HSPの特徴と支援について【Highly Sensitive Person】

2020年10月22日

HSP(Highly Sensitive Person)とは「感受性が強く感覚が敏感である人」であり、先天的に五感が鋭く、幼少期から特徴が現れることが多いです。

中枢神経が精密であるため、良い刺激にも悪い刺激にも敏感です。ちなみにHSCは、Highly Sensitive Childrenの略です。

HSPの特徴

HSPは、HSPではない人よりも、気圧や湿度の変化で体調を崩したり、他者との関係性においても感じるものが大きく、また他者の心の揺れ動きにも気づきやすいといった特徴があります。

日本人の10〜20%ほどがHSPだと言われ、不適応に至りやすい側面もあります。

一方で、あくまでHSPは気質であり、HSPの全てが不適応に至るわけではなく、プラスの側面もあることから、アメリカ精神医学会が定めた『DSM―V(精神障害の診断と統計マニュアル)』には、記載されていません。

また、病気でも障害でもないため、治るという表現は適さないと考えられています。

気質であるので、上手に付き合っていくという方向で支援を考えることが妥当と言えます。

近年では、精神科や心療内科でも、専門医がいる場合もあるなど、ある程度の認知がされるようになってきているため、専門機関からの支援は得られやすくなってきています。

HSPは、情報処理を深く行い、他者の些細な言動から相手の考えや感情を深く読み取ろうとしてしまうために、気疲れしてしまいます。

また、刺激に対する感受性の高さから、光や音(振動)、気温や湿度といった物理的な刺激に対しても、影響を受けやすいです。

人間関係においても、相手の雰囲気や態度、話し方にも影響を受けやすく、相手が無意識に起こした行動で、ネガティブな発想をしてしまうこともあります。

HSPは共感性の高さも特徴的であり、小説や映画といった物語でも感情移入しやすく、心理学や支援職、音楽家、小説家など心情を扱う職業が適していると示唆する研究者もいます。

HSPは、その性質により、心身ともに疲れやすいという特徴があります。

これは、脳や神経の働きによるものであり、時には身動きがとれなくなるまで疲労してしまいます。

そのため、無理が生じる前に、なるべく刺激を少なくする工夫が必要になってきます。

中には、HSPでありながら外向的な性格の者もいます。

他者と話したり、自然と触れ合うことが好きだが、好きなことをすることさえもが、辛くなっていくことがあるのです。

この場合、刺激を多く受けた次の日は、休養するといった刺激を少なくする日を設けるなど、習慣的に気を休める癖をつけることをおすすめします。

HSPの支援

人間関係での刺激の緩和

人間関係においても、相手のネガティブな情緒的側面に対して感情移入し、一緒にいてあげたいと感じる反面、その刺激が非常に大きな心的負担となることがあります。

この場合、相手にもHSPの特徴について理解してもらい、適度な距離をとるか、なるべくプラスの経験を共有できるように工夫すると負担が軽減できます。

家族関係の刺激の緩和

家族関係については、親を中心として、良い悪いどちらの影響も受けやすいという指摘があります。

親の些細な一言を深く読み取り無理をしてしまったり、悪い養育態度においては、自分を責めてしまうこともあります。

親としての関わりとしては、HSPも特徴を理解し、程よく落ち着ける空間を与えてあげるとよいでしょう。

学校やアルバイトで頑張って帰ってきたら、ゆっくりさせてあげたり、人間関係で悩んでいたら、話を聞いてあげてもよいのですが、自然と触れ合えるような場所に赴き、刺激から物理的にも心理的にも距離をつくってあげるとよいでしょう。

苦しい時期の支援

特に苦しいと思われるのは、自分の特徴を理解できていないが、過敏さが大きくなる思春期〜20歳頃にかけてです。

この時期は周囲の理解や支援が重要な意味を持ちます。

また、HSPの女性は、育児の時期が最も辛いでしょう。

子どもの心配だけでなく、生活の不安、支援の受けづらさが、その要因となりえます。

配偶者や祖父母の理解と支援が重要になってきます。

もし、仕事で配偶者から支援が得られづらい、祖父母は遠くに住んでいて支援が得られづらいような場合、育児相談や福祉施設からの支援を受けることをおすすめします。

また、子どもを少しの間、誰かに見てもらって、その間に睡眠を取ったりするなど、上手に休養する時間を設けるとよいでしょう。

低気圧のときは活動を控える

HSPは、気温や湿度、気圧の変化の影響を受けやすいとお話しましたが、当事者の方にお話を伺うと、梅雨の時期や台風が近づいて、低気圧が続いているときは、体調が崩れやすく、ダメージが非常に大きいと仰る方が多いです。

これに関しては、自律神経失調症や起立性調節障害の可能性も考えられるので、もし、低気圧のときに体調が崩れやすいと感じている方は、病院を受診されることをおすすめします。

低気圧のときは、予定を控えめにするなど、自分の体調を気にして、早い段階で疲労や違和感に気づけるようにしておきましょう。

また、女性の場合は、生理が重なると、自律神経が働きづらくなり、非常に辛くなることもあるそうです。

HSCへの支援

HSCは、HSPの子ども版ですが、子どもだからこそ気をつけないといけないことがあります。

大人になれば、あらゆる知識がついてきて、自分で対応できるようになるのですが、子どもの場合は、自分で気づかないうちにダメージを受けていることがあります。

例えば、先ほど低気圧を取り上げましたが、子どもは気圧が何かも知らないですし、まさか気圧で体調が崩れるとは思ってもみません。

そして、この精神的・身体的な疲れのために、学校に行くことが困難になる子どももいます。

この場合、親も子どもの不調の原因に気づけず、原因不明の不登校状態が続き、甘えや行き渋りと勘違いして、無理やり学校に行かせようとしたり、酷く叱ってしまったりして、体調が悪化することも考えられます。

子どものHSPは、断定はできませんが、人の表情を伺ったり、人の様子を見てから行動を決めたりすることが多いようです。

些細なヒントですが、そのような特徴があると感じたら、もしかするとHSPかもしれないと可能性を疑ってみてください。

子どもにとっては、理解され、ゆっくり休むことができる環境が大切なのです。

最後に

HSPについては、僕もまだまだ知識不足です。

もし、当事者、ご家族、支援者、の方がいらっしゃいましたら、ぜひ情報をお聞かせください。

貴方の体験談を今後の支援に活かせていきたいと考えています。ぜひご協力をお願いいたします。