ADHD(注意欠如/多動性障害)【公認心理師試験対策】

2021年2月26日

ADHDとは

ADHD(Attention Deficit Hyperactivity Disorder)は、注意欠如/多動症障害という発達障害です。アメリカ精神医学会が規定する診断基準であるDSM−Ⅳでは、「注意欠陥/多動性障害」と呼称されていましたが、DSM−Ⅴになり「欠陥」という呼び方は相応しくないということから「注意欠如/多動性障害」となりました。

ADHDの症状

ADHDは「活動に集中できない」といった不注意、「じっとしていられない」といった多動症、「深く考えずに行動する」といった衝動性が特徴です。

学齢期でいえば、先生が説明していても友達に話しかけたり、個別で課題をする時間でも歩き回ったりします。大人になっても、部屋を片づけられなかったり、頻繁な忘れ物、火や電気を消し忘れたりするなど、仕事や家庭での不注意による弊害があり、生きづらさを感じることもあります。

ADHDの診断

ADHDの診断は、アメリカ精神医学会が規定するDSM-V(精神疾患の診断・統計マニュアル)に記載されています。下記の条件が全て満たされたときにADHDと診断されます。

  • ①「不注意(活動に集中できない、気が散りやすい、物をなくしやすい、順序だてて活動に取り組めないなど)」と「多動−衝動性(じっとしていられない、静かに遊べない、待つことが苦手で他人のじゃまをしてしまうなど)」が同程度の年齢の発達水準に比べてより頻繁に強く認められること
  • ②症状のいくつかが12歳以前より認められること
  • ③2つ以上の状況において(家庭、学校、職場、その他の活動中など)障害となっていること
  • ④発達に応じた対人関係や学業的・職業的な機能が障害されていること
  • ⑤その症状が、統合失調症、または他の精神病性障害の経過中に起こるものではなく、他の精神疾患ではうまく説明されないこと

■公認心理師試験でいえば、不適切な養育や虐待などによる愛着障害傾向にある子は、周囲の注目を仰ぐためにADHDの症状に似た行動をとることがあるので注意です。

また、診断には「Conners3」「CAARS」といった心理検査、脳波を調べるものなどが用いられることがあります。こうした検査や保護者・教師などの周りの人から聞く生育歴なども参考して診断されます。

ADHDの治療

ADHDの治療には、医師によりメチルフェニデート徐放剤やアトモキセチンなどの薬が処方されます。これによりADHDの症状を緩和することができます。しかしながら、ADHDは発達上の障害であることから完治はできません。

公認心理師に求められる心理支援としては、日頃の心理的ストレスをカウンセリングにより軽減させたり、心理教育や対人関係療法のよる支援、スクールカウンセラーや産業カウンセラーであれば、環境調整を支援するなど、多岐にわたります。

ADHDによる生きづらさが、うつ病や統合失調症といった精神疾患の原因になることもあります。この点についても考慮しながら支援にあたることが期待されます。

大人のADHD

ADHDは、軽度の場合、幼児期や児童期においては「やんちゃな子」と解釈されることもあり、発見されづらいとされます。高校生や成人になって、周囲とのギャップに気づき、診断を受けるケースもあります。

診断には「症状が12歳までに認められること」とありますが、ADHDを疑わずに生きてきて、思い返してみれば、症状に当てはまることが多数あるということで診断を受けることがあるようです。

また大人のADHDに対する社会的認識が増してきたのは、最近の話です。その意味でも、生きづらさを感じている人が多くいて、注目されています。