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【公認心理師試験対策】エリクソンの発達理論とマーシャの同一性地位理論

2021年3月6日

エリクソンの心理社会的発達理論

エリクソン(Erikson,E.H.)は、アイデンティティの概念を定着させたことでも有名です。心理社会的発達理論については、フロイトの性器期の部分を対人社会関係を踏まえた形で、8つの発達段階に分けています。

基本的には、発達段階にはそれぞれ発達課題と対になる発達危機があり、それを乗り越えることができない場合は、次の発達段階に進むことができないと考えます。8つの発達段階は以下の通りです。

①乳児期基本的信頼 ー 不信
②児童前期自立性 ー 恥
③遊戯期積極性 ー 罪悪感
④児童期勤勉性 ー 劣等感
⑤青年期アイデンティティ確立 ー 拡散
⑥成人前期親密性 ー 孤立
⑦成人期生殖 ー 停滞
⑧老年期統合 ー 絶望

青年期では、アイデンティティの確立が発達課題となっていますが、児童期の劣等感を克服できないままでは、アイデンティティの確立はできないと言えます。

また、親からの虐待や育児放棄、死別などによって、乳児期の基本的信頼が達成されないまま、大人になる方もいます。その場合、精神状態は連続的に不安定です。

青年期では、アイデンティティを確立することで、忠誠と呼ばれる人としての強さや徳が身につくとも言われています。

また、成人期では、生成継承性と呼ばれる後継の育成(子育てや後輩育成)が意識されるようになります。

老年期では、英知と呼ばれる達観した知識で周囲への貢献を志すようになります。

マーシャの同一性地位理論

マーシャ(Erikson,E.H.)もセットで憶えてください。Marcia,J.E.は、アイデンティティの確立において、個人に力を注ぐ傾倒対象の有無、アイデンティティ形成における危機の有無、から同一性地位を捉えています。同一性地位は以下の通りです。(傾倒というのは、「○○になりたい」といった目標志向の対象という意味です。)

モラトリアム危機アリ ✕ 傾倒ナシ
早期完了危機ナシ ✕ 傾倒アリ
同一性達成危機アリ ✕ 傾倒アリ
同一性拡散危機ナシ ✕ 傾倒ナシ

モラトリアムは、目標が定まらず悩んでいる状態です。よく大学生はモラトリアムの時期だ、と言います。目標がないまま大学生になった方たちが就職や進路で悩む様を表現しています。

早期完了は、小さい頃からの夢を一貫して目標にしているような状態です。この早期完了では、目標を目指す途中で現実の厳しさを知り諦めたり、目標を達成したらすぐに燃え尽きたりしてしまうことがあります。

同一性達成は、目標があり、目標についてもよく悩んだ経験がある状態です。悩んだ末に同じ目標を志したり、方向転換をしたりしますが、どちらにせよ悩んだ結果なので、アイデンティティは安定して確立できます。

同一性拡散は、目標も悩みもなく、自分が何をするべきなのか、自分は何者なのか、わからない状態です。自分を見失っているのです。

エリクソンの理論背景

エリクソンは、アイデンティティ危機を「自分が何者か分からない」状態と表現しています。また、細かく言えば、アイデンティティ危機は、青年期以外でも生じます。

また、溝上(2008)は、アイデンティティは斉一性と連続性であると捉えられるとしています。

斉一性とは、他者も含めたある空間における自分が、それぞれの空間における自分と、同じ自分であることを示します。

連続性とは、自分の経過の中において他者になり代わることのない自分であることを示します。

最後に

第3回公認心理師試験で合格しました。その体験談と実際に使用した参考書を紹介した記事を書きましたので、ぜひご一読ください。

【第3回公認心理師試験】合格体験談とおすすめの参考書を紹介

引用参考文献

  • 溝上慎一(2008)自己形成の心理学 ー他者の森を駆け抜けて自己になるー 世界思想社.
  • 小沢一仁(2020)自己理解のためにエリクソンアイデンティティ概念を捉え直す ー主観的視点から斉一性と連続性焦点を当ててー 青年心理学研究, 31, 91−108.