ストレンジ・シチュエーション法【公認心理師試験対策】
ストレンジ・シチュエーション法(Strange Situation Procedure;SPP)
Ainsworth,M.D.S.は、乳児の愛着行動にタイプがあることを見つけ、そのタイプにより乳児の愛着発達への影響があることを示唆しています。このタイプを見わける方法を観察法として構造化したのが、ストレンジ・シチュエーション法です。
ストレンジ・シチュエーション法は、Bowlby,J.の愛着理論の影響を受けており、アタッチメントの発達段階が考慮されています。
実施方法(手順)
【1】母親と乳児を部屋(遊具や玩具があるプレイルーム)に入れて、乳児を遊ばせます。このとき、母親は椅子に座り、乳児を見守ります。乳児からの関わりは拒否しません。
【2】知らない人が入室し、母親の横に座ります。その後、①黙ったまま1分間、②母親と知らない人が話して1分間、③知らない人が乳児と遊び1分間、を過ごします。
【3】母親が退室します。知らない人は3分間ほど、黙ったまま、座ったまま、乳児と過ごします。乳児が泣いて母親を求めたら、知らない人がなだめます。
【4】再び母親が入室して、知らない人は退室します。
【5】母親が退室して、乳児が一人になります。
【6】見知らぬ人が入室します。
【7】母親が入室して、見知らぬ人は退室します。
■乳児が母親と離れた場面、乳児が見知らぬ人と2人でいる場面、母親と再会した場面に注目して、乳児の反応を観察します。
愛着のタイプ
ストレンジ・シチュエーション法では、母親との分離場面と再会場面における乳児の反応で愛着行動のパターンを分類しています。①安定型、②回避型、③葛藤型、④無秩序型、とされています。
①安定型
分離→泣く、抵抗するなど不安を示す。
再会→甘える、喜ぶなど接近を示す。
②回避型
分離→泣かない、抵抗しないなど不安を示さない。
再会→反応が薄く、よそよそしい、接近を示さない。
③葛藤型
分離→泣く、怒るなど抵抗を示す。
再会→喜びと怒りなど接近と回避の葛藤がみられる。
④無秩序型
分離時も再会時も反応に一貫性がなく、情緒が不安定になっている。
■解釈としては、安定型が感受性や情緒安定性が高いと言われる。無秩序型は、不適切な養育や虐待、発達障害の可能性が検討されます。
公認心理師試験対策
公認心理師試験においては、過去に出題されています。ストレンジ・シチュエーション法における4つのタイプは、少なくとも憶えておく必要があります。
【例題】ストレンジ・シチュエーション法において、誤っているものを選びなさい。
- ①安定型は、分離場面で抵抗、再会場面で接近を示す。
- ②無秩序型は、不適切な養育や虐待が検討される。
- ③葛藤型は、分離場面で怒り、再会場面で回避行動を示す。
- ④回避型は、再会時の反応が薄い傾向がある。
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