【公認心理師試験対策】高齢者に関する理論(サクセスフル・エイジングほか)
サクセスフル・エイジング
サクセスフル・エイジングとは、Rowe,J.W. & Kahn,R.L.によると、「医学的な疾患や障害などがないこと」「認知機能や身体機能を維持していること」「社会参加があること」の3つの要件があります。
この考え方を基準に、いくつかの理論が展開されています。
活動理論(Havigarst,R.J.)
活動理論は、ハヴィガースト(Havigarst,R.T.)が提唱しました。老年期になると、生き甲斐の低下、活動力低下が危惧されます。
活動理論は、中年期に行っていた活動を維持することや活動を広げることで、生涯の活動性を維持することが老年期を幸せに生きるために望ましいという理論です。
離脱理論(Cumming,E. & Henry,W.E.)
離脱理論は、カミング(Cumming,E.)とヘンリー(Henry,W.E.)が提唱しました。老年期では、社会との関わりが減少します。
離脱理論は、老年期において社会から離脱していく様は、自然なことであるという理論です。これまで社会に貢献してきたぶん、今度は役割を若い世代に託していくことが期待されます。社会という柵から解放されることを肯定的に考えています。
継続性理論
継続性理論とは、中年期までと同様に社会への貢献を継続することを勧める理論です。これまでどおり新しい役割を探し、自分が社会の役に立とうとすること自体が幸せを考える上で、有効であるという考え方です。
保障を伴う選択的最適化理論(Baltes,P.)
保障を伴う選択的最適化理論は、SOC(Selective Optimization Compensation)と表記されます。バルデス(Baltes,P.)が提唱しました。
老年期では、少しずつできないことが増えていきます。老年期でも、知識と経験において、社会に貢献することができます。
保障を伴う選択的最適化理論、その獲得できる部分を最大化し、喪失する部分を最小化することで、社会貢献性を長続きさせることが幸せに生きるために望ましいとする理論です。
その他の高齢者に関する理論
先程のサクセスフル・エイジングの理論と合わせて憶えておきたい理論です。
老年的超越理論(Tornstam,L.)
老年的超越理論は、ターンスタム(Tornstam,L.)が提唱しました。
高齢者は、物質主義的であるため、社会の合理性を超越して、非合理的な社会の中で生きようとするという理論です。
一部、高齢者は、社会をあたかも自分が作ったと言わんばかりの横柄な態度を取ったりします。ターンスタムも、このような高齢者に困惑していたのかもしれませんね。
社会情緒的選択理論(Carntensen,L.L.)
社会情緒的選択理論は、カーステンセン(Carntensen,L.L.)が提唱しました。
社会情緒的選択理論は、人生の時間が残り短くなるにつれ、これまで夢や目標を追ったり、地位や名誉を求めたりしていた生き方が変容し、情緒的満足を求めて、人生の終焉を考えるようになるという理論です。