Seligman,M.のPERMAモデル【公認心理師試験対策】

2022年7月7日

ポジティブ心理学

ポジティブ心理学(Seligman,M.)は、これまで臨床心理学は不適応的な状況を好転させることを目的にしたものが多かったのに対して、人がより幸せに生きること、即ち「Well-beingを向上させること」を目的に提唱されました。

ポジティブ心理学は、Seligman,M.により提唱されましたが、Seligman,M.はJames,W.やMaslow, A.H.の考えやRogers,C.の影響を受けており、実際には研究を受け継ぎ推奨していった立場であるとも言われています。

ただ、試験の正答としては、Seligman,M.が第一人者ということで問題ないようです。

Well-being

Well-beingとは、幸福や健康という意味で用いられることが多いです。

世界保健機関(WHO;1948)によると

“Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.”

「健康とは、病気ではないとか病弱ではないということではなく、肉体的にも精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいう。」

と定義されています。

簡単にいえば『Well-beingは身体的・精神的・社会的に望まれる本質的な健康状態』を指します。

ポジティブ心理学の領域においては、Seligman,M.が幸福を測定する目的で構造化した『PERMAモデル』が扱われています。

PERMAモデル

PERMAモデルは、Seligman,M.がWell-beingの測定のために構造化した指標の頭文字を並べたものです。

  • P:positive emotion;ポジティブな感情
  • E:engagement;没入・没頭状態
  • R:relationship;良好な人間関係
  • M:meaning;人生全般への肯定的意味づけ
  • A:achievement;達成感や充実感

フロー(Flow)

「没入・没頭状態」に関しては、Csikszentmihalyi,M.がフローという概念を提唱し、詳細に説明しています。

フローとは、没入・没頭するレベルの集中を見せ、最も楽しさを感じ、成功へのイメージを掴める状態であると言えます。時間を短く感じたり何をしても上手くいくという肯定的未来イメージを持つことができます。

スポーツ心理学の領域では、短期的なフロー状態をゾーンとも呼ぶことがあります。ゾーンにおいては、経験豊富な上級者が、経験をもとに先の適した動きを予測できる「フィード・フォワード」の現象を体験できるとされています。

例えば、コンマ数秒先の相手の動きを予測できたり、バレーボールにおいてボールを叩く音を聴いただけでボールの行き着く先を予測できたりする集中状態です。

PERMAモデルの補足

PERMAモデルは、日本においては主観的Well-beingとして発展します。

これは、Ryff,C.D.(1989)が「主観的幸福感が情動状態のみに注目する点で人間のwell-beingを包括的に捉えきれていない」と指摘した上で心理的Well-beingという概念を提唱したためです。

心理的Well-beingは、Rosenberg(1965)の自尊感情とも関連しており、自尊感情が心理的Well-beingに肯定的な影響を示すとも言われています。(伊藤・児玉,2005)