Neisser,U.の5つの自己知識【公認心理師試験対策】第3回:問114
5つの自己知識
Neisser,U. (1988)は、自己を捉える上で5つの視点を考慮しています。①生態学的自己、②対人的自己、③概念的自己、④時間拡張自己、⑤私的自己、の5つです。
生態学的自己と対人的自己は「主体としての自己」、概念的自己と時間拡張自己、私的自己は「客体としての自己」として区分されています。
主体としての自己は、環境との相互作用の中で形作られていきます。一方、客体としての自己は、主体としての自己を基礎としながらも、より複雑な社会的環境との関係において発達していきます。そして、自己はそれぞれ言語化を介して理解されます。
①生態学的自己
生態学的自己は、自分を性別や人種、身体的特徴といった括りで捉える自己のことです。「私は日本人です。女性です。身長は○○センチです。」などと説明することができます。
②対人的自己
対人的自己は、自分を対面する他者から捉える自己のことです。「私は(あなたから見れば、)○○です。」などと説明することができます。
③概念的自己
概念的自己は、自分自身や自身の状況などを外部から対象化して捉える自己のことです。「私は(社会的に見ると)○○という人間です。」と説明することができます。
④時間拡張自己
時間拡張自己は、自分の過去・現在・未来において捉えられる自己のことです。「私は(過去に)○○でした。」や「私は(将来、)○○だろう。」などと説明することができます。
⑤私的自己
私的自己は、他者と共有できない自分を意識的に捉える自己のことです。「私には(誰も知らない)○○という部分があります。」と説明することができます。