兄弟姉妹における劣等感を解消するヒント

2020年10月22日

劣等感は、自分を他者や理想の自己と比較し、劣っていると認知した際に生じる感情のことです。

今回は、他者との比較における劣等感、それも兄弟姉妹に抱く劣等感についてお話したいと思います。

学力に対する劣等感

小中高大、学生のとき、兄弟姉妹の学歴や成績に対して劣等感を抱いたことはありませんか?兄弟姉妹の劣等感の多くは、学歴や学力に関するものです。

なぜ劣等感を抱くのか。これは、目標親の期待が関係します。

例えば、同じ学校に通い、比較しやすい状態にあると、自然に比較する頻度が多くなります。

兄は小6の時は100点ばかり取っていた、と聞くと、いつのまにか、それを意識し、目標のように捉えてしまうのです。

兄は、たまたま勉強が好きだっただけかもしれませんし、好きな女の子に良いところを見せようと頑張っただけかもしれません