【保護者向け】「朝、起きられない」が不登校に【知っておくべき意外な理由】
「朝、起きられない」という中学生や高校生って意外と多いんです。中でも、起きられないことによって、不登校や遅刻が増えすぎて単位不認定にまで至ってしまうことがあるんです。
「朝、起きられない」の意外な理由
この理由は、いくつかあります。今回は、主な3つを紹介したいと思います。
①夜ふかし
保護者の皆さん、教員の方は、「どうせ夜ふかししてるんでしょ」と考えることが多いと思います。しかし、ただの夜ふかしでない場合を考えてください。。
保護者、教員が中学生や高校生だった頃、スマホやSNS、LINEってありましたか?
今の子どもは、スマホの普及率が高く、いつでもどこでも繋がりができます。僕自身、高校生のときにガラケーを手にしたわけですが、友達とメールアドレスを交換して、ついつい寝る時間が遅くなることがありました。
これも2008年頃の話です。今ではSNS、LINEが主流となり、より手軽に連絡ができます。また、学校での話題はYouTubeだったりもします。ある意味、思春期の夜ふかしは、自然なことになりつつあります。
また、スマホやゲーム機でのオンラインの普及も影響があることでしょう。WHOがゲーム依存という病症を認められたほどです。日本の子どもでも、一定数、ゲーム依存、もしくはゲーム依存傾向の子どもが増えていると報告されています。
こうしたスマホ依存、ゲーム依存が当然となりつつある中高生です。「夜ふかししてるから、朝、起きられないんでしょ」というのは、ある意味、軽視しすぎかもしれません。早いうちに手を打っておく必要があります。
方法は2つ。
1つ目は、スマホやゲームの使用に制限をつけることです。それも後付けはダメです。使用を始めたときから、制限をつけないと、子どもは納得しません。
2つ目は、ちゃんと治療に当たることです。依存症専門の心療内科などの診察を受けてみてください。
②「朝、起きられない」は嘘
嘘と言っても、相手を困らせようという意図はありません。むしろ、心配をかけたくないという嘘です。
例えば、学校でイジメの被害にあっている。嫌なことがあって行きたくない。精神的に悩んでいて行く気になれない。夜な夜な泣いてしまっている。などです。
遅刻や休みが続いて、成績や進路が心配になることと思いますが、何よりも子どもの心配をしてあげてください。
なかなか子どもが本心を語ることはないでしょう。親には心配をかけたくないですし、恥ずかしかったりして、話すことにリスクを感じてしまいます。そういう意味では、「悩み事があるなら、行ってみたら?」とスクールカウンセリングや相談機関を紹介してあげるといいでしょう。
相手が第三者である場合、話すリスクはグッと減ります。また、心理士には秘密の漏洩が許されないというルールがありますから、その意味でも子どもは安心して悩みを打ち明けることができます。
起立性調節障害の可能性
起立性調節障害という自律神経系の働きに異常が起こる障害があります。ちょうど中高生の時期に発症しやすいと言われています。
症状としては、起きてすぐは自律神経が上手に働かず、立ちくらみがしたり、身体に力が入らない、気だるさ、食欲がない、集中できない、ボーとするなどの症状があります。
これらの症状は、夜ふかしによる寝不足などと間違えられやすいものです。実際に、何度も親や教員に注意されても「朝、起きられない」ことにより遅刻が続き、病院に行ったところ、「起立性調節障害」と診断されることがありました。
このとき子どもは、「起きなきゃいけない」と分かっていても、体が動かず、何とか親や教員に伝えても信じてもらえない状況に至ります。
これにより精神的にも身体的にもどんどん悪化していき、次第には「起き上がれるのは夜だけ」という状態まで、悪化してしまいます。お風呂に入ることも辛くなっていき、過度の痩せや不健康にも繋がります。
もし、起立性調節障害の疑いはあると感じられる場合は、すぐに心療内科にかかるようにしてください。また、中高生の場合、小児心療内科の医師が詳しいことがあります。ぜひ、早い発見と治療を心がけてください。
最後に
小中学生の場合は、学校に通うことが難しければ、教育支援センターやフリースクールに通わせてあげてください。自分の好きなタイミングで登校できるところが多いので、自己嫌悪を抱くことなく通えると思います。
高校生の場合は、全日制が苦しければ、通信制や定時制への編入を検討してみてください。単位が不認定になると卒業も遅れてしまう可能性があるので、できるだけ早いうちに判断されるといいかと思います。