【公認心理師試験対策】DV防止法、配偶者暴力相談支援センター
DV防止法とは、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律の別名です。
DV防止法は、2001年に制定された法律です。
配偶者の定義
戸籍における配偶者は、一般的に婚姻届を役所に提出して、それが認められることによって配偶者(夫婦)となりますよね。
この法律のおける『配偶』は、この婚姻による「夫婦」だけでなく、婚姻届を出していないけど、同棲をしている「事実婚」の場合も適応されます。
また、離婚においても、離婚届を提出していない「事実別居」の状態でも考慮されます。関係性によって、ケースバイケースであるため、裁判では関係性を深く調査されるようです。
元配偶者からの暴力についても、この法律が適応される場合もあります。例えば、暴力が原因で離婚して、その後も暴力が続く場合などです。
DV防止法のポイント
●DVの加害者と被害者
DVというと、「男性→女性」という方向性をイメージされる方が多いと思いますが、「女性→男性」も対象になります。
●配偶者ではないが関係の深い交際相手
同じ拠点(アパートなど)で住んでいる交際相手や同じ拠点で住んでいた交際相手なども、この法律の対象になります。(ただし、同居していない場合は、法律の適応外です。この「デートDV」においては、刑法やストーカー規制法の適応になる場合があります。)
●暴力の定義
暴力というのは、身体的暴力をイメージしがちですが、精神的・性的暴力も含まれます。例えば、侮辱するような怒号がある場合や性行為を強要されるなどの場合です。(ただし、保護命令の申し立ては身体的暴力や生命の危機がある脅迫がある場合に限定されます。)
●通告義務について
暴力を受けている者を発見した場合、発見した者には配偶者暴力相談支援センターや警察に報告する努力義務が課されます。(あくまで努力義務なので、通告しないことで罰せられるようなことはないとされています。)
配偶者暴力相談支援センター
各都道府県に設置されています。市区町村の設置は努力義務とされています。
センターの機能
●相談等(相談、高次の相談機関の紹介)
●指導等(医学的、心理学的指導など)
●緊急時の一時保護
●情報提供(生活自立のための情報提供)
●保護命令制度の説明
●支援施設の紹介(婦人相談所など)
保護命令
保護命令とは、保護命令制度とは,配偶者や生活の本拠を共にする交際相手からの身体に対する暴力を防ぐため,被害者の申立てにより,裁判所が,加害者に対し,被害者へのつきまとい等をしてはならないこと等を命ずる命令です。保護命令手続においては,保護命令の申立てをする被害者を「申立人」,申立ての相手となる配偶者や生活の本拠を共にする交際相手を「相手方」といいます。
高等裁判所HPより引用
保護命令の申し立てが承認されると、地方裁判所は加害者に対して接近禁止命令(6ヶ月間)や退去命令(2ヶ月間)を出すことができます。(ただし、申し立てができるのは、身体的暴力や生命の危機がある脅迫などがある場合に限られます。)