【場面緘黙症を改善したい!】セルフ段階的暴露療法の提案

2020年12月30日

今回は、「場面緘黙症におけるセルフ段階的暴露療法の提案」というテーマでお話します。場面緘黙症についての説明などは、他の記事も沢山あるので、ここでは省略します。あとで読んでみてください。

■この記事を読むときは、「改善するぞー!」という前向きな気持ちで読んでくださいね!約束です!

場面緘黙症における段階的暴露療法

段階的暴露療法は、場面緘黙症の根底にある不安感情を軽減するために、用いられる療法で、認知行動療法の1つです。あえて不安場面に晒すことで、不安場面や不安要因に慣れていくことを目的とします。めちゃくちゃ簡単に言えば、トレーニングというイメージです。

とはいえ、いきなり強い不安に直面すると心的な負担が大きすぎて、逆効果にもなりえます。ですから、スモールステップで行っていくことが重要になります。このスモールステップは、分類して考えてみると、イメージがつきやすいと思います。

スモールステップの分類

場面緘黙症では、不安場面で声が出ないとしても、例外的に話せる場面もあることが多いです。例えば、家族や親友です。既に話せる人に協力してもらい、話す練習をしていくことが改善の大きな一歩になると考えています。

①会話の仕方のスモールステップ

今の時代、会話の仕方も様々です。場面緘黙症の方は、SNSやLINEなどでは、十分に会話できるという方が多いです。既にSNSやLINEで会話できる方は、どんどん色んな方と交流をして、話す際のスキルを磨いてください。スキルに自信がつくと不安を軽減することができます。

SNSやLINEで十分に会話ができる人は、次の目標を設定してみてください。筆談でもいいですし、頷きや首振りだけでも構いません。今まで何となくやっていたことも、積極的に前向きに行えるようになるだけでも、確かな前進と言えます。あくまでスモールステップで、前に進んでいきましょう。

②話せる人のスモールステップ

もし、親友と話せるのであれば、親友の友達となら話せるかもしれません。親友に優しそうで話せそうな友達を紹介してもらい、場面緘黙症の改善に協力してもらうとよいでしょう。できれば、話しやすい慣れた環境で会うのがよいでしょう。

このように、一人ずつ話せる人を増やしていきましょう。もし、話すことができなくても、新しい人に会うこと自体に慣れることができるので、十分な前進と言えます。

■話せる人を増やすのは、大きな不安が生じますので、難易度は高めです。難しいと感じたら、無理はせず、別の方法から試してみてください。

③話せる場面のスモールステップ

場面緘黙症の特徴として、発表する場面や注目される場面などで声が出なくなります。人前で何かをすることは、不安が強いことだと思います。しかし、これも可能であれば、段階的に練習してみましょう。

例えば、人が多いけど、注目されづらい場所(駅やショッピングモールなど)に家族や親友と一緒に行ってみてください。これが大丈夫そうなら、次は飲食店に2人や3人で行くなど、注目されるかもしれない場所で交流することを試してみてください。

このように、既に大丈夫な場面から少しずつ話せる場面を広げていってみてください。ゆっくり自分のペースで大丈夫です。家族や友達に協力してもらいながら、少しずつ進んでいきましょう。

目標設定のコツ

まずは、自分が大丈夫な範囲を把握しましょう。自分が話せない状況の共通点を見つけることができると、改善点が見えてくるはずです。もし、自分で見つけられない場合は、カウンセリングを受けてみてください。カウンセラーに目標設定を手伝ってもらいましょう。

スモールステップについては、本当に少しずつで結構です。無理のない範囲で、コツコツと確実に前進していくイメージです。筋トレは、少しでもサボってしまうと筋肉量が低下してしまいますが、不安を軽減するためのスキルは、低下していきません。

必要なのは、勇気と覚悟です。実際、これが最も難しい部分ではありますが、これを突破できれば、前進あるのみです。

最後に(注意点)

場面緘黙症といっても、知的障害が背景ある場合もあります。その場合は、アプローチの仕方も変わってきます。また、場面緘黙症を原因とした精神疾患などを併発している場合は、医療による治療が必要です。診察やカウンセリングを受けて、自己改善が可能かどうか助言をもらってください。