【中学生の不登校】好きなことに時間を使おう!【過ごし方、接し方】

2021年2月9日

こんにちは。中津です。

突然ですが、不登校状態になっている皆さん、好きなことはありますか?保護者の皆さん、子どもの好きなことを把握していますか?

今回、「好きなことに時間を使おう!」というテーマで、お話します。

心的な居場所

臨床心理学において「自尊感情」という概念があります。これは、自分自身を尊重できているかどうかを示します。不登校の状態にある子どもは、この自尊感情が低くなっています。

また、不登校の研究では、学校への適応感の低さ、生きづらい感覚についても関連があると言われています。一方、心的な居場所がある子どもは、自尊感情の低下が抑えられるという報告もあります。

この「心的な居場所」というのは、自分が自分らしく居られる空間のことです。例えば、自分らしく居られる友達、自分らしく居られる部活動などです。不登校傾向のある子どもが、不登校にならずにいるのは、この心的な居場所があるためだと考察する研究者もいます。

■勉強やクラスでの友人関係が上手くいっていなくても、放課後は自分の好きな部活動で、仲間と楽しむことができれば、学校に行こうと思えるということです。例として、部活動を挙げましたが、遊びでも習い事でもいいと思います。

心的な居場所になりにくいもの

一見、心的な居場所になりそうだけど、なりにくいものがあります。それは、家庭とSNSです。

■家庭では、確かに逃げ場、シェルターとしての役割は大きいです。しかし、これは自分らしく居られるというのとは別物です。保護者や兄弟姉妹、祖父母との関係の中で、小言を言われたりして、管理するされる関係性があるからです。

■SNSでは、匿名で自由に表現することができますが、匿名という時点で、「自分らしく」ではありません。また、相手もどこの誰か分からない状況で、自分らしく振る舞えるのかという疑問もあります。

このように、心的な居場所というのは、ありのままの自分をそのまま受け入れてくれる環境です。

好きなことに時間を使おう!

心的な居場所を見つけるのは難しいことです。そのための提案として、好きなことに時間を使うことをおすすめします。

好きなことに時間を使うというのは、心の状態が良くない今は、とりあえず学校のことは置いておいて、趣味や習い事などに時間を使おうということです。

趣味や習い事で出会う友達は、基本的には興味や関心が同じということです。同じ目標に向かって高め合える仲間は、心的な居場所となりやすいことでしょう。

こうした出会いは、習い事だけじゃありません。適応指導教室やフリースクールで、友達ができた場合、自分の趣味に誘ったりすることで、互いに心的な居場所を構築することもできます。

■ただ、ゲームはおすすめしません。依存性があるからです。不登校の子どもは、脳内の神経伝達物質であるドーパミンやセロトニンの均衡が崩れやすく、ゲーム依存症に至りやすくなっています。できれば、身体を動かしたり、友達と直に交流できるような健康的な活動を選択してください。

また、保護者の方に提案があるのであれば、どんどん子どもに紹介してあげてください。子どもの中では、選択肢が非常に少ないです。

例えば、写真、絵、登山(低山)、釣り、などです。また、近くの体育館でやっているバレーやバスケ、機械運動などの教室でもいいと思います。

写真を撮るにしても、自分のカメラを持ち、スポットを巡り、良い写真を撮り、ブログやSNSにアップロードするという流れまで楽しむことができると良い勉強にもなると思います。

もし、保護者さんの趣味と合致するなら、子どもだけじゃ行けない場所に一緒に行ったりして、親子関係を深めるのも良いでしょう。高校生くらいでは、友達と電車やバスで出掛けて、趣味が楽しめるくらいなると理想かもしれません。

最後に

心的な居場所があることで、自尊感情がほどよく高まり、余裕ができてくると、学校に再登校したり、別の場所で目標を持って頑張れるようになります。

自分のやりたいことがあるというのは、非常に健康的です。不登校になると、ネガティブな思考に支配されてしまいがちですが、そういうときは、とことん自分の経験を積める方向にシフトしてみましょう。

写真が好きになって、カメラマンになりたいという夢を持ってくれれば、保護者の方としてもホッとできるのではないでしょうか。

不登校,臨床心理学

Posted by Cozy