです。

COZYができること

場面緘黙症の支援は、まずは適切にスクールカウンセラーや医療機関に頼ることが大切だと思います。その上で、カウンセラーは学校の内部のシステムなどには詳しくないことも多いので、より教育的な支援の仕方を検討してほしい場合は、心理学を勉強した元教員の立場で、教育支援カウンセリングを行うことはできます。一応、心理学を大学院で専攻していましたので、SSTや段階的脱感作法を試した上で、学校との連携も図れたらなとは思います。僕の知り得る範囲では、三重県、松阪市、には場面緘黙症の支援を専門にしている方はいらっしゃらないと思います(いらっしゃったらごめんなさい…)ので、選択肢の一つにしていただいてもいいかなと思います。

最後に

元教員の僕からすると、場面緘黙症は教員の中でも、あまり知られていません。ただ、教員は子どものために勉強してくれる情熱を持った方が多いです。実際に、たまたま担任した生徒に場面緘黙症の子がいて、勉強したことがあるという先生にも出会ったことがあります。初めて場面緘黙症の生徒に接する先生は、戸惑うことでしょう。そして、当事者側からすると、「困らせてしまっている」「迷惑をかけてしまっている」と感じる方もいらっしゃいます。両者のためにも、まずは支援を受けてみましょう。カウンセリングで、支援の方法がわかれば、自分も先生も道筋が見えてくることでしょう。

今日は、ここまでにします。支援について、考えた記事がありますので、こちらもご覧ください。何かしらの役に立てれば幸いです。最後まで、読んでいただき、ありがとうございました。