広告

【場面緘黙症】学校教員におすすめの授業中の支援方法

2021年5月7日

こんにちは。中津です。

前回の「学校教員におすすめの支援方法」という記事を書きまして、それがプチバズりしました。これ(↓)です。ありがたや……

場面緘黙症の支援を考えてくださる方がいたことが嬉しかったです。とはいえ、この記事は学校教育における広い範囲での支援方法をお伝えしたものでした。

今回は、少し幅を狭めて、より詳細な支援方法をお伝えできたらいいなと思います。ということで、今回は「授業中の支援方法について」というテーマでお話いたします。

場面緘黙症の授業中の支援方法

場面緘黙症は、特定の場面において不安や恐怖があるために話すことができなくなります。前回の記事でもご紹介したように「鍛えてやろう」とか「発表するまで立ってなさい」みたいな無理やり話させる行為はNGです。話すことだけじゃなく、学校に行くことや集団の場面すら負担になって、不登校や精神障害のリスクを高めます。

一方、場面緘黙症を改善する方法として、話すスキルを高めてあげたり、社会性のコツを教えてあげることは大切です。ただし、支援を始めても数ヶ月で話せるようになったケースは聞いたことがありません。多くは年単位でしか改善しません。もしくは進学や就職といった環境の変化で、「話せない子」という先入観を持たれていない環境に移行した際に、話せるようになったというケースが多いです。

このトレーニングみたいなことは、情緒的な支援環境を整えた上で、実施してあげてください。とはいえ、学級や授業で話すトレーニングをするのは無理だと思います。可能だとしたら一対一で、すでに話すことができる信頼できる相手じゃないと難しいでしょう。その一つの方法が前回の記事でお伝えした交換日記です。先生方の負担もあるので、できる範囲でやってみてください。

さて、前置きが長くなりましたが、本題に入ります。授業中はどう支援してあげるのがいいのかという話です。

①発表はない方がいい

極端な話、発表はない方がいいです。といっても、小学校では音読や発表が多くなりますよね。その場合は、あらかじめ「当てないから大丈夫だよ」と伝えてあげてください。勿論、鍛えてあげようと発表させるのはダメです。

これは、先生や子どもによっては「贔屓なんじゃないか」と思う方もいるかもしれませんが、これは教育上必要な「合理的配慮」です。「合理的配慮」は、主に特別支援教育の領域で用いられている言葉です。

例えば、バリアフリーという言葉は、皆さんご存知のことと思いますが、それと同じことです。車椅子で歩くことが困難な方に「鍛えるために歩きましょう」とは言いませんよね。それと同じと考えてください。

②班活動での支援方法

近年はアクティブラーニングが流行っていて、グループワーク型の授業形態が増えてきました。これは、場面緘黙症の子どもにしては地獄にいるかのような時間です。とはいえ、他の子どもにとってはメリットのあるアクティブラーニングです。どう選択するか悩むところですよね。

僕だったら、話せる子がいるなら、その子と組ませます。何なら席も近くにしてあげます。これは、子ども同士で助け合いをしてほしいからです。あらかじめ優しそうな子どもを見つけて、「先生に協力してくれない?」などお願いをします。

了承を得ずに実行してしまうと、嫌がる子もいます。そりゃ他の子とも話したいし、組みたいですよね。それは分かってあげてください。

もし、場面緘黙症の子が簡単な意思表示(頷きや首振り、筆談など)ができて、本人がグループワークでも頑張れると言ってくれた場合は、「近くを歩くから、無理だったら合図してね」など安心材料を与えながら、意思表示での授業参加を認めてあげてください。

③体育での支援

体育での困難は、チームスポーツやダンスなどです。自己表現が必要な場合は、不安が強くなります。

場面緘黙症の子は、約半数に緘動(かんどう)という身体がガチっと硬直してしまう症状がみられます。

記録を測定するスポーツテストなども、他の子に注目されてしまうので、困難が生じます。

一方で、場面緘黙症がある子でも、スポーツは得意で楽しんで行うことができる子もいます。おそらくスポーツをしている間は、不安や恐怖を忘れているのでしょう。この何かが好きというのは、本当に大切です。

場面緘黙症の方でも、カラオケが好きで、一人でカラオケに行ったり、友達と遊びに行って歌ったりできる方も多いみたいです。僕も最初に聞いたときは意外だと感じました。

さて、体育での支援も基本的には組み方です。「自由に組んで」というとなかなか決まらないのは、皆さん経験されているかと思います。場面緘黙症の子は、避けられてしまうことが多いようです。これは学級の雰囲気によりますが……。

そこで、僕だったら教員である自分が誘ったりします。僕は、子どもより子どもらしい大人ですので(意味不明)、「先生一人や!誰か一緒にやろうや!!」と誘うことができます。一緒に話をしながらやって、その子が笑ってくれたら、最高の一日になりますね。

冗談はさておき、一人で寂しい時間を作らないように工夫することは大切だと思います。記録を測定するときも、二人同時に行うとか、チームを組むときに友達を入れたり、教員が入ったり、一人にさせない工夫ができますよね。

その先は、少しずつ他の児童生徒を巻き込んで、自然に関わり合えるような空気感をつくっていきます。

④支援の先を考える

これまでの支援は、かなり手厚い支援をお話しましたが、ある程度、子どもに自信がついてきたときには、支援を少しずつ少なくしていってください。

この判断は、交換日記などの中で、「将来の練習のために一人でやってみない?」など、支援の先にある自立を意識させてあげて、本人の意思を確かめてみてください。

心の中で「話したい、頑張りたい」と思っている子は、前に進もうとします。また、支援してくれる先生がいることは、本当に心強いはずです。

進学などで先生の支援が急になくなってしまっては、子どもは途方に暮れてしまいます。ですから、卒業したあと、ちゃんと自分の力で生きていけるように、「支援を外していくこと」も考えてあげてください。

最後に

ちょっとボリュームが足りないと言いますか、音楽や美術などの困難もあるかなと思いますが、大体の支援は上述の支援を応用していただけたら大丈夫だと思います。

あと、このブログは教育や心理学について、少し広く扱っていますので、ご質問やご意見をいただけると、それに回答する形で記事にしますので、ぜひ交流してほしいです。問い合わせフォームからメールをいただけると幸いです。よろしくお願いいたします。

それでは、今回はここまでです。