人間関係に疲れた方へ【マインドの変化と人間関係の再構築を】

2020年12月30日

こんにちは。中津です。

学校や職場で人間関係に疲れている方が多いと感じます。今回は、ポジティブ心理学の観点から1つの提案をしたいと思います。何かしらの参考になれば幸いです。

①マインドを変えてみましょう。

人は、無意識的に理想を掲げて生きています。臨床心理学において、来談者中心療法で有名なカール・ロジャースは、理想自己と現実自己の不一致が大きくなるほどに精神的不適応に至りやすいとしています。

一方で、「自分を変えたい」や「将来の夢がある」など、理想に向かっていくことは、目標という意味で大切にしていきたいものでもあります。

ただし、今回は、人間関係への疲労感がある場合を考えていきます。多くの人が、一度は「有名になりたい」や「インフルエンサーになりたい」と理想を掲げたことがあると思います。しかしながら、人間関係をネガティブに捉えてしまっている場合、無理にその人間関係を続けていくことは、ストレスに繋がってしまいます。

ここで、『マインドを変化すること』を考えてみてください。実験社会心理学の研究で、人間関係と幸福感の関係を検討したものがあります。その研究では、人間関係を「人間関係の多さ」と「人間関係の深さ(質)」で検討しています。

その結果、「①人間関係が多く深い」>「②人間関係が多いが浅い」>「③人間関係が少ないが深い」>「④人間関係が少ない浅い」の順で幸福感が高いことが示唆されました。

理想の高い方は、①や②の人間関係を目指します。ところが、人によって人間関係の捉え方は様々で、友達が5人いれば多いと捉える人もいれば、芸能人やインフルエンサーのように数十万人のファンがいて、ようやく多いと捉える人もいます。

まず、このように理想の高い人たちは、理想が高すぎるゆえに達成できません。非現実的な場合が多いからです。

そこで、マインドを変えてみましょう。理想でいえば、③の人間関係を目指すイメージです。人間関係の多さというのは、多くしようと思うほどに数が把握しきれなくなります。

ですから、深さのみに焦点を当ててみてください。また、人間関係は家族や友達、クラスメイトや仕事の同僚など、普通に数えれば、20人以上は確実に存在します。その中で、人間関係の深さを考えてみましょう。

②人間関係を再考しよう。

4段階で人間関係を位置づけしてみましょう。

例えば、「①話したこともない関係」、「②学校や職場のみの関係」、「③プライベートで遊びに行ける関係」、「④自分らしく何でも話せる関係」の4段階としたとき、自分がどういった関係を求めているのか再考しましょう。

僕は、個人的には③と④は大切にしたいです。一人で生きていくのは、どこかで躓いてしまいそうですから、家族や親友はほしいと思います。貴方はどう考えますか?

この段階の分け方は、ご自身でアレンジしてみてください。今で言えば、SNSのみで顔も知らない人も人間関係に入るかもしれませんし、お店で働いている方は、顧客との人間関係や取引先との人間関係もあると思います。

しかし、その中でも最低限、この人が居たら自分は頑張れるんだという人間関係を大切にしてください。自分が本当に困ったときに、顔を知らない人や話したこともない人が助けてくれるでしょうか。逆に相手が困ったとき、自分が助けたいと思うでしょうか。

③人間関係の再構築を

さて、ここまでは、自分にとって大切な人間関係を考えてきました。上手にマインドを変化させることができて、肩の荷が下りたように人間関係での疲労感が軽減した人もいるかもしれません。

しかし、まだ終わりではありません。次は、人間関係の再構築を考えていきます。まずは、自分の周りの「必要な人」、「必要かどうか微妙な人」、「必ずしも必要じゃない人」に分けてみてください。

その中でも、再構築を図ることで、「必要な人」に入ったりする人も出てくるはずです。もし、そういう人が居たら、自分から距離を詰めてみてください。そして、相手の反応によって、「必要な人」かどうか見極めてみてください。こうすることで、これまで何となく関わっていた人たちとの人間関係を改めて考えることができます。

僕自身、学生時代の友達は多かったと思います。しかしながら、ほとんどは学校の中だけの関係です。僕は人付き合いが苦手だったこともあり、親友さえいればいいやと思っていました。

今でも割と狭い人間関係の中で生きています。でも、関係が続いている人たちは、結婚式に呼んでくれたり、年末年始に一緒に過ごしたり、僕が倒れたときは心配してくれました。十二分に幸せだと思います。

最後に

たかが人間関係ですが、されど人間関係です。

助けてもらった場合は、感謝を返すようにはしましょう。そして、新しく人間関係を築き、一緒に生きていくことは素晴らしいことです。類は友を呼ぶというように、素敵な人には素敵な人たちが集まってきます。

人間関係に疲れた方たちは、無理をされているのかもしれません。学校で人気者になりたい。職場で評価されたい。こういった理想も大切ですが、ある程度は割り切って、職場の人は職場だけ、と考えるのも、負担を減らすには有効だと思います。

誰とでも上手くやれる人はいません。有名人ですら、アンチがあるわけです。いくら綺麗に着飾っても、人には本質があって、合うか合わないか、があるわけです。

ありのまま受け入れてくれる人間関係、それこそが疲労しない人間関係です。

臨床心理学

Posted by Cozy