【不登校の小中学生の保護者の方へ】子どもがスマホやゲームに依存したときの対処法

2020年12月31日

三重県松阪市の小さなフリースクールCOZYです。

今回は、「子どもがスマホやゲームに依存している」「ゲームばかりして、将来が不安」とお困りの保護者の方に読んでいただきたい記事です。

スマホやゲームに依存する原因

まずは、この理由を学んでください。ゲームというのは、登場するモンスターや敵を倒したり捕まえたりするものが多いですよね。人の脳は、もう少しで手が届きそうという渇望状態においてはドーパミンという神経伝達物質が分泌されます。

これはスマホ依存、ギャンブル依存でも同じことがいえます。SNSで「いいね」が増える感覚、パチンコで大当たりが出る感覚、クレームゲームでもう少しで景品が取れそうな感覚、これでもドーパミンは分泌されます。

ドーパミンは、普段はセロトニンという情緒の安定を促す神経伝達物質によって制御されています。しかし、このセロトニンは、日光を浴びない生活、睡眠不足、長期的なストレスがあったりすると、分泌が少なくなります。

ゲームというものは、ドーパミンの分泌を活性化させますので、セロトニンの分泌が少なくなって、ドーパミンの制御ができなくなった状態では、依存に繋がってしまうのです。

スマホやゲーム依存への良くない対応

失敗する対応の代表として、「スマホやゲームを取り上げる」ということがあります。スマホやゲームを取り上げると、どうなるか。依存の対象になっていた物が取り外されることになるので、情緒が混乱して、行き場がなくなった怒りが「スマホやゲームを取り上げた人」に向きます。

そして、親への暴力に繋がっていきます。また、家を破壊する行動をとったり、最悪は自分自身への攻撃に繋がりかねません。では、どうすればいいのでしょうか。

スマホやゲーム依存の改善方法

改善方法

スマホやゲーム依存から抜け出すためには、いくつかの方法があります。

まず、ドーパミンとセロトニンの話をしたように、脳の神経伝達物質に問題が生じているわけですから、ドーパミンとセロトニンを正常値に整え、情緒の安定を図る必要があります。しかしながら、ほとんどの場合、投薬は行われないようです。

副作用を考慮されるためです。このスマホやゲームとのたたかいの時期は、非常に苦労されることと思います。子ども自身も、かなりの負担があり、家族中が追い込まれることも多いです。

今は、スマホやゲーム依存を専門にしているクリニックもあるので、まずは診察を受けてください。日頃の状況などをしっかり伝えてください。自分の子どもの状況を話すことは、親として抵抗があると思いますが、なるべく詳細に話をしたほうがいいです。

スマホやゲーム依存による損失を防ぐ

また、特に気をつけたいのは、ゲームへの課金の問題です。今は、スマホのゲームにおいては、より良い待遇を得るために課金というものがあります。課金の方法は、コンビニでシリアルナンバーが書かれたカードを買い、そのシリアルナンバーをゲーム内で打ち込むことで、課金ができます。他にクレジットカードの情報を打ち込むことで、課金できるゲームもあります。

Nintendo Switchにおいても、コンビニなどでシリアルナンバーのカードから課金し、ゲームを購入することができます。こちらも、注意が必要です。親の知らないうちに課金をしまくって、凄い額になっていることもあるようです。

スマホやゲームから距離を置くには

スマホやゲームから少しずつ距離を置いていかなければなりません。急にゼロにするのではなく、他のことに意識を向けさせて、スマホを触ったりゲームをする頻度を減らしていくことが好まれます。例えば、好きなスポーツの習い事を始めて、疲れて帰ってきたら、ゲームをする時間が減りますし、適度な運動と日光に当たる活動はセロトニンの分泌を正常に戻します。

不登校で、ずっと家にいたり、部屋にこもっていたりする生活は、心の負担を減らすことにはなりますが、社会的に健康かといわれると、そうではありません。何かしらのコミュニティを形成して、将来のための準備をすることで、色々な人との出会いや社会的刺激を受けること、心も成長していきます。

まずは、子どもをしっかり受け入れてくれるような場所を探してみてください。適応指導教室(教育支援センター)、フリースクール、習い事、何でもいいと思います。子どもの活動を増やしてあげて、家は休憩したり、心を癒やす場所として機能するといいと思います。

不登校とスマホやゲーム依存

不登校の子どもに限らず、スマホやゲームの普及に伴い、依存症は増えています。しかしながら、不登校の子どもにとって、親も仕事でいなくて、兄弟もいなくて、という状況になると、どうしてもスマホやゲームで、寂しさを紛らわせたくなるものです。

女の子の場合は、SNSで知り合った男性に会いに行って、性被害に会ったりするなどの問題も増えています。依存そのものが問題にならなくても、それ以外の部分で、危険が伴うことも理解しておいてください。

スマホやゲームは、使いようによっては、素晴らしい出会いがあったりもしますが、使い方を間違えると、取り返しのつかないことにまで発展してしまうこともあるのです。

なぜ子どもは、危険なことに賭けたような行動をするのか、それは不登校の原因やきっかけにより、深く傷つき、不登校で寂しさが溢れ、自暴自棄になっているからです。「どうせ自分の人生なんか…」と、刺激を求めたり、誰かに心配されたくて、自己破壊的な行動を示すことがあります。

このような行動を示す子どもは、それほどに心にダメージを負っているのです。自傷他害があり、危険を感じる場合、精神科病院への入院も検討してみてください。まずは、診察を受けるか、保護者が話を聞きに行ったりして、状況を説明してください。

スマホやゲーム依存の裏側には、心の問題がある場合が多いです。見逃すことなく、子どもの様子に気を配り、適切な支援を受けるようにしてください。中には、一貫して厳しくスマホやゲームを禁止する支援者もいるようですが、何が正解なのかは分かっていません。依存を改善できたとして、心への負担はどうなのか、など考慮することは、沢山あるように思います。今後の研究に期待しましょう。

まとめ

  • 依存の原因を知る(脳科学的な考え)
  • 失敗する対応を学ぶ
  • 改善方法を学ぶ(損失を防ぎ、距離を置く)
  • 依存の裏にある心のダメージを意識する

最後に

いかがでしたか?結構、悩まれている保護者の方が多いだろうと思い、記事にしました。僕にできることは限られていますので、この記事を読んで、適切な支援に繋がれば幸いです。

僕ができることは、フリースクールで、スマホやゲームに負けない楽しみを教えたり、生活習慣を改善させたり、スマホやゲームの扱い方を学ばせたり、こうした意味では支援に携わることができます。

僕は、医師ではないので、投薬療法はできません。基本的には主治医の指示に従いながら支援する形になります。そして、根底にある心のダメージを回復させたり、心の成長を促したり、そういった点は、フリースクールとして担っていきたいと思います。

今回は、ここまでです。最後まで読んでいただたき、ありがとうございました。