【中学生の不登校】「高校受験ってどうすればいいの?」

2021年9月8日

今回は「高校入試ってどうすればいいの?」とお悩みの不登校の子どもや保護者の方に向けて、少しばかりの情報を提供できたらと思います。

成績を振り返る

中学生の不登校といっても、ずっと不登校だった方もいれば、途中で不登校になった方もいると思います。

ずっと不登校だった場合

✔ずっと不登校で、定期テストも受けることができていなかった場合は、成績は著しく低いか判定不能になっていると思います。

✔ずっと不登校でも、適応指導教室やフリースクールに通いながら、定期テストだけでも学校に受けに行くことができていた場合は、高い成績ではないものの努力次第では、それなりの成績がつくこともあります。

◆この違いは、出席日数です。中学校は、高校のように単位制ではないため、授業そのものへの出席がない場合でも、成績がつくことがあります。また、成績がつかなかったとしても、出席日数がカウントされているということは、入試での評価が変わってきます。

途中から不登校になった場合

不登校になったタイミングによりますが、2年生の終わりで不登校になったとしたら、それまでの成績はついています。高校入試では、入試直前の成績と1年末、2年末の成績が加味されることが多いです。その意味でも、ある程度の成績があれば、一般入試でも可能性があります。

高校入試の募集方法を知る

都道府県、公立と私立で違いがあります。受け方としては、公立は前期入試と後期入試、私立は一般入試、推薦入試、AO入試があります。

前期入試(公立)

前期入試は、主に面接、小論文、筆記を行います。勿論、成績も加味されます。学校や学科によっては、実技試験があることもあります。

後期入試(公立)

後期入試は、主に筆記です。加えて、面接があるところも多いようです。こちらも成績は加味されます。

一般入試(私立)

私立の一般入試は、主に筆記です。筆記の点数でほとんど決まります。ですが、もし合格人数のギリギリの点数であった場合、成績や出席状況を加味され、より良い方が合格になります。この意味で、不登校で成績のない方は不利です。

推薦入試(私立)

私立の推薦入試は、専願と併願があります。どちらも内容は同じで、主に面接と小論文です。成績も加味されます。

✔専願は、「その学校に合格したら入学します」と入学する前提で受験する方法です。私立の高校からすると、生徒を確保しないとお金が入らないので、専願で受ける生徒は合格の人数として確保したいのです。この意味で、最も合格しやすい方法といえます。ただし、成績によっては落とされることもあります。

✔併願は、「その学校に合格しても、他の学校で合格をもらったら、その他の学校に入学する可能性もあります」という前提で受験する方法です。

AO入試(私立)

AO入試は、生徒の人柄が重視される入試の方法です。主に面接と小論文です。成績も加味されますが、面接と小論文の点数の配分が大きくなっています。また、専願であることが多いです。

入試の募集方法を意識して準備する

上記の高校入試の募集方法を意識して、準備を進めてください。子どもの状況に合ったものでないと、合格は難しいです。また、それなりのレベルの高校に進学したい場合は、成績が不利なぶん、周りの人よりも努力して、入試の本番で良い点数を取らなくてはなりません。

✔公立の後期入試は、国数英理社の5教科が出題されるので、勉強する幅が広いです。

✔一方、私立の一般入試は、高校独自で試験を準備しているので、5教科でなく、国数英の3教科であることあります。

勉強時間を十分に確保できないのであれば、初めから私立の一般入試に的を絞って勉強するのも、いいと思います。

また、高校のレベルにもよりますが、公立高校は私立高校に比べると、成績が加味されやすい傾向にあるようです。そう考えると、私立の推薦入試(専願)やAO入試が狙い目かもしれません。ただし、面接の練習はしっかりしておかないといけません。

不登校経験があっても高校入試に打ち勝つ方法

とにかく、成績は不利です。これ以外の部分で考えましょう。僕は、個人的にはこう考えます。

不登校の経験を面接で話すと武器になる

例えば、志望動機を聞かれたときに「不登校の経験をして、その間に将来のことを考え続けて、やりたいことが見つかった。この高校で、目標に向けて頑張りたい!」というような話ができれば、面接官の心に残ることは間違いないと思います。

ただ、面接官が心配するのは、高校に入学できても、すぐに退学してしまったり、不登校になって編入したりしてしまうのではないか、いうことです。これをしっかり否定できなくてはなりません。

その意味で、この学校では○○という実習があり、他の学校では目標に近づくことができません。というように、どうしても入学したいという想いを話して、面接官の心配を打ち消すことができれば、良いアピールになると思います。

◆「武器になる」ということは、武器も使い方を間違えると、全く機能しなかったり、自らをおとしめることにもなります。

高校入試では、あまり生徒の弱みをつくような質問はしないと思いますが、それでも答えは用意しておいたほうがいいです。例えば、「欠席日数が多いようですが、高校では頑張れそうですか?」と問われた場合、ポジティブに答えられないと、結果に響きます。

準備する時間はたっぷりある

これは、あまり良い考え方ではないですが、周りの子が学校にいって、集会や特別活動をしている時間を準備にあてることができるので、成績の不利を勉強や面接で埋めることができるかもしれません。逆境を何とかチャンスに変えましょう。

受験する高校を決めて準備する

上述の入試の募集方法をしっかり確認して受験する高校を決めましょう。

資料請求しまくる

まずは、行きたい高校のホームページや所属する中学校を通して資料請求をしましょう。資料請求は基本無料ですから、候補にある全ての高校の資料請求をしましょう。気になっているくらいでも、とりあえず資料請求です。

ホームページから資料請求する場合は、高校のホームページに行き、大体「受験生の方へ」など書いてあるので、そこから探してください。名前、住所、郵便番号などを入力すれば、送られてきます。ただし、それなりに時間がかかるので、早めに準備しましょう。

資料の募集方法を確認する

何度も言いますが、都道府県や学校によって異なりますので、間違いなく確認してください。

所属する中学校の担任に相談する

どこの受験に申し込むか中学校に知らせる必要があるので、成績を加味して、受験できるレベルなのかなど担任に確認しましょう。進路指導に慣れている先生は、情報を持っています。また、所属する中学校の受験状況や他校の受験状況も情報を持っているので、その点も考慮した上で意見がもらえると思います。

受験の申し込み

これも間違いないように担任と一緒に記入し、複数人の目で確認して出願してください。公立高校の申し込みは、同時期に一斉に申し込むので、そのタイミングをあらかじめ聞いておいて、できれば一緒に申し込みましょう。一緒に申し込むのが難しい場合でも、その日の放課後に対応してもらえるようにお願いしてください。もし、締切まで余裕がある場合は、また日時を設定して、対応してもらってください。

最後に

子どもが不登校であると、親も孤立しがちです。こうした情報が共有できないことで、締切に間に合わないなど、注意してください。なるべく担任の先生とは信頼関係を築き、時期に合わせて情報をもらうようにしてください。

長くなりました。今回はここまでです。僕は、高校で勤務していたので、中学校の先生の立ち回り方は、それほど詳しくないです。他に困ることがあるかもしれないので、学校と連携して、しっかり情報収集してくださいね。