中学生の不登校を解決したい保護者の方へ【4つのステップで考えましょう】

2021年2月9日

今回は、中学生の不登校でお困りの保護者の方へ向けて、不登校の解決を目的に、ステップに分けて解決策をご紹介します。

不登校の原因や不登校の型(ひきこもりや非行など)によって、対応が上手くいかない場合もありますので、その際はぜひ質問をいただきたいと思います。

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にDMを送っていただくか、ホームページから問い合わせ、メールをいただけると応答できますので、よろしくお願い致します。

中学生の不登校支援をステップに分けて紹介!

ステップ① 不登校になる前の予防的な初期対応

まずは、不登校になる前にできることを考えてください。不登校とは、特別な事情を除いて、年間で30日の欠席がある場合に不登校として、教育委員会に報告され、文部科学省の統計にカウントされています。

教員の支援に対する態度を知る

欠席が30日というのは、教員をしていれば、「あの子、休みが多いな……」と心配になります。もう明らかに不登校の傾向があると感じ、注意して見るようになります。担任業務に慣れている教員は、休みが3日連続したり、連絡がない休みがあったりすると、とりあえず連絡をとり、子どもやご家庭の様子を確認します。

この理由は、事情がなく休みが連続したり、授業や活動に遅れる子どもは不登校になりやすく、支援が遅れると長期化してしまうことを感覚的に知っているからです。おそらく学校の研修や先輩教員の経験談で、不登校の支援について経験がなくても、初期対応に注力する大切さは知っているはずです。

また、あまり不登校の支援について経験のない教員でも、子どもの連続する休みに対して、焦っていたり、何とか行動しようとしている教員は、何とかしたいという想いのある方です。ぜひ保護者の方からも、情報を提供し、連携をとって支援に当たってください。

保護者にとってほしい初期対応

僕の考えでは、保護者の方にも初期対応は大切にしてほしいところです。少なくとも、学校の支援方針を知り、それに協力することが望まれます。また、子どもが学校への行きしぶりを始めたら、その原因を聞いてあげてください。

そこで、原因がわかる場合があります。「○○くんと喧嘩した」「先生から体罰を受けた」「勉強についていけない」など、何らかのヒントが得られます。もし、子どもが親に原因を話さない場合も「原因を話してくれない」という事実がわかります。この時点で、親に話しづらい理由があることがわかります。

この情報を早いうちに知って、担任の先生に伝えてください。そうすることで、学校は事実確認情報収集に動くことができます。また、次の質問をして、子どもの状況をよく確認してください。

確認してほしいのは、

  • 「学校に行きたい気持ちはあるか」
  • 「担任の家庭訪問に応じることができるか」
  • 「学校にこうしてほしいという要望があるか」

この3つです。

「学校に行きたい気持ちがある」ということは、行きたいけど行けない理由があるということがわかります。

「担任の家庭訪問に応じることができる」ということは、再登校や状況の改善に前向きな姿勢があり、家庭訪問をした際に会って、直接話すことができることがわかります。

「学校に要望がある」ということは、条件が合えば再登校できる意志があることがわかります。また、その条件も知ることができます。

以上の3つの質問を大切にしてください。また、回答だけに注目するのではなく、回答するときの態度にも注目してください。言葉では、「いや」と言っていても、本心はそうではない可能性もあります。

ステップ② 不登校になると感じたら、保健室登校を検討する

SNSで不登校ぎみの子どものアカウントを見ていると、保健室登校によって、学校との繋がりを維持できている子どもが結構数いることがわかります。保護者の方にとっても、子どもにとっても、学校との繋がりがあることは、精神的な支えになります。

保健室登校

保健室登校とは、正式に認められた方法ではないですが、学校によっては認めてくれる場合があり、教室で授業を受けるかわりに、保健室で課題をこなしたりして、過ごします。

最も大きなポイントですが、この保健室登校ができるということは、「学校には来れるが、教室に入れない」ことがわかることです。これで原因が絞られてきます。考えられるのは、軽度のいじめ、からかい、特定のクラスメイトとの不仲、集団でいることが苦手、担任が苦手、精神的な疲弊などです。

上手に保健室の先生(養護教諭、養護助手)との連携をとってください。特に女子生徒が女性の保健室の先生に、他には打ち明けられない悩みを話していることは多いです。

注意点

ここで、気をつけてほしいのは、子どもの悩みは他の人に知られたくないものかもしれません。ここで、無理に保健室の先生に聞いたりすると、子どもとの信頼関係にヒビが入ることがあります。子どもは、保健室の先生を信頼して、話しているので、その信頼関係を壊さないように、配慮する必要があります。

