場面緘黙症を自力で改善したい人へ【おすすめの方法を提案します】

2020年12月26日

場面緘黙症は、選択性緘黙とも言われ、本人の意思に反し、ある特定の場面において話すことができなくなります。話すことや注目されることに対する不安や恐怖によって場面緘黙症の症状が現れることから、不安感情を司る脳の扁桃体という部分の働きが関係しているとする説が有力です。

しかしながら、現行の投薬療法においては効果が薄いとされており、心理療法が主流となっています。心理療法の中でも、特に効果があるとされているのは認知行動療法です。

認知行動療法とは、心的な症状には認知、思考、感情、行動、身体症状などが相互に影響し合うという考えのもと、認知と行動に変化を与え、症状を改善するアプローチです。

場面緘黙症は、不安障害の一種であると考えられているため、認知行動療法の中でも、段階的暴露療法が有効とされています。

段階的暴露療法とは

この段階的暴露療法は、簡単に言えばトレーニングのような療法です。まず、カウンセリングをしながら、今の段階で可能な範囲を見定めます。そして、あえて不安や緊張を感じる場面に晒され、少しずつレベルアップを図ることで、不安や緊張に慣れて話せるようになることを期待します。

既にできていることと例外探し

「学校で話せないけど、家では話せる。」ということであれば、言語能力に問題がなく、家族とは話せることがわかります。

「学校でも特に仲の良い友達となら話せる。」ということであれば、その友達だけには話すことができるということが分かります。

このように、既にできていることや例外探しを繰り返すと、何となく不安や緊張の様相やレベルが分かってきます。そして、カウンセラーとともに段階的な目標を決めて、それをトレーニングするつもりで取り組んでいきます。

目標設定の仕方

今の自分の症状が分かったとして、その地点から今後の目標を決めます。あくまでスモールステップの目標を意識します。

◆例1:友達とおしゃべりしたい。

学校で友達に挨拶をされて、会釈して返事することができる。目標は、友達と普通におしゃべりしたい。

レベル5友達と普通におしゃべりする
レベル4友達に話しかける
レベル3話しかけられたら声で応える
レベル2話しかけられたら頷きなどで応える
レベル1友達の挨拶に声で応える

◆例2:人前で話せるようになりたい。

学校で本当に仲の良い友達とは話せるが、会話の中に友達の友達が入ってくると話せなくなる。どんな人の前でも話せるようになりたい。

レベル5一人で
色々な人と会話をする。
レベル4一人で
友達の友達と会話をする。
レベル3友達と一緒に
ほとんど関わりのない人との会話に
混ぜてもらう。
レベル2友達と一緒に
話せそうな人の会話に混ぜてもらう。
会話に参加する。
レベル1友達と一緒に
話せそうな人の会話に混ぜてもらう。
声が出なくてもよい。

例1、例2、のように段階的な目標を決めます。今回の例を見ると、もっと細かく設定してもよいと思います。もし、目標を立ててみて、まだ難しいと感じたら、更に細かく設定し直せば良いので、無理をする必要はありません。

例1では、話すことの不安を段階的に考えていますが、例2では、話せる人の幅を広げるような目標設定になっています。このように自分がどう不安を克服していくかの方向性が決まると、目標を立てやすくなります。

段階的暴露療法の応用

段階的暴露療法は、カウンセラーと一緒に取り組む方法ですが、目標を決めて、段階的にトレーニングしていくことは自分一人でも行うことができます。

先程の目標設定を自分で行い、時には家族や友達に協力してもらい、目標設定を見直したり、目標設定のための手伝いをお願いすると、自分の精神的な余裕もでてきます。

重要なマインド

トレーニングという考え方が大切です。筋トレや勉強、スポーツや芸術の練習のような感覚です。上達や克服には、時間がかかるものです。時には上手くいかずに苦い経験もするかもしれません。それでも強い意思を持って頑張り続けることが大切です。

また、すぐに効果を求めてはいけません。トレーニングは、続けていく過程で、コツを掴んだりして、そこからグンと効果が出せるようになります。決して初めの1ヶ月で変化がなかったからといって、諦めてはいけません。

自分を励ましながら

頑張ったときは、自分を褒めてあげてください。ご褒美などを準備してもいいと思います。筋トレやスポーツの練習は、食事の調整など、日常的な負荷もかかりますが、これは場面緘黙症の改善のトレーニングなので、無理をする必要はありません。

時には、休憩も必要ですし、自分が「今日は頑張れる」と思えるときに頑張ればいいのです。

最後に

いかがでしたでしょうか?

カウンセリングを受けたい。でも、人を頼るのも苦手だという方もいると思います。そういう場合は、一人で改善に取り組むことも検討してみてください。ポイントは前向きな姿勢です。進んでは戻って、そんな繰り返しの中でコツを掴んでみましょう。

努力した者が全て報われるとは限らん。しかし!
成功した者は皆すべからく努力しておる!!

はじめの一歩 鴨川会長の名言

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