Sellin,T.の文化葛藤理論【公認心理師試験対策】

2022年5月4日

文化葛藤理論

文化葛藤理論とは、セリン(Sellin,T.)によって提唱された理論です。犯罪は文化間の違いや格差によって生じるとされています。犯罪社会学の走りとして注目された理論ですので、公認心理師試験でも必須の知識となります。

セリンは文化葛藤を、①第一次的文化葛藤、②第二次的文化葛藤、に分けて考えました。

第一次的文化葛藤

第一次的文化葛藤は、質の異なる文化と接触したときに生じる葛藤のことです。こうした文化の違いによって強い葛藤がある状態のときに、人は犯罪を犯しやすいとされています。

第二次的文化葛藤

第二次的文化葛藤は、文化的な格差によって生じる葛藤のことです。文化的な格差があることで、差別的視感や妬みに似た感情が生起した状態のときに、人は犯罪を犯しやすいとされています。

セリンという人物

セリン(Sellin,T.)は、アメリカにあるペンシルベニア大学の社会学者でした。セリンはアメリカに留まらず、国際的なレベルで犯罪を統計学的に捉えました。国際刑務所の事務局長を務め、国際犯罪学会の会長でもありました。

公認心理師試験対策

アメリカの社会心理学の領域で有名な理論ですが、文献は古く、日本の論文検索サイト「Cinni」で「文化葛藤」と検索しても、さほど文献は出てこないです。

第3回公認心理師試験で出題されましたが、他の犯罪心理学の理論に並んで、選択肢の1つとしての出題でした。

したがって、詳しい内容が出題される可能性は低いと考えてよいと思います。最低限、文化葛藤理論の表面的な内容と提唱した人物は覚えておきましょう。