他者を巻き込む完璧主義は嫌われます┃三重県松阪市のカウンセリングルームCOZY

三重県松阪市のカウンセリングルームです。普段はフリースクールと個別指導塾をやっています。大学院で臨床心理学を専攻していたこともあり、カウンセリングも小規模でやっています。

人間関係でお困りの方もいらっしゃることと思います。その中でも自覚なく他者に高い理想を押し付けてしまっている完璧主義の方がいます。

完璧主義は自己中心的になりがち

完璧主義というと、完璧に仕事をこなし、無駄な時間を作らず、常に効率を考えて行動している方がイメージできると思います。これは、仕事では評価される場合もあります。

しかしながら、他者が俯瞰で完璧主義者を見たとき、よくある感想は「辛そう、余裕がない、結婚したくはない」などが挙がります。完璧主義は、仕事をする上で、効率も大切ですし、生産性も高いと言えます。一方、仕事以外の場所で一緒にいると、その完璧主義を強要されてしまいそうというイメージがあるのです。

完璧主義を強要してしまう方は、自己中心的な思考をしています。心理学の研究でいえば、自己中心性は自己内省の低さや他者共感性の低さと関連があると言われています。

自己内省とは、自分の考えや振る舞いを省みることです。他者共感性は、他者へ思いやりや気持ちを汲み取る感性のことを指します。

つまり、自己中心的な方は、自分を省みることが少なく、他者の気持ちを考えようとしない感性の持ち主であると言えます。

完璧主義の方は、自分がこれだけ効率的にやっているんだから、と周りの効率の悪さを見るとイライラしてしまうのでしょう。そして、相手の気持ちを無視して、自分のやり方や思考を相手に押し付けるように強要してしまうのです。

完璧主義は合理的か

完璧主義というのは、意外に脆いです。確かな学習を経て、完璧な形になったのかというと、実は不完全な場合が多いです。そもそも完璧な方法なんて世の中に存在しません。

しかしながら、完璧主義の人は自分の効率的なやり方を疑いもせず、信じ切ります。先程の自己内省の低さが現れているわけです。通常、自分のやり方が効率的だと思っても、他者に「こうすると上手くできるよ」と提案するに過ぎません。ですが、これしかないと信じ切っているために、強要するに至るのです。

完璧主義は、脆いです。完璧主義を強要する人は、立場的に他者より上に立つことが多いです。仕事では評価されるからです。これが完璧主義を強化させます。自分のやり方が正しいと信じて、それを指摘してくれる人が周りにいないわけですから、どんどん完璧主義が進んでいきます。

ところが、完璧主義といっても不合理だったり不完全だったりするので、どこかで綻びが生まれます。すると、今度は精神的な負荷とともに、これまで強要されてきた他者は、完璧主義の人を非難するようになります。当然ですよね。

こうなると人間関係は崩壊します。

人間関係の崩壊

完璧主義の人の視点では、ここで人間関係が崩壊したように思えますが、実はもっと前から人間関係は上手くいっていません。嫌な上司として認識され、信頼度はほとんどないでしょう。

仕事は尊敬できるけど、一緒には居たくない。そういった関係性です。これまで仕事に注力してきたぶん心的なダメージは大きいことでしょう。しかしながら、人は失敗したときに自分を省みることができるようになります。

最後に

完璧主義の方は、自己内省しないために自覚がありません。でも、人間関係で失敗したりして、自分を省みるようになります。完璧主義は、日本の努力主義社会では、評価されるのですが、気がつく頃にはかなり偏った思考をするようになっています。

この記事を読んで、完璧主義を緩和したいと思われた方は、まだ救われる方だと思います。最後に某大統領を想像して、この記事を読み返してみてください。イメージしやすいはずです。

臨床心理学

Posted by Cozy