「学校に行きたくない」はSOSかもしれません。

2020年12月30日

こんにちは。中津です。

今回は、子どもに「学校に行きたくない」と言われた保護者の方に向けた記事です。

「学校に行きたくない」はSOSかもしれません

小中学生が突然、「学校に行きたくない」と言ってきたら、保護者としては「子どもが不登校になったら、どうしよう」と考えることでしょう。

しかしながら、子ども自身「学校に行きたくない」と言った際、子どもは不登校のリスクを心配していません。もっと直近の問題のことを考えた上での「学校に居ることが苦しい」というSOSの可能性があります。

保護者としては、不登校になったら、仕事に行けなくなるかもしれない、子どもの勉強や進路はどうしよう、塾やフリースクールに通わせたほうがいいのか、など、色々な考えが頭を駆け巡ります。これは、子どもや家庭を心配する気持ちが根底にあるので、自然なこと、仕方のないことです。

一方で、子どもは、親の心配していることまで、頭が回っていません。それよりも解決したい直近の問題があるからです。例えば、学業や友人関係、親子関係です。不登校の原因で、最も多いの無気力・不安です。次が友人関係(イジメを除く)、次が親子関係です。

無気力・不安でいえば、単に成績が悪いから行きたくないということではなくて、勉強の仕方がわからないまま、時間だけが過ぎていき、勉強することに対して、無力感を抱いていたり、親や周囲の期待がプレッシャーとなり、堪えきれなくなったりすることが原因になることがあります。

友人関係(イジメを除く)でいえば、喧嘩や絶交、イジメまで認識されない不仲行為(無視やイジリなど)です。よく無視やイジリのようなことはイジメに含まれるという意見もありますが、こうした行為は教員に隠れて行われるので、現行で見つけられない限りは、イジメと認識されないケースが多いです。

親子関係でいえば、親との喧嘩という簡単な問題は少なく、過干渉や過保護が原因に多いと言われています。保護者としては、否定したい部分かもしれませんが、意思決定の全てを保護者が決めていたり、進路を親に決められたりして、学校に行く気を喪失してしまったり、心の負担が大きく、それが爆発した形で、不登校や引きこもり、自傷するほどに心が傷ついているケースもあるのです。しかも、保護者に自覚がない場合もあります。

保護者の悩みは、色々あると思いますが、それを考え過ぎて、無理に登校を促してしまうと、子どもにとっては、「(もう限界で)学校に行きたくないのに、親は休ませてくれない」と、「親が味方してくれない」と誤認してしまいます。

こうして子どもが孤立してしまうと、心のダメージは深刻なものになっていきます。ですから、保護者の皆さんは、不登校のリスクを心配することは、とりあえず心に留めておいて、まずは子どもの話をしっかり聞いてあげてください。そして、もし原因が分からなくても、顔色や普段との様子の違いを観察して、無理をしていそうなら無理をさせずに休ませてみてください。

こうすることで、子どもは「SOSを出せば、親は心配してくれる」「味方になってくれる」と安心することができます。また何か問題が起こったとき、同じようにSOSを出しやすくなります。このSOSが出せる環境というのは、子どもだけでなく、大人にとっても、心の拠所となります。これだけで心の負担は減少します。

逆をいえば、SOSのサインは、最初に見逃してしまうと、子どもはSOSを出しづらくなります。この記事を読んで、後から「SOSサインがあったかも」と感じることができた保護者の方は、「あの時から限界だったの?」と子どもに聞いてみてください。そして、「気づけなくて、ごめんね」と素直に言ってあげてください。そうすることで、信頼関係を再構築することができ、SOSが出しやすい環境をつくることができます。

SOSの先にあるもの

SOSがあったとしても、焦ってはいけません。まずは、手順を踏んで、問題の解決を目指しましょう。

①担任の先生と連携する。

担任の先生に「子どもが学校に行きたくないと言っていて、原因を聞いたら○○でした。心当たりありませんか?」と事実確認をしてください。クレームのように強く言うのではなく、丁寧に協力を得たい旨をお話してください。そうすることで、担任の先生は、子どもを気にかけてくれるようになります。

また、イジメなど、状況が良くない場合は、学校全体で対応してもらうのがベターです。担任の先生から教科担当の先生や学年の先生に情報共有をしてもらい、他の先生たちにも気にかけて見てもらえるようにお願いしましょう。これで解決に向かったり、イジメの抑止力になったりします。

②不登校になった場合を想定する。

子どもの状況をみて、不登校に至る可能性が高いと判断できる場合は、支援先を準備しておきましょう。中学生の場合は高校受験控えていますので、継続した勉強が、子どもの進路を確保することに繋がります。

考慮するべきなのは、保健室・相談室登校、教育支援センター(適応指導教室)、フリースクールです。これも、あらかじめ担任の先生に可能かどうかを話しておきましょう。そうすることで、スムーズに移行でき、学習の遅れを防ぐことができます。また、これらの支援先は、心の支援も担ってくれます。子どもが無理して学校に通っているようでしたら、子どもに「こういう場所があるよ」と促してみてください。

勿論、教育支援センターやフリースクールも、途中で再登校に切り替えることができますし、通いながら学校にも通うという方法もできます。まずは見学・相談だけでも利用してみてください。

最後に

保護者の皆さまは、忙しかったり、色々と考えることがあったりして、どうしても子どものSOSに気づきにくいです。気づけなかったとしても、ご自分を責めないでください。それよりも、次の対応を大切にして、ぜひ子どもの味方で有り続けてあげてください。

さて、今回はここまでです。最後まで読んでいただいてありがとうございました。ぜひ、Twitterのフォローもお願い致します。

不登校,臨床心理学

Posted by Cozy