『完璧主義』を緩和させるための3ステップを解説します。【うつ病のカウンセリング】

今回は、うつ病の要因として挙げられる『完璧主義』についてお話したいと思います。実際、僕自身も完璧主義で苦しんだ経験があります。この経験も踏まえて、お話できたらと思います。

完璧主義とは

完璧主義は、研究では様々な定義づけがなされていますが、この記事では簡単にまとめて「自分の理想に向かって、常に最大の成果を追い求める性格的特徴」という意味でお話することにします。

まず、完璧主義と完璧主義傾向があることを理解してください。完璧主義傾向は「自分の理想に向かって、ほぼ最大の成果を追い求める性格的特徴」です。完璧主義まで、考えが支配されておらず、一般的に見ればストイックな頑張り屋と捉えられる程度のものを指すと思ってください。

完璧主義は、うつ病とも関連が示されています。これは、有名な研究で、追跡研究も多くされた上で、同様の結果が得られています。

認知行動療法における完璧主義

臨床心理学における認知行動療法では、完璧主義の方には自動思考と呼ばれる物事に対する捉え方のクセがあるとされていて、特に白黒思考(0か100の思考)が特徴的です。

白黒思考というのは、ある目標があった場合に、目標どおりに達成できればOKですが、少しでも達成できなければダメと、両極端の考え方をしてしまうことです。目標達成の過程で得たものなど、いわばグレーの部分が評価できないということです。

この自動思考というのは、捉え方のクセですので、ほぼ無意識に発揮されてしまうものです。人には、様々なクセがあります。ツメを噛む、貧乏ゆすり、髪を触る、話し始めに「えっと」と言うなどです。これらのクセには、少なからず不安や緊張などのストレスが影響していると言われています。

完璧主義についても、同様のことが言えます。完璧主義に至るには、それなりの背景があります。例えば、小さい頃に勉強やスポーツで悔しい想いをしたり、親や周囲の人から過度の期待を受けたり、兄弟姉妹で比較されて劣等感を抱いたり、といった経験があることが多いです。

もうひとつ理由としては、発達障害の可能性です。自閉スペクトラムでは、ある物事への執着が強かったり、自分の疲れが把握できず、エネルギー切れになるまで頑張ってしまったりする傾向があります。勿論、発達障害と診断されていないけど、その傾向がみられるグレーゾーンの方もいます。

完璧主義が掲げる理想と目標

完璧主義の方は、理想や目標を高く設定することも研究で示されています。臨床心理学と社会心理学の領域では、『理想自己』と『目標指向性』という概念があります。

理想自己というのは、「個人がこうありたいと思う理想の自己像」です。大学生に対する研究では、稀に「完璧な人間になりたい」という理想が掲げられています。何を持って完璧とするのかは、本人にしか分からないことですが、大学生の段階で、自分の能力や状況が把握できている時期ですので、この回答からは完璧主義の可能性があるよう思えます

目標指向性というのは、「目標に向かって努力する頻度や程度」のことを指しています。目標指向性が高い方は、目標を見つけると、それに向かってしっかり努力できる方です。しかしながら、目標指向性が過度に高いと、心身を壊してしまうこともあります。

このように完璧主義の方は、自分の能力や状況にとって高すぎる理想を掲げがちで、しかもその偏った理想に対して、過度の努力をしてしまうことがあります。そもそも掲げた理想が不適当なわけですから、それが達成されることは、ほとんどありません。

稀に「東大に入学した」「プロスポーツ選手になった」「モデルになって海外で活躍している」という方います。これは本当に稀な方たちです。また、この優れた方たちは、ストイックではあると思いますが、適応的に健康的に結果がついていると考えられます。

メディアによって、優れた方たちが、輝かしく紹介されます。すると、自分もこうなりたいと努力する方も出てきて、中には完璧主義に至る方もいます。

一方、ここまで述べてきたとおり、完璧主義は一概に不適応を起こすばかりではありません。では、完璧主義によって「うつ病」になってしまう方は、この優れた方たちと何が異なるのでしょうか。

