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関与しながらの観察【公認心理師試験対策】

2021年3月20日

「関与しながらの観察」とは、カウンセリングや研究において、全ての関わりの中で、カウンセラーや研究者はクライエントや実験対象者に少なくとも影響を与えているということを示した言葉です。

関与しながらの観察

「関与しながらの観察」は、精神科医のサリヴァン(Sullivan,H.S.)による言葉です。またサリヴァンは、自分のことを「道具」として用いることが大切であるとしています。

カウンセラーがクライエントに対して、アセスメントやカウンセリングを行う際に、カウンセラーの背景知識に基づいたアセスメントをしたり、自分の得意な療法でカウンセリングをすることは、クライエントに少なからず影響を与えています。

研究においても同様です。研究者が質的研究で面接をしたり、量的研究で質問紙による調査をしたり、実験研究の説明や実施をしたりする過程で、少なからず影響を与えています。

サリヴァンは、この影響を否定的なものとは考えていません。誰がどのようにカウンセリングや研究を行ったとしても、少なからず影響を与えることになるため、「関与しながらの観察」の考え方では、自分でその影響を理解・予測することが重要だとしています。

自分の言葉一つにしても、相手に影響を与えるということを理解して、相手をよく観察していくことが大切なんですね。

ハロー効果と対比効果

「関与しながらの観察」を考える上で、ハロー効果や対比効果が影響を与えやすいことを知っておいてください。これらは、知っていなければ、ほぼ無意識に現れる効果です。

ハロー効果とは、光背効果ともいいます。相手の優れた1側面を知ることで、他の側面も優れていると感じてしまうことです。

対比効果とは、ある人に対する評価を他の人と同時に知ることで、引き立てて評価してしまうことです。

■ハロー効果や対比効果のように観察者が評価に影響を与えることを「観察者バイアス」といいます。観察者バイアスには、他にも「こうなればいいな」という期待や「こうならないでほしい」という不安などが影響します。

観察者バイアスは、客観的に現象を理解して、統制をすることで、ある程度は防ぐことができます。

例えば、実験研究をする上では、その領域に詳しい専門家に第三者として研究計画を見てもらい、観察者バイアスがないか助言をもらいながら、影響が加わってしまわないように、実験の内容を固定化・単純化を図るなどをします。

逆転移を理解しよう

カウンセリングで言えば、精神分析でいう「逆転移」を常に考慮する必要があります。

転移は、クライエントが自分の考えや感じていることを、あたかもカウンセラーが持っているもののように理解し、押しつけるようなことです。

逆転移は、カウンセラーがクライエントに対して、転移をすることです。

例えば、うつ病になった経験があるカウンセラーは、似た症状のクライエントに対して、「うつ病」と決めつけ、自分が改善した方法を強く紹介するかもしれません。

しかしながら、「うつ病」と言っても他の精神疾患との鑑別が必要だったり、クライエントの特性や状況、状態に伴い、個別に適した支援を考えるほうが良いでしょう。

こうした場合、「逆転移」を知っていれば、『今、自分は転移状態にある』と自己を振り返ることができ、『スーパーヴァイズを受けよう』と思えるわけです。