【公認心理師試験対策】少年非行(非行少年と少年法)

2022年9月1日

非行少年

非行少年とは、触法少年、犯罪少年、虞犯少年の総称です。少年とは、少年法という法律で定められていて、20歳未満の者を指します。少年と少女という言い方をすることがありますが、この法律では少年を男女で分けていません。

触法少年:14歳未満で法に触れる行為をした少年

犯罪少年:14歳以上20歳未満の犯罪を犯した少年

虞犯少年:犯罪を犯すおそれがある少年

虞犯少年は、保護者の監督を無視し、攻撃性や反社会性があり、刑罰法令に触れる行為をする可能性が高いと認められる20歳未満の者を指します。

少年法のポイント

◆少年法は、1948年に制定され、2000年と2007年に改正されています。

2000年の改正では、刑事処分の適用年齢が「16歳以上」→「14歳以上」になりました。2007年の改正では、少年院に収容される年齢が「14歳」→「おおむね12歳」になりました。

全件送致主義を憶えてください。

少年法は、少年の保護と矯正教育が目的です。捕まえて、刑罰を与えることではありません。このため、少年法は、嫌疑にかけられた少年を全て家庭裁判所に送致します。(14歳以上18歳未満の虞犯少年は、家庭裁判所か児童相談所に送致されます。)

少年鑑別

少年が事件に関わった場合、保護者や教師など周りの人から事情聴取が行われます。その際、心理的な鑑別が必要と判断された場合、少年は少年鑑別所に収容されます。これを監護措置といいます。

監護措置は2週間を超えないように行われます。少年鑑別では、心理学、社会学、教育学などの観点から少年院に送致するのが妥当かどうかが検討されます。

少年審判

少年審判では、「親切を旨とし、和やかに行うとともに、非行のある少年に対し、内省を促すものとしなければならない。」と規定されています。

つまり、刑罰を与えて反省を促すという考えではなく、教育的な視点で、自らを振り返ることを期待しているわけです。

家庭裁判所で非公開にて行われます。例外として、被害者が傍聴の申し立てをした場合は、被害者のみ傍聴できることがあります。

審判によって、不処分、保護処分、児童相談所長等送致、少年院送致、検察官送致が決定します。

保護処分

審判により、不処分、保護観察、児童自立支援施設や児童養護施設への送致が決定されます。保護処分とは、保護観察、児童自立支援施設や児童養護施設への送致のことをいいます。

児童相談所長等送致

少年の非行性は高くないが、家庭での保護ができない状況である場合、児童相談所長か都道府県知事送致されます。児童福祉的な措置が行われます。

具体的には、里親制度の利用、児童自立支援施設への入所、児童養護施設への入所などの措置がとられます。

少年院送致

少年院に送致され、矯正教育が行われます。

検察官送致

逆送ともいいます。事件が重大であり、死刑、懲役、禁錮などの刑事処分が妥当と判断される場合で、犯行時に16歳以上の場合に、検察官送致と審判されます。(家庭裁判所→検察官送致→起訴→地方裁判所)

審判の不開始

審判が行えない場合もあります。それは、少年の非行が事実として認められる証拠がない場合や少年の所在不明、病気、死亡の場合です。

保護的措置の教育的指導によって再非行のおそれがなくなった場合、別件の保護中である場合、調査の結果、事案が軽微で家庭や学校での教育によって再非行おそれがなくなった場合です。

なお、触法少年は警察官による事件の捜査に関して、いつでも弁護士を選任することができ、法的弱者とならぬよう配慮されています。

少年院の種類

少年院は4つに分けられています。

◆第一種少年院(旧:初等少年院)

12〜23歳の心身に著しい障害のない少年が収容されます。

◆第ニ種少年院(旧:特別少年院)

概ね16〜23歳の心身に著しい障害がなく、犯罪傾向の進んだ少年が収容されます。

◆第三種少年院(旧:医療少年院)

保護処分中の者で、概ね12〜26歳の心身著しい障害がある少年が収容されます。

◆第四種少年院

刑の執行を受ける少年が収容されます。