不登校の中学生が学校の定期テストを受けるメリット

2021年2月9日

不登校状態にある中学生の方へ。もし可能であれば、中学校の定期テストは受けてください。今回は、定期テストを受けるメリットをお話します。

不登校の中学生が学校の定期テストを受けるメリット

もし、中学生で不登校の状態にあっても、定期テストだけでも受けてください。

定期テストを受けるメリット

高校受験を考える上で、中学校の成績が重要となってきます。不登校の場合、期間が長いと成績がつきません。教育支援センター(適応指導教室)やフリースクールに通っていれば、出席扱いにはなります。

しかし、この出席数があったとしても、授業に出ておらず、実技や授業態度などの部分で、どうしても成績がつけられないのです。どれだけ勉強して、定期テストで高得点が取れたとしても、高い成績がつくことは、ほとんどないと考えていいでしょう。

では、なぜ定期テストを受ける必要があるのか

それは、学校内での順位が知れるというメリットがあるからです。これについて、更に掘り下げて説明していきます。

高校受験のシステムがヒント

高校受験の方法は、以下の4つが主になります。

  • 公立高校の前期入試
  • 公立高校の後期入試
  • 私立高校の推薦入試(専願と併願)
  • 私立高校の一般入試

全ての方法に成績が関係していて、成績が低いほど、高校受験は不利になります。

公立高校の前期入試と私立高校の推薦入試は、その学校のレベルに見合った成績がないと、受験することすらできない場合があります。

それに比べると、まだ可能性があるのは、公立高校の後期入試と私立高校の一般入試です。

公立高校の後期入試は、ほとんどは都道府県の教育委員会が用意した国数英社理の5教科の筆記試験がメインになります。高校によっては、面接試験が課せられることもあります。

▼これが最大のヒント

ある高校の受験では、テストの点数+面接試験の点数+成績(9教科)で選考されています。

これも都道府県や高校の特徴によって違いがあるので、全てが正しいわけではありませんが、このヒントにある選考が行われていることが多いです。

このヒントを見ると、成績は最大で45点ぶんです。つまり、単純に考えれば、期待できる筆記試験と面接試験の点数から45点を引いた得点を基準にして、受験する高校を決めると他の中学生と勝負できることがわかります。

定期テストの順位が目安になる

▼これが最大のメリット

学校内の順位を知ることで、学校、塾、フリースクールなどの先生は、これまでのデータから他の生徒と比較して、どの程度、点を取れば受験する高校に合格できるのかという基準点がわかります。

一見、当事者である中学生や保護者からすると、あまりメリットに感じないかもしれませんが、不登校で勉強が遅れてしまっている場合、全ての範囲を勉強して、得点を上げる時間が足りないことが多いのです。

それを踏まえると、先生たちはあと何点という目安わかることで、的を絞ることができ、勉強の教えやすさがアップできます。

中学生、本人にしても、目標があると勉強への意欲が増すことと思います。

加えて、「このままでは、狙っている高校は難しい」や「〇〇高校のボーダーから−45点で考えると、ここが狙える」などの受験できる高校のレベルが明確にわかります。

定期テストを受けるには

学校に登校して授業を受けたり、皆と同じ教室でテストを受けるのは難しいと思います。ですから、担任の先生に相談して、別室受験ができるかお願いしてみてください。

ほとんどの場合は、体調不良者が受験できるように別の試験会場が準備されています。そこで受けさせてもらえると思います。

勇気が必要になるかもしれません。また、受けても全然、点数が取れなくて、恥ずかしい、悔しい想いをするかもしれません。でも、高校受験を頑張りたい気持ちが少しでもあるのなら、勇気を出して、頑張ってみてください。

塾やフリースクールなどに通わずに、家で勉強している子でも、定期テストを受けることで、新しい目標ができると思います。とにかく、一歩を踏み出してみてください。

最後に

高校受験に限らず、受験というのは情報が大切です。情報は多いに越したことはないです。不登校になると、学校からの情報が入りにくくなります。中学校の先生は、いろんな高校の情報を持っているので、頼りにしてください。

よく不登校になると、保護者が学校を拒否したり、学校を頼らなくなったりするのですが、できる限り信頼関係を維持してください。塾やフリースクールも、それなりに情報を持っていますが、毎年の直近の情報を最も得やすいのは中学校の先生です。

高校受験の時期になると、他の生徒も張り詰めてきますし、先生方も忙しくなります。そうなると、情報が得られづらくなります。ですから、先手先手で、学校に働きかけて、少しでも情報を集めてください。

僕は、高校教員をしていました。よく保護者の方で、「自分の時はこうだった」と話してくれる方もいるのですが、10年もすれば、かなり状況は変わっています。過去の情報では闘えなくなっています。常に最新の情報を収集しようと努めてください。

勉強だけできても、周りの状況が分からなければ、どこを受けていいか分かりません。これは、暗闇を歩き続けるようなものです。しっかり目標を見て、それに向かって走り出せるように、他の生徒より早く、中学校2年生の中頃から情報を集めだすといいと思います。

今回は、以上です。

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◆こちら(↓)も参考にどうぞ

不登校の中学生┃高校受験ってどうすればいいの?

https://psycholocozy.org/archives/2348

不登校,臨床心理学

Posted by Cozy