完璧主義によるうつ病

認知行動療法の章でお話したように、完璧主義でうつ病になってしまう方は、理想や目標にとらわれています。自分の体調を省みずに努力し続けたり、偏った理想や非合理な目標を信じ続けてしまいます。

優れた方たちは、おそらく自分の体調を大切に管理し、理想や目標の掲げ方についても、自分の能力や状況を踏まえた上で、的確かつ合理的に設定していると思います。また、最終目標だけを見るのではなく、段階的に成果を求めています。この点でも、白黒思考ではありませんよね。

優れた方たちは、心の弾力性があり、ストレス解消法を実践していたりもします。臨床心理学では、心の弾力性はレジリエンス、ストレス解消法はコーピングと言ったりします。このレジリエンスとコーピングがあることで、心の健康が保たれることは研究で多く示されています。

要するに、完璧主義でうつ病になりやすい方は、『理想や目標にとらわれている』『偏った理想や非合理な目標を掲げている』『レジリエンスとコーピングがない』という特徴があります。

完璧主義を緩和する方法

完璧主義を緩和することで、肩の荷が降りて、パッと生活が変わる方がいます。顔や身体の緊張がとれ、表情も柔らかくなり、頭痛や肩凝りか解放されたりする方もいます。

ステップ① 理想と目標を見つめ直す

完璧主義を緩和するためには、まずは自分の理想や目標を見つめ直しましょう。自分の理想は、何が背景でできたものなのか、自分の目標は合理的に設定されているのか、これをよく考えましょう。

僕のおすすめとしては、まずは他者にアドバイスを求めましょう。家族や友達に話しづらかったら、単回のカウンセリングを受けてもいいと思います。しかし、完璧主義の方はアドバイスを貰っても、なかなか納得できないことと思います。

その場合は、考える時間を作りましょう。僕は、ひたすら散歩しながら、悶々と考えていました。自分の過去を省みて、自分のことを理解していくイメージです。臨床心理学では、これを自己内省といいます。ただ、悶々と考えていると、辛いので、「今は、自分をみつめる時間だ。積極的にどんどん考えよう」と無理に肯定的に捉える必要はないので、積極的に自分をみつめてみてください。これは、とても時間がかかることです。でも、確実に前進できると思います。

ステップ② レジリエンスとコーピング

自分の理想と目標が再構築できたら、次は、レジリエンスとコーピングについて考えましょう。とはいえ、レジリエンスは、直ぐに身につくものではありません。ですから、まずは自分はどの程度までストレス耐性があるのか理解しましょう。そして、1日何もしない日を作ったりして、休養をしっかりとれるように計画しましょう。コーピングについては、息抜きしたり癒やしを求めたりできれば何でもいいです。

ストレスは、容器に水が溜まっていくイメージです。溢れる前に栓を抜いて、水を放水しないといけません。「ストレスは自然に抜けていく」という考え方は、辞めた方がいいと思います。

ステップ③ 白黒思考の緩和

最後に、白と黒の間、グレーの部分を大切にしてください。失敗しても成長はあります。今、できていることは必ずあるので、それを評価し、自分を褒めてあげてください。行動してさえいれば、ゼロやマイナスはありえません。少しずつでも確実に前進できています。あと、自分のペースを大切にしてください。焦りはミスに繋がります。冷静に自分を分析しつつ、自分の能力状況に適した継続できるペースで、努力されるといいかと思います。

最後に

理想や目標を高く設定すること自体は悪いことではありません。誰かに設定されていたり、社会の評価を求め過ぎたりして、自分の本当の理想や目標になっていないかもしれません。長い挑戦になるわけですから、自分の可能性をしっかり考えて、楽しく成長していっていただければと思います。

頑張りすぎて、うつ病になってしまうと、下手すれば数年は、身動きがとれなくなりますので、そうなると頑張りたくても頑張れません。普段から適切にストレスをコントロールして、休養をとって、努力されてください。

今回は、ここまでです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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