保護者の方からしても、信頼できる先生であったら、しばらく任せてみてもいいかもしれません。保護者の方は、見守る姿勢に入り、その間は、不登校支援の情報収集に時間を使ってください。

ステップ③ 外部支援の情報を集めましょう

保健室登校ができている場合でも、再登校の可能性もあるのですが、同時に保健室登校もできなくなる可能性もあります。その時に備えて、外部支援情報収集を行います。

具体的に言えば、適応指導教室とフリースクールです。また、子どもが中学3年生の場合は、進路についても通信制高校や定時制高校も視野に入れて、早めに考え出しましょう。

適応指導教室

適応指導教室は、不登校の小中学生が通うことができる公的な教育機関です。各市区町村単位で設置されていて、教育支援センターという施設の中に設置されていることが多いです。適応指導教室の詳細については、前に書いた記事があります。リンクを貼るので、それをご覧ください。

【内部リンク】適応指導教室とは

フリースクール

フリースクールは、適応指導教室と活動内容は似ているものの、公的な機関ではありません。NPO法人や個人経営運営されている場合が多く、費用もかかるので、適応指導教室と一緒に情報収集をして、検討の選択肢に入れてみてください。フリースクールについても、詳細を書いた記事のリンクを貼りますので、ご覧ください。

【内部リンク】フリースクールとは

ステップ④ 外部支援も難しい!

僕が考える不登校支援のおすすめの順序として、中学生の場合は、「保健室登校→適応指導教室→フリースクール」していますが、考え方や状況によっては、初めから外部支援に頼らないこともできます。

しかし、これは、おすすめしません。子どもの学習機会や社会的な刺激をしっかり確保してあげたいという想いがあるからです。勿論、経済状況や不登校の原因にもよりますので、絶対反対というわけではありません。

ということで、次の対応です。

自宅で学習して進学を目指す

中学生の場合、高校受験では推薦入試がありますが、不登校で実技系の出席ができないため、どうしても成績が落ちます。高校のレベルを考えて、準備しなくてはなりません。3年生の受験間近まで通えていた場合は、推薦でも可能性があります。担任の先生とよく話して、進学可能な学校を考えましょう。

公立の一般入試でも、成績は重要ですが、試験で高得点を取れば、合格できる可能性もあります。自宅で、受験を意識して、勉強を継続するのは大変ですので、できれば塾に通うなど、勉強のモチベーションを維持する工夫が必要です。また、塾だけでは進度が合わないことがあるので、家庭教師もありです。

中卒で就職する、自己開拓する

中卒での就職は、今のご時世えは、厳しいものになっています。しかしながら、知り合いの会社で働かせてもらったりすることもできます。一部、ブログやYouTubeで広告宣伝で稼いだり、個人で起業したりするればいいと考える方もいますが、かなりのリスクがあるので、おすすめはしません。

例えば、知り合いの会社が倒産すれば、求職活動は大変な苦労になることが予想できます。資格を取ったりして努力しても、求人情報に「高卒以上」書いている企業も多いので、挑戦す権利ないこともあります。となれば、少なくとも高校は卒業したいものです……

高卒認定を取得して進学へ

高卒認定は、「高校卒業程度認定試験」のことです。今回は、中学生の保護者向けに記事を書いていますが、高卒認定についても、視野に入れておいていいと思います。もし、高校でも不登校が続いたりした場合、卒業が難しくなる場合があります。高校卒業できなければ、最終学歴は中卒になるわけです。

しかし、高校に通うことができなくなっても、高卒認定試験を受けて、合格すれば、専門学校、短期大学、4年生大学の受験資格を得ることができます。

■注意点

高卒認定試験に合格しても、最終学歴は「高卒」にはなりません。この段階では、まだ「中卒」なのです。しかし、進学して、進学先で卒業できれば、それが最終学歴になります。つまり、不登校でも高卒認定を取り、大学に進学して、大学卒業すれば、最終学歴は「大卒」になるんです。中卒と大卒では、やはり給与が違います。中卒で一旦、就職しても、働きながら高卒認定試験を受けることもできます。ぜひ、検討してみてください。

最後に

今回は、ステップに分けて詳しく説明したつもりでしたが、いかがだったでしょうか。不登校の原因や状況によって、対応は異なってきますが、何らかのヒントになれば幸いです。

個人的に、ご相談いただければ、僕もお力になれる範囲で、ご支援いたしますので、気軽にお声掛けください。最後まで、お読みいただき、ありがとうございました。他の記事もぜひ、読んでみてくださいね。

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