スーパーのキャリア発達理論(ライフ・キャリア・レインボー)【公認心理師試験対策】

2021年3月20日

スーパーのキャリア発達理論

スーパー(Super,D.E.)は、自己概念を考える上で「職業的自己概念」に着目しました。職業選択をするということは、自己実現に近づくということです。

これらを考える上で職業的自己概念として、どんな職が自分に向いているか、何がやりたいことなのか、価値があるのか、など明確になっているほうが職業選択に迷いにくく、その後のモチベーションにも繋がります。

スーパーは、自己概念を定義していて、「仕事・職業・役割などの集団における人間関係の中で映し出される自己イメージ」としています。人は社会的環境や経験などから影響を受け、また相互作用的に自身の自己概念を作り上げていきます。

キャリア発達の過程は、主に以下があります。

  1. 自己概念の形成
  2. 発展・受容
  3. 実現可能性との調整
  4. 自己概念の実現

ライフ・キャリア・レインボー

ライフ・キャリア・レインボーは、キャリア発達のライフステージを5段階に分けたものです。この5段階は、人生における年齢や状況など様々な要因によって役割が変容します。

スーパーは、こうした人生における役割の組み合わせを『レインボー:虹』のような図に表しています。「アーチモデル」とも言われることがありますが、これはライフ・キャリア・レインボーの改定版のことを指します。アーチモデルでは、【左側】個人的要因(心理学的特性)と【右側】社会環境的要因(社会・経済状況)が分類されています。

■時間(年齢)を「ライフ・スパン」、役割(子供、学生、市民、労働者など9つ)を「ライフ・ロール」、環境(家庭、職場など)を「ライフ・スペース」として表しています。

【第1期】成長期:0〜15歳

成長期は、自己概念の形成が主となり、自分の興味や関心によって、やりたいことを見つける時期です。仕事の良い面をみて、憧れを抱きます。

【第2期】探索期:16〜25歳

興味や関心のある仕事を抽象的に捉えていた状態から、自身で情報を集め、より自分に適した仕事を探索します。また、その仕事に必要なスキルを磨き始めます。

【第3期】確立期:26〜45歳

特定の仕事に就き、経験とスキルアップを図りながら、仕事の責任や役割、生産性などを意識し、専門性を高めていく時期です。初心者〜中堅、ベテラン。

【第4期】維持期:45〜65歳

地位や責任ある立場を維持し、更に専門性を高めながら、退職後の計画を考える時期です。部下や若手の育成、仕事の重要部分にも携わります。ベテラン〜退職。

【第5期】下降期・開放期:66歳〜

仕事を退職して、その後の楽しみや趣味などを生き方として、再認識される時期です。非正規雇用で働いたりするなど、仕事を続ける人もいます。