【保護者向け】不安症による不登校があるのを知っていますか?

2020年12月30日

子どもが不登校になった。でも、これといって原因があるわけでもない。どうして? とお困りの保護者の方に読んでほしい記事です。ぜひ、ご一読ください。

不安症が原因の不登校がある

文部科学省の調査では、不登校の原因として「無気力」「友人関係」「親子関係」「学業不振」などが挙げられていますが、不登校の原因として、実数は少なく、一般的な調査では、原因としても挙げられていないもの「不安症」があります。

不安症とは

ここでいう不安症とは、心理学では社交不安障害、全般性不安障害などと言われるものです。また、障害の診断がない不安障害傾向も含んで、お話をしていきます。

不安障害とは、不安や恐怖により、行動が制限されることで、社会生活に支障が出ている状態を指します。

  • 人前で話そうとすると酷く落ち着かない。
  • 注目されると過度の緊張により腹痛が起こる。
  • 生活する上で頻繁に不安を感じてしまう。

といったことが当てはまることと思います。

不安が酷くストレスになっていたり、不安によって行動ができなくなってしまったりして、不安障害の方は、ただ生活するだけでも生きづらさを感じてしまいます。

不安症と小学生の不登校

学校では、発表の場があったり、仲良くない人と話したり、行事があったり、不安になる要素に溢れています。

特に、小学校の低学年や中学校の入学したばかりに不登校になってしまうケースが多いようです。

幼稚園から小学校に上がり、それなりに見慣れた友達が多い中ですが、新しい活動や勉強の重要さが気になり始めます。遠足や文化祭などの行事も増えます。

今まで優しい幼稚園の先生や親の迎えなど心の拠り所があったので、頑張れていましたが、小学校では逃げ場がありません。ストレスが限界まで溜まると、登校しぶりを見せ始めます。

初めは、行事やプールなど普段と異なる日程のときに登校しぶりがあるのですが、次第に毎日、登校しぶりをするようになり、気づけば不登校になっているという流れです。

不安症と中学生の不登校

中学一年生、特に入学して間もない時期は、中一ギャップと呼ばれるほど、小学校との生活とのギャップが大きくなります。

今まで、幼稚園や住む地区が同じだった小学校の友達も、校区が広がることで、クラスの半数以上は知らない友達になることが多いです。

また、勉強の難易度も上がり、塾や部活動の重要さも増していきます。不安症の子どもにとって、環境が一変することは、とてもストレスがかかります。

とはいえ、休みが続くと、中学校の流れに置いていかれる印象もあって、ストレスと焦りの間で、余計に苦しむことになります。

小中学生の不安症を治すには

性格的に緊張に強い子がいる一方で、緊張に弱い子もいます。これは、心の発達を考える上で、ごく自然なことで、誰しも不安を抱えながら、その不安を何とかする方法を試行錯誤で学びながら生きていきます。

とはいえ、不安症の子たちは、周囲に助けを求めることも苦手だったり、自分の中で抱え込んでしまって、「自分っておかしいのかな」「自分って弱い人間なのかな」と悩んでしまいます。

不安症を治すというには、言葉に語弊があるかもしれません。改善するとか緩和するとかの方が正しく聞こえます。今回は、前向きな意味も込めて「克服する」と言いましょう。

不安症を克服するためには

不安症を克服するためには、まず多少なりとも不安症に対する知識が必要です。

不安症と脳の関係

不安という感情は、脳の扁桃体という部分が反応して、人体に危険や緊張の信号を送ります。生まれつき不安症であるという方は、この扁桃体が敏感で、過敏に働いているのかもしれません。

このことから、不安症を克服するためには、この扁桃体の働きを抑える薬も有効であると言われています。しかしながら、子どもにとって、投薬療法は抵抗があることと思います。また、薬への精神依存などのデメリットもよく考えた上で、検討されると良いかと思います。

不安症と心理療法

心理療法というのは、簡単に言えば、カウンセリングのことです。不安症に有効な心理療法は、認知行動療法の中の、暴露療法やビリーフセラピーなどが挙げられます。

認知行動療法は、人の感情が生起する際に、認知、思考、行動、身体症状などが相互作用的に関わり合っているという考えのもと、認知と行動に変化を促し、その症状を改善していく心理療法です。

暴露療法は認知行動療法の中の一つで、あえて不安を感じる場面を晒して、克服していくというトレーニング的な心理療法です。こう聞くと、凄く苦しい思いをするのでは、と心配される方もいらっしゃいますが、基本的には不安の小さいものからスモールステップで行っていくので、安心です。改善が実感できるので、前に確実に進める療法でもあります。

子どもの不安症の支援機関

おすすめなのは、小児心療内科、小児発達支援センターなどです。クリニックのようなところでもいいですし、大きめの市区町村役所では、子どもの発達支援課があったりもします。そこで直接的に支援してもらえなくても、お住まいの地域での支援機関を紹介してもらえると思います。

教育支援センター(適応指導教室)

市区町村に設置されている公的な教育支援機関です。主に所属の学校の紹介で、不登校の小中学生が通うことができます。学校のように忙しい日程ではなく、比較的ゆっくり過ごすことができます。

お楽しみの行事もありますが、自由参加だったりしますし、教室の人数も多くなりすぎないように設定されています。不安症の子どもには、居心地の良い場所になると思います。

入校するには、所属の学校の紹介、保護者同伴の見学が必須となっているかと思います。初めは、少し行きづらいかもしれませんが、心の支援を得意とする教員や臨床心理士、学校心理士などが配置されているので、確かな支援が受けられると思います。

フリースクール

教育支援センターとよく似た活動内容になっています。とはいえ、公的な機関ではないので、安くない費用がかかります。ただ、不登校に理解がある方が運営していることが多いので、安心して通うことができると思います。

支援は掛け合わせが大切です

不登校の支援、特に不安症などの心の障害が関わる場合は、支援機関に複数かかることが大切です。例えば、教育支援センターに通いながら、定期的にクリニックにもかかるというような方法です。

支援機関は、他の支援機関と連携して支援に当たるという考え方があります。特に心理士は、主治医の指示のもと、心理療法を進めることが理念にあります。投薬療法と兼ね合いや支援方針と兼ね合いがあるためです。

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Posted by Cozy