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カウンセリングマインドを学びたい学校教員の方へ。

学校の先生方、お忙しい中、児童生徒の支援・指導、おつかれさまです。

今回は、大学院で学校臨床を学んだ元教員の立場から、心の支援を学びたい先生方に向けて、記事を書かせていただきます。

カウンセリングマインド

カウンセリングマインドとは、「カウンセリング的な見方、姿勢」といった意味です。どれだけ心の支援における知識があったとしても、子どもの困難に気づくことができなければ、その知識を活かすことはできません。

カウンセラーというのは、子どもの困難があることを知った上で支援に当たることが多いです。一方、教員の皆さんは通常の教育課程を施しながら、しかも大勢の児童生徒を相手にする仕事なので、子どもの困難を発見することが難しいと言えます。

僕自身、高校で勤務していて、担任は持っていませんでしたが、授業や部活動、掃除、分掌の仕事をする中で、生徒の異変に気づくことは難しかったです。

しかしながら、僕は癖になっている部分もあって、些細なことから「あ、もしかして…」と気づくこともありました。

事例として

例えば、廊下でいつも挨拶してくれる子が、2日間、挨拶をしてくれなかったときがありました。一日目は、「気づかなかったのかな」と思ったのですが、二日目は「いつもと表情が違う、暗いかんじがする」と思って、話しかけました。

すると、「親が喧嘩して、別居することになった。離婚するかもしれない」とのことでした。その子は妹もいて、離れて生活することになったら……と不安になっていたそうです。

家庭のことなので、口出しはできませんが、会うたびに話を聴くようにしました。結果的に離婚せずに別居のまま、母親と妹と3人で暮らすことになったそうです。

精神的に不安定になっているために、担任だけ話していい?と許可をもらい、担任と情報共有しました。担任の先生は、僕と仲良くしてくれている先生だったので、連携も取りやすく、普段から気にかけてくれました。

生徒にとっても、大人が2人で見守ってくれているという安心感があったようで、生徒の方から愚痴を話したり、現状を伝えてくれたりするようになりました。

事例の考察

問題の解決が難しいケースです。ただ、生徒の情緒的な支援だけはしてあげないと、精神的な負担が大きかったことでしょう。あまり公に話せる内容でもないので、一人で抱え込むことになっていたかもしれません。

こうした環境の急激な変化、それも情緒を揺るがす出来事というのは、青年期の子どもたちにとっては、精神障害のきっかけになること多いです。教員の気づきによって、少しでも予防になればと思います。

カウンセリングマインドを身につける

カウンセリングマインドを身につけるためには、3つのポイントがあると思っています。

1つ目は、子どもの目線に立つことです。教員にとって、子どもは大勢の中の一人ですが、子どもにとって、教員は一人が大きな存在です。何となく言っている「大丈夫か?」という一言が意外にも大きな力を持っています。

2つ目は、心配症くらいで丁度いいということです。とはいえ、何でも重たく捉える必要はありません。ちょっと違和感を抱いたら、とりあえず「大丈夫か?」と声をかけてあげてください。精神状態が不安定な子どもは、何かしら反応の違いが現れます。

3つ目は、普段から優しくなろうと意識することです。これによって生徒との信頼関係も築きやすくなります。「大丈夫か?」と声をかけても、子どもは話せない、話しづらいこともあります。日頃から信頼関係ができていれば、心の内を話しやすいでしょう。また、子どもが自らSOSを発しやすくもなります。

教員は、役割的に厳しく演じることもあろうかと思います。でも、生徒にとって話しやすい先生であるためには、普段から優しい一面や生徒想いの一面を見せておくことも大切です。

生徒指導を事例として

僕は、分掌で生徒指導をしていました。めちゃくちゃな子がいない学校というのあったと思いますが、僕は怒鳴ったりすることはありませんでした。

僕は、自分自身を柔らかい性格だと思っています。人生で数えても、怒ったことは数回ほどです。僕が、生徒を叱るときは、まずは生徒の目線になって考えます。なぜ悪いことをしたのかを想像します。

例えば、バイクの無免許運転です。生徒が無免許運転でバイクに乗ってコンビニに行ったそうです。たまたま生徒のことを知っている従業員がいて、生徒がバイクで来店したと通告がありました。(あくまで事例です。フィクションが含まれます。)

生徒指導主任が話をしたあと、僕は生徒のフォローに入りました。無免許運転は悪いことです。それも、生徒の身の危険にも繋がります。ですが、この行為には理由があるはずです。

心理学では、こうした危険な行為を自己破壊行動と言ったりします。自傷行為や危険を顧みない行動、売春なども、これ含まれます。

こうした自己破壊行動には、必ず原因があります。自己否定的な感情を抱いていたり、発達障害に起因する衝動性行動かもしれません。ただ、この生徒の場合は、親子関係に問題があるというケースでした。

無免許運転を叱る前に、「何か辛いことがあったの」と聞きました。生徒は少しポカンとしていましたが、続けて「自分を大切にしてほしい」と言いました。

もう一度、「無理に言わなくてもいいけど、辛いなら試しに話してみてよ」と言うと、無免許運転に至った経緯とともに、母親との関係について話し始めました。

この場合も家庭について突っ込めない部分があります。ですから、生徒自身の損を話したあと、生き方についての話を長々としたことを憶えています。生徒は、謹慎処分を受けることになりましたが、「頑張ってみたい」と前向きに捉えてくれました。

事例の考察

このケースでいえば、怒鳴るということは全くしていません。ただし、生徒の危険行動については、心から叱るべきタイミングです。現行の場合は、本気で怒鳴っていいかもしれません。

一方、生徒指導主任が叱ったあとでもあり、重ねて叱る必要はないと判断し、より深層にある問題にアプローチしたわけです。

生徒の親は、生徒を叱ることもせず、やや放任しているようでした。無免許運転についても、知っていたかもしれません。教員に叱られ、頭ごなしでなく、話を聴いてもらえる機会があったことで、生徒なりの道筋が見えたのかもしれません。

生徒指導では、こういったケースが多いように思います。自分の行動が良くないと、全く振り返ろうとしない生徒もいますが、それはそれで理由があります。教員との関係の中で、それが良い方向に導けるかは、限界もあります。

しかし、中には「本当はまともに生きていきたい」と内に秘めている生徒もいます。

最後に

カウンセリングマインドを意識して、こうした心の底にアプローチすることで、生徒の人生を変えることができるかもしれません。教員である皆さんが仕事として、どこまで情熱を持つかということもありますが、心の支援に力を入れたいという方は、ぜひカウンセリングマインドを意識してみてください。

無意識でも児童生徒の心の変化に気づくことができるようになることでしょう。