不登校の中学生のゲーム依存が増えた理由は?【理由と支援】

こんにちは。中津と申します。

僕は、大学院で学校臨床心理学を学んだあと、高校教員を経験しました。退職後、三重県松阪市でフリースクールとカウンセリングのお店を開業しました。

今回は、「不登校の中学生のゲームに依存が増えた理由は?」というテーマでお話していきます。

不登校の中学生のゲーム依存が増えた理由

結論からお話すると、大きく2つの理由があると考えられます。1つ目は「脳の神経伝達物質との関係」、2つ目は「ゲームの進化と普及」です。

脳の神経伝達物質との関係

ゲームの特性として、現実では体験できないストーリーを楽しむことができたり、敵を倒して強くなったりするゲームが多いです。このゲームの特性は、ゲームがより人気を得るために、ゲーム会社の企業努力で生み出されたものです。

このようなゲームの楽しさは、依存症が強く現れます。例として、ギャンブル依存症を想像してみてください。ギャンブルは、勝ち負けがあり、勝つことができると、賞品が手に入ります。しかも、勝ち負けの区別は分かりにくく、運の要素が強くなっています。これは、誰にでもチャンスがあるということに繋がり、顧客を生むための戦略でもあります。

ギャンブルは、もう少しで手が届く状況が常にあります。心理学や脳科学の領域では、この手が届きそうで届かない状態を「渇望状態」と言ったりもします。

脳の神経伝達物質の中にドーパミンというものがあります。ドーパミンは、渇望状態のときに多く分泌されます。普段はセロトニンという神経伝達物質が、ドーパミン値が高くなりすぎないように、調整してくれています。

しかしながら、ギャンブル依存性は賞品という報酬によって強化されているため、長期の渇望状態に至りやすく、ドーパミン値が高い状態が長期化すると、次第に脳が誤作動を起こし、セロトニン値が増えなくなってしまいます。

また、ギャンブルという事柄自体にも、心の状態が良くない人が始めやすいという特性もあり、そもそもセロトニンが上手に分泌されていない場合もあります。

さて、不登校の中学生のゲーム依存に、ギャンブル依存症を当てはめて考えてみましょう。まず、不登校になった原因にもよりますが、不登校の子どもは、心が不安定な状態にあります。加えて、ゲームはギャンブルと同様に渇望状態を引き起こすように作られています。不登校の中学生は、この2点が重なると、ゲーム依存症になりやすいのです。

ゲームの進化と普及

1980年代、ゲームはある進化を遂げました。それはゲーム機のポータブル化です。以前は、ゲーム機をテレビに繋いで、遊ぶことが常識でしたが、ポータブル化に伴い、いつでもどこでも楽しめるようになりました。

1990年代、ゲームのグラフィックが進化します。これまで画面に平らに映し出されていたキャラクターが、3次元で映し出されるようになりました。1990年代後半から、ゲームのグラフィックがよりリアルになっていきます。

この頃にはゲームの普及率が一気に高まり、クリスマスのプレゼントに好まれるなど、子どもがいる家庭の一家に一台は、ゲーム機があるのが普通になってきました。また、大人向けのゲームや複数人で楽しめるゲームも増えています。

2000年代以降、グラフィックはさらに綺麗になり、ゲームのメモリが進化したこともあり、ゲームの奥深さ、やり込み要素のようなものが増しています。また、携帯電話やパソコンの普及に伴い、携帯電話用アプリケーションやパソコン用のゲームソフトが多く生み出されます。

近年では、スマートフォンが普及し、スマートフォンでもアプリケーションでゲームが楽しめます。このように今の時代では、ゲームは凄く身近なものになりました。ゲームの依存性の部分についても、より楽しい内容のゲームが増えて、手放せない子どもが増えたのではないでしょうか。WHOがゲーム依存症を病症として取り上げたのも、ごく最近の話です。

不登校の中学生は、現実を見ないようにするためにゲームに没頭したり、他にすることがなくてゲームばかりで暇を潰すようになってしまったりします。

ゲーム依存症の支援

上の章で述べたように、不登校の中学生のゲーム依存が増えた理由には、「脳の神経伝達物質の関係」と「ゲームの進化と普及」があります。

ゲーム依存症の対策を考える上で、「ゲームの進化と普及」の面は、社会的な動きで生まれてきたものなので、個人ではどうすることもできません。統制できるのであれば、「脳の神経伝達物質の関係」の面です。

依存症の治療では、投薬療法で神経伝達物質のバランスを整える方法が効果的だと言われています。子どもがゲーム依存症だと感じられた場合は、病院やクリニックで診察を受けられることをおすすめします。

また、NGな行為として、ゲームやスマートフォンを取り上げるというものがあります。これは、子どもの依存先を無くしてしまう行為です。ゲームは、いわば悲しみや苦しさを紛らわせるためのツールになっていたわけです。それを取り払うわけですから、行き場を失った悲しみや苦しさは、別の行動で表出されることになります。それは親への暴力だったり自傷へと繋がっていく可能性があります。

ですから、まずは家族で相談して、なるべく子どもの了承を得た上で、病院に行ってください。子ども自身も、ゲームに依存する反面、かなりの辛さを抱いているはずです。子どもに寄り添い、頭ごなしに否定しないようにして、しっかり話し合ってみてください。もし、子ども了承が得られない場合は、一度、保護者だけで病院や相談機関に相談してみてください。どう接すればいいのか、具体的な助言を得ることができると思います。

最後に

不登校の子どもは、どうしてもゲームやスマートフォン依存しがちです。家で一人、苦しみながらゲームに没頭する姿は見るに堪えない悲しい気持ちになります。僕は、フリースクールでできることは、ゲームの質を変えていくことだと思っています。つまり、ゲームをするといっても、家で一人でゲームしていると、沸々と嫌な感情が湧き出てきますが、皆で一緒に楽しくゲームをすることができれば、その意味合いも変わってくるかもしれません。医学的な支援が必要になる場合、僕ができるのは、これくらいかなと思っています。

今回は、ここまでです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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