神経性無食欲症(拒食症)のカウンセリング
神経性無食欲症
神経性無食欲症は「神経性痩せ症」や「拒食症」、英語圏では「Anorexia nervosa ; AN」と呼称されています。発症は10〜25歳(特に思春期)、女性に多いとされています。
原因と症状
神経性無食欲症では、自他に対するボディイメージに歪みがあり、身体の健康よりも痩せることを優先するなど病識が乏しいことが多いです。また容姿に限らず自己評価が低いことが神経性無食欲症を誘発する要因になることがあります。
体型が既に痩せ型や標準型であっても痩せたい願望を持ち、過度の食事制限(糖質や脂質の制限を含む)や過度の運動といった痩せるための努力をしようとします。
- ①歪んだボディイメージを持っていること
- ②病識が乏しいこと
- ③自己評価が低いこと(容姿だけに限らない)
- ④食べないことや体重を減らす努力に対する執着がある
- ⑤必要量に達しないカロリー制限がある
- ⑥年齢、性別、成長、健康に適さない有意に低い体重
- ⑦有意に低い体重であっても体重増加に対する恐怖がある
摂食制限型と過食・排出型
神経性無食欲症には、摂食制限型と過食・排出型の2つの型があります。
摂食制限型
摂食制限型は、過去3ヵ月間、過食または排出行動(自己誘発性嘔吐、緩下剤や利尿薬または浣腸の乱用)の反復的エピソードがない場合を指します。
過食・排出型
過食・排出型は、過去3ヵ月間、過食または排出行動(自己誘発性嘔吐、緩下剤や利尿薬または浣腸の乱用)の反復的エピソードがある場合を指します。
カウンセリング
おおよそ認知行動療法を主としたカウンセリングを行います。また、臨床心理学の研究で有効性が示されている家族に対するアプローチについても平行していきます。
これは、家族に原因があるというわけではなく、家族の関わり方や支援の仕方によって改善が見込めるためです。例えば、栄養管理や自己評価を高めることなど、周囲の協力が必要になります。
また、重症度によっては、カウンセリングだけでなく、医療による治療が必要な場合もあります。例えば、自己誘発性嘔吐によって歯のエナメル質が溶けたり胃炎や食道炎がある場合、生命維持が難しいほど体重低下がある場合、もしくは生命維持が難しい状態になり得る体重低下がある場合などです。
このような状態に陥ると、最悪は死に至ることがありますので、病院で入院されることになろうかと思います。
■僕の場合は、神経性無食欲症の本人だけでなく家族や恋人に対するカウンセリングも行います。関わり方が分からない、自分も心的な負担があるなど、相談してもらい、理解を深めてもらいます。
カウンセリングにおいて、クライエントの気持ちを尊重し、適切な支援を一緒に検討します。また神経性無食欲症の根本にあると考えられる自己評価の低さや自己否定的な感情を受け止め、クライエントに適したペースで支援いたします。