【不登校の原因になる】社交不安障害とは

2020年10月25日

社交不安障害は、以前は「社会不安障害」と言われていました。現在では、社会活動全般で行動が制限されるものではないとの解釈から、社交不安障害と呼ばれるようになり、定着しつつあります。これは、あくまで名称の違いであって、特に症状が変わっているということではありません。専門家の一部では、より社会生活全般に障害があると考えられる場合に社会不安障害という名称を使用するなど、使い分けている方もいらっしゃるようです。

社交不安障害の特徴

社交不安というくらいですから、主には集団での活動場面や始めて行く場所、始めて行うことなど、社会で生活する上で生じる交流場面で強い不安を感じ、行動が制限されてしまう障害です。「障害」というと病気のようなイメージがありますが、細かくいうと、「不安になりやすい特性」は意外と多くの人が当てはまります。しかし、これはあくまで特性です。一方で、この特性により、社交場面での行動が制限されて生活に支障をきたすことが「障害」というように表現されます。

「不安」を考える上では、まず「安心」について言及しなくてはなりません。人が安心感を抱くのは、慣れ親しんでいる場所、人、行いなど慣れ親しんでいることが安心に繋がります。一方で、慣れていないということが不安に繋がります。不安障害でない方は、こうした場面に直面しても緊張したり不安を感じたりするものの、少し勇気を出したり前もって情報を得るなどして不安を緩和することで、行動することができます。不安障害の方は、脳の働きの関係で、不安を抱きやすく、また抱いた際に強く感じることになりますので、行動しようとすると脳がブレーキをかけるようにパニック発作が出たり、体調が悪くなったりします。

こうした社交不安障害は、周りの人から理解されづらく、つい「勇気を出してやってみよう」「皆が乗り越えているんだから」と言ってしまうことでしょう。それは、皆さんが不安を感じても、勇気を出して乗り越えてきた経験があるからこそ、言いたくなる言葉です。しかしながら、社交不安障害の方は、その点は自覚していることが多いです。逆に「皆が頑張って行動できているのに、何で自分はできないのか」と自分を責めていることが多いです。もし、皆さんの周りに、不安が要因で行動が制限されているような友達がいたら、まずは一緒にいてあげてください。慣れていない環境でも、仲の良い友達と一緒に行動することで不安は緩和されます。そうして、様々な経験をしていく中で、不安の対象になることに慣れていくことができます。

しかし、いつまでも友達と一緒に行動できるわけではありません。進学したり、地元から離れたり、社会人になって働きだしたりする上で、どうしても避けられない社交場面があります。ですから、子どもの時に不安を感じやすい特性があることに気づいてあげて、色々なことを経験させてあげるといいと思います。一方で、社交不安障害の治療・改善については、不安を軽減させる薬を処方してもらったり、心理療法で不安への捉え方を変えていったりするような方法があります。脳の働きが主な要因である場合は、投薬療法で効果が出ます。しかし、性格的に不安を感じやすいという場合は、投薬療法は一時的には効果が出ますが、性格的な部分にアプローチしないことには改善は見込めないでしょう。(※僕は医師ではありませんので、上記の説明に誤りがあるかもしれません。治療については、適切な医療機関で診察を受け、医師の指示のもと適切におこなってください。)この点から、主に治療は投薬療法と心理療法が同時並行で行われるようです。

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【不安障害の支援について】

社交不安障害の特徴と支援】

社交不安障害による不登校

学校現場でも、成績がよく、普通の子どものように見えるのですが、行事や発表など普段していないことをしようとした際に、拒否的な反応を示す子どもを見かけます。なかなか親の理解が得られず、病院にかかって診察を受けることは稀です。そして、もし診察を受けられたとしても、うつ病などを併有していない限りは診断が降りることも少ないように感じます。これぐらい社交不安障害の認知はされていないことと、保護者も自分の子どもが障害を持っているとは思えないでしょうし、当事者である子どもも病院に行くことに抵抗がある場合もあります。また、グレーゾーンという表現はあまりよくないかもしれませんが、障害まではいかなくても、確実に負担になって苦しんでいる子どもはいると思います。

このようなグレーゾーンの子どもが、自分の不調の理由に気づかずに、急に学校に行くことが辛くなって、不登校になるというケースもあります。とくに、中学1年生、高校1年生という入学したばかりで、色々なことに慣れていないときに、急に体調が崩れて身動きがとれなくなるようなことがあります。この不安という感情は、抱くことすら、恥ずかしいと感じてしまったりして、自ら直視しないようにする子どもが多いと思います。普段、強がってはいるけど、実はかなりの負担になっていて、誰も気づかないうちに、自傷行為や不登校に至ることもあります。それほどに不安という感情は、慢性的に心の負担になるもので、軽視しないほうがいいものでもあります。その意味で、ご家庭という場所、家族や友達という人たちは、凄く大切な存在です。一方で、思春期の子どもたちにとって、落ち着ける場所がなかったり、悩みや愚痴を話せるような人がいなかったりすると、不安がストレスとなって溜まり、爆発することもあるのです。

