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【学校心理学の視点から】現役教員におすすめしたい書籍10点

今回は、現役教員の方々に読んでほしい書籍10点をご紹介いたします。

紹介者の僕は、大学院で学校臨床心理学を学び、特別支援学校と工業高校で勤務した後、フリースクールを開業しました。これまで子どもの心理支援の書籍を、おそらく200点ほどは読んできています。その中でも、これは先生方に読んでほしいと思う書籍を紹介させていただきたく思います。

現役教員に読んでほしい書籍10点

①教員を目指す人のためのカウンセリングマインド

この本は、教員を目指す学生や若手教員、他の業種から教員になったばかりの方におすすめの本です。

子どもへの接し方のヒントになると思います。教員からすると、児童生徒は何百人もいる中の一人ですが、児童生徒からすると、教員は重要な存在です。些細な言葉で感銘から嫌悪感まで受けることがあります。

教科指導で関わるだけの子どもであったとしても、その表情や雰囲気などから、心の不調を捉えることができます。特に幼い時期は、子ども自身どうしていいかわからないという状況です。そこで大人が声をかけてあげることで、救われたり、支援に繋がることがあります。ぜひ、カウンセリングマインドを持つ教員であっていただきたく思います。

②(プロカウンセラーが教える)はじめての傾聴術

傾聴とは、相手の心の声に耳を傾けることです。話をただ聞くのではなく、積極的に聴く態度が重要です。また、傾聴はカール・ロジャースの来談者中心療法というカウンセリングの技法の核とされています。多くのカウンセラーがロジャースの影響を受け、傾聴の技術を高めようと、努力しています。

この本は、一般の方向けに非常に分かりやすく解説してあります。また、例え話が多いのでイメージしやすいです。

教員としても、子どもや保護者の話を聴く機会がありますよね。その際、この傾聴を意識して接することで、相手に安心を与えることができます。子どもが本当なら言わないような悩みを打ち明けてくれたり、怒りで我を忘れた保護者とも良い関係が築けたり、そのヒントになることが書かれています。

③プロカウンセラーの共感の技術

この本は、先程の傾聴術と合わせて読んでほしい本です。こちらも理解しやすく、読みやすい内容になっています。傾聴で大切なのは、相手の感情に共感することです。先程の傾聴術の本では、パターン別の傾聴の方法がよくわかります。そして、この本ではもう少し掘り下げた傾聴の本質の部分を学ぶことができます。少し重なる部分もありますが、この2冊を学べば、かなり傾聴のレベルが上がります。

④事例に学ぶスクールカウンセリング実際

河合隼雄先生は、日本の臨床心理学の礎を築いた先生です。ユング心理学を軸に沢山の実践をなさってこられました。

この本では、事例から学校臨床の連携についても学ぶことができます。少し難しい内容ではありますが、現場の教員が、カウンセラーの動きを知っていることで、子ども救われることが多々あります。分からないからといって、カウンセラーや養護教諭などに投げてしまう教員も多い中、しっかり連携して、一つのチームとして子どもを支えることで、最悪の事態を予防することができます。

直接的に、教員が関わることが少ない部分かもしれませんが、長い教員人生の中で、一人や二人、そういう子どもに出会った際に、何もできず後悔するということがないように、事前にぜひ勉強していただければと思います。また、心理支援に携わる者として、教員に学んでいただけると自分たちも心から助かります。

⑤登校拒否・不登校ー親たちの歩みー

この本は、不登校児の保護者の心情や動きがわかる一冊です。あくまで、代表的な例とはなりますが、不登校支援の参考になります。学校は保健室登校や再登校を目指すことが多いですが、不登校の原因によっては、それが不可能に近い場合もあります。実際、学校の支援を受けても再登校に至らない子どもは多いですし、不登校の数も増えています。

多くの保護者は、子どもの将来のために再登校を目指すことが良いことは理解しています。しかしながら、子どもの気持ちが向かないことや子育てへの不安があり、思うようにはいきません。こうした保護者の思いや複雑な状況を理解し、汲み取ってあげることも、ぜひ教員の方にはお願いしたいところです。

⑥子どもの脳を傷つける親たち

教員の方は、おそらく出会うことになるだろう虐待をする親や虐待まで事件化しないものの子どもを精神的に追い詰める毒親という存在について書かれた本です。

子どものうつ病、非行、自傷、不登校や問題行動の裏には、こうした親の存在がある場合はあります。彼らは非常に厄介で、支援を求めないために支援繋がりません。また、子どもが助けを求めて、事件化した場合、子どもは家族から離れて生活することを余儀なくされます。虐待については、国民すべてに通告義務があります。特に教員は虐待を認知しやすいので、その現状について知識を持っておくといいと思います。

⑦愛着臨床と子ども虐待

愛着障害というのは聞いたことがあるのではないでしょうか。虐待、親の離婚、育児放棄などによって、幼い時に親から愛情を受けられなかった子どもが、愛情を拒否したり、逆に過度に愛情を求めたりして、社会生活に支障が出たり、他の心の病気に至ったりする障害です。

虐待は稀と思われる方も、いらっしゃると思いますが、親が離婚はよくある話です。養育する親も働きに出て、帰りが遅かったりして、一人寂しく家で待っているという子もいます。この寂しさによって、愛着障害に至る子もいます。おそらく小学校の教員の方々は、経験があるのではないでしょうか。やたらと話しかけてきたり、褒めてもらおうと目立ってみたり、時には問題行動を起こしてしまう子もいます。

愛着障害が長引き、高校生頃になると、自己破壊的な行動とるようにもなります。例えば、売春です。悪い大人の愛情を得るために売春に至ります。また、相手の頼みを断れず、危ない薬に手を出すようなことにも繋がりかねません。教員が直接してあげられることは少ないですが、知識があることで支援に繋がればと思います。

⑧子どものうつ病ー理解と回復のためにー

この本は、保護者向けの内容にはなりますが、子どものうつ病と聞いて、イメージが湧かない人は読んでおいて損がない本です。僕も勉強する前は、うつ病というと大人が仕事でうつ病になったり、育児でうつ病になったり、と大人が発病するイメージでした。しかし、現代では若者の自殺が増えているように、子どもでもうつ病に至ることが増えています。

この現状を知っていただけると、学校現場でも、ご自身子育てでも、有用な知識になろうかと思います。ちょっと読むのが大変ですが、質は良いと思っています。

⑨スクールカーストの正体ーキレイゴト抜きのいじめ対応ー

イジメ対応の仕方については、賛否あるかもしれませんが、学級内のスクールカーストを常に意識していると、学級経営がしやすくなると思います。担任を持たれている教員は、知っておいていい知識だと思います。おすすめ度は低めです。たぶん万人受けはしません。僕自身も参考程度に捉えていました。

⑩心の科学

心の科学は、シリーズものです。これまで沢山、出版されています。実践研究の報告や有名な研究者の考えなどを発信している雑誌?のようなものです。僕もタイトルを見て、欲しいものだけを買っています。

よく心の科学を読んで、アイデアを探ってから、より深く書かれた書籍を探すというように勉強していました。

臨床心理学

Posted by Cozy