反抗挑戦性障害【公認心理師試験対策】
反抗挑戦性障害
反抗挑戦性障害(ODD:Oppositional defiant disorder)とは、些細なことでも直ぐに怒りを表出しやすく、口論や挑発的な言動、執念深さを示す状態が、特性として6ヶ月以上持続している障害です。ただし、身体的な攻撃や他者の権利を侵害するような特性は含みません。
反抗挑戦性障害は、主に児童期や青年期に見られます。確かな原因は解明されていませんが、両親が怒鳴るような喧嘩をする場面を見たことが影響しているとするケースもあります。また、虐待、不適切な養育、機能不全家族が影響するとも示唆されています。
反抗挑戦性障害の診断
アメリカ精神医学会が規定する診断基準『DSM−Ⅴ』では、以下の①〜⑧のうち少なくとも4つ以上が認められる場合に、診断されます。
怒りっぽく/易怒的な気分
- ①しばしば癇癪を起こす。
- ②しばしば神経過敏またはイライラさせられやすい。
- ③しばしば怒り、腹を立てる。
口論好き/挑発的行動
- ④しばしば権威ある人物や、または子どもや青年の場合では、大人と口論する。
- ⑤しばしば権威ある人の要求、または規則に従うことに積極的に反抗または拒否する。
- ⑥しばしば故意に人を苛立たせる。
- ⑦しばしば自分の失敗、または不作法を他人のせいにする。
執念深さ
- ⑧過去6ヵ月間に少なくとも2回、意地悪で執念深かったことがある。
B.その行動上の障害は、その人の身近な環境で本人他者の苦痛と関連しているか、または社会的、学業的、または他の重要な領域における機能に否定的な影響を受けている。
C.その行動上の障害は、精神病性障害、物質使用障害、抑うつ障害、または双極性障害の経過中にのみ起こるものではない。同様に重篤気分調節症の基準は満たさない。
引用:DSM−5 精神疾患の分類と診断の手引
反抗挑戦性障害の治療
心理療法による治療が主となります。認知行動療法や家族療法、SSTなどが挙げられ、当人の挑戦的行動などの代わりになる行動を定着させたり、家族との関係性の再構築、アンガーマネジメント、人との関わり方などを学ぶことも重要であるとされています。