さて、きっかけはどうあれ、不登校に至った子どもは、学校に行っていないことに自己嫌悪感を抱きます。そして、一人で悶々と考えた矢先、このままでは良い人生が送れないのではないかと将来への不安を抱きます。その点で、不登校になった際に、学校以外の場所を探すことはいいことだと思います。まず、考えるのが保健室登校ですが、保健室登校ということは学校には行かないといけないので、自己嫌悪感を抱いたまま、友達や先生と合うことや行事が不安で参加したくない、という様々な考えが頭をよぎります。では、次に、適応指導教室やフリースクールです。適応指導教室やフリースクールは、自分の好きなタイミングで行くことができますし、出会う子どもや先生も少ないです。

【適応指導教室はこんなところです!】←僕がボランティアでお世話になったところです。

その意味では、始めは負担がありますが、行き慣れると安心できる場所になると思います。適応指導教室やフリースクールでも、イベントはありますが、参加は自由ですので、辛かったら嫌悪感なく不参加を選択できます。ただし、出席扱いになるという反面、ちゃんと通っていないと出席になりませんので、その点は注意です。とはいえ、学校や、高校生であれば通信制や定時制という選択肢もありますが、単位制ですので、出席は頑張って確保しながら、勉強も可能な限りで頑張って行かなくてはなりません。子どもの視点で考えると、不登校になったばかりで、不安な環境に慣れる必要があるので、すぐには動き出せません。まずは、心の回復を図り、環境に慣れていくことが大切です。

保護者からすると、不安という感情が要因で、障害になったり、不登校になったりすることは、なかなか想像できませんし、受け止めることができないかもしれません。でも、考えていただきたいのは、子どもが学校に行くことを渋るということは、何らかの原因があって、表に出さないようにしているかもしれませんが、日常のどこか、もしくは生育歴のどこかでSOSを出していたり、何らかのヒントがあったはずです。これをよく思い返して見てください。ここまで考えて頂いた上で、もう一つお話しておきたいのは、社交不安障害による不登校、不安を感じやすい特性が要因となっている不登校、というように話してきましたが、これらはあくまで不登校の様々な原因の中の一つに過ぎません。もっと別の理由があるかもしれません。例えば、保護者や先生も知り得ない虐めや失恋が原因になることもあります。それらは、通常、子どもの口から出てきません。保護者や身近な人には、とても言いづらいことであるからです。

こうした不登校のきっかけや原因は、スクールカウンセラーとのカウンセリングの中で話をしてくれたり、友達への聞き取りなどで、知ることができることもあります。しかしながら、保護者が知ることが難しいことでしょう。また、不登校のきっかけや原因は、虐めや暴力などが原因である場合は、突き詰めて調べる必要ですが、子どもにとっては、掘り返されたくないこともあります。普段の接し方としては、きっかけ・原因の追求のようなことはせず、まずはゆっくり過ごさせてあげて、落ち着いてきたら登校刺激を与えてみて、学校への登校に否定的な態度を示した場合は、焦らず学校への相談のもと、次の環境をどうするか子どもと話し合ってみてください。保護者が感情的になってしまうと、親子の信頼関係までも崩しかねません。僕からすると、親子の信頼関係は本当に大切にしてほしいと思います。あのカウンセラーは合わない、あのフリースクールは合わないとなっても、別を探せばいい話ですが、親子の関係はそうではありません。ぜひ大切にしていただいて、子どもに合う環境を探してあげてください。勿論、保護者の方にとっても、不安や心配は尽きないことでしょう。ついつい強く言いたくなる気持ちもご察しします。その場合は、保護者の方もカウンセリングを受けるなど、想いを吐き出せる環境をご用意してください。一人で抱え込むのは、凄く辛いことです。

最後に

今回は、不登校を考える上で、心理学の視点から社交不安障害を取り上げ、記事にしてみました。今後も、発信できることはしていきたいと思います。フリースクールとして、できることは、子どもを受け入れ、長期的に支援することと、教育相談を実施することです。僕も医師ではないので、障害について無知な部分もあろうかと想いますが、元教員として、心理学を学ぶ者として、支援に力を入れていきたいと思います。

今回はここまでです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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