【不登校の原因になる】小中学生の場面緘黙症
今回は、小中学生の場面緘黙症でお困りの方に向けて記事を書いていきます。場面緘黙症は、直接的に「生きづらさ」に繋がり、「からかい」や「いじめ」の対象にもなりやすいという報告があります。
解決策というものではないですが、教育の現状や場面緘黙症の情報を記載していますので、何らかの参考になれば幸いです。
まずは、↓の記事を読んでみてください。
場面緘黙症は不登校の原因となる
場面緘黙症は、幼いときに発症することが多いです。幼稚園や小学生の段階で、社会的な行動に対する不安や恐怖を予期してしまい、話すことができなくなります。不安の少ない自宅などでは話せるものの、幼稚園や学校で声が出なくなってしまう症状に苦しみます。
例外的に、仲の良い友達とは話すことができることがあります。しかし、周りに他の人がいると声が出なくなります。当事者の多くは、「友達がほしい」と思いながらも、声を出せない自分を卑下してしまいます。
この「話したいのに声が出ない」という悔しさ悲しさは、直接的に「生きづらさ」を感じさせます。また、「話せない」ことをいいことに、一方的な「からかい」「いじり」のようなことを受け、エスカレートすることがあります。
この「いじめ」がなかったとしても、学校生活の中では、自己紹介や発表、音読、といった注目を浴びる場面があります。めちゃくちゃ不安ですよね。他の人よりも、不安を感じやすいため、心が疲弊してしまいます。こうして、生活で疲れきり、学校に行くことができなくなってしまいます。
小中学生には理解しがたい
場面緘黙症は、大人である保護者ですら、知識がないと対応に困ります。また、学校の教員ですら、知識のない人がほとんどです。こう考えると、道徳性が未熟な小中学生が理解できず、「あ、って話してみて」など心ない言葉をかけてしまうのは当然なのです。
僕も小学生のときに、場面緘黙症の友達がいました。僕は、仲良くなりたくて、他の友達と一緒に家まで遊ぼうと誘いに行ったり、普段も話しかけたりしていました。その友達は、声は出ないものの、頷いたり首を振ったりして、リアクションを取ってくれました。
あるとき、他の友達とバカなことを言ったときに、その子が笑ってくれたんです。それが嬉しくて、いつも絡みにいって、面白いことをしたりしていました。中学に入学してからは、その友達と同じクラスになることもなく、話すことはありませんでした。
今、思うと、迷惑だったんじゃないかと振り返りますし、同じように「話してみて」など心ないことを言ってしまっていたかもしれません。
別に自分のことを肯定するわけじゃないですが、本当に知識がなくて、全く悪気なく、そういうことをしていたという思い出があります。
場面緘黙症が原因の不登校
親からすると、場面緘黙症で学校に通っていることだけでも、心配で仕方ないことでしょう。その上、不登校ともなれば、どうしようかと悩むことは間違いないでしょう。
今の教員は、大学の講義で場面緘黙症を聞いたという人も増えてきています。しかし、その認知度はまだまだ低いです。名称は知っているけど、支援の仕方がわからないという方がほとんどです。
適切な支援を受けることができれば、学校生活を送ることができる子もいます。その支援方法が普及されていないのは、勿体ないことです。学校の研修は、一個の障害に焦点を当てるようなことはほとんどないので、普及するとすれば、知識のある教員が他の教員に伝えていくか、場面緘黙症の生徒に出会い、勉強するきっかけを得て、勉強していくしかないのです。
この意味で、十分な支援体制が整わない今の教育では、生活の困難が負担となり、不登校に至る可能性は高いといえます。
場面緘黙症により不登校になると、もともと不安を強く抱く特徴があるため、再登校が難しいです。周りの勉強の進度や成長が不安を煽ってしまうからです。
とはいえ、本人が勉強する機会を求めるのであれば、学校は支援をしてくれるはずです。問題は、心の負担の部分です。
不登校にならないために、場面緘黙症のことを学校に理解してもらって、なるべく負担が小さくなるように工夫してもらうほかありません。
もし、不登校になっても、適応指導教室(教育支援センター)やフリースクールという居場所はあります。今後は、オンラインで授業が受けられるようになっていくかもしれません。少しずつですが、不登校児の支援は増えています。ぜひ、夢を追い続けてください。
アクティブラーニングの普及
今、日本では問題解決能力やコミュニケーション能力の育成に効果的なアクティブラーニングというグループワーク形式の授業が流行っています。
僕は、大学4年生のときの実習で場面緘黙症の子に出会いました。高校の授業で、普通にグループワークを行っていると、同じグループの子たちが、慌てているのに気づきました。進学校で講義系の授業ばかりだったのか、グループワークは珍しかったようです。
僕も「あ、場面緘黙症かな」と気づき、「意見をプリントに書いてね。後で見にくるね。」と言って授業を進めました。僕も大学生で余裕がなかったのですが、周りの子たちが、積極的にサポートしている姿をみて、嬉しく思いました。
後で、指導教官の先生に「言うの忘れてた。グループワークをやると思っていなくて。でも、支援はあれでいいと思うよ」と言っていただけました。
でも、もう少し深堀りをすると、周りのサポートを受けると、自尊感情が下がるという報告もあることから、一方的にサポートを受ける形の子にとっては、可哀想なことをしたと反省しています。
優しい子たちだったので、本心からサポートしてくれたとは思いますが、その状況を避けることができたのに実施してしまったのは自分の未熟さゆえでした。
グループワークは、教育界の時代の流れでいえば、今後も増えます。これは場面緘黙症の方にとっては、辛いことかもしれません。一方で、コロナの影響で活動的な学習は避けられているので、コロナが蔓延している間は、グループワークが減ります。
場面緘黙症は治るのか
場面緘黙症は改善します。特性からくる症状ですので「治る」という表現は合わないかもしれません。ただ、どちらにせよ話せるようになります。
場面緘黙症は、不安と恐怖による行動制限です。つまり、不安と恐怖を軽減して、話すことのリスクが無くなっていけば、話せるようになると思っています。大人になるにつれて改善する人が多いのですが、当事者の努力は凄まじいものだと思います。
カウンセリングを受けたり、不安と対決したりして、ようやく話せるようになっていくのです。大変なことではありますが、その努力からも「話したい」という気持ちが伝わってきます。
場面緘黙症の情報発信を
小中学生には、理解されづらく、教育的な支援体制も十分ではない。それでも、認知度は少しずつ上がっています。まだまだですが、SNSやネットの力で、発信しやすくなって情報が増えてきました。
僕も、SNSで当事者に話を聞かせてもらうことがあります。ぜひ、お困りの皆さんも情報を発信してください。こうしてほしい、こうされると助かるといった情報を求めています。僕自身も、書籍や論文を読んで勉強はしていますが、最も勉強になるのは当事者の声です。
僕のSNSにご意見をくだされば記事にもしますし、いただいたご意見がカウンセリングや不登校支援に活きてきます。ぜひ、ご協力ください。
最後に
あまり有益な情報がなくて、申し訳なかったです。今後は、論文を読んだりして、その学びを発信していこうと思います。
さて、場面緘黙症でお困りの皆さん、一緒に情報を発信しましょう。より生きやすい社会になりますように……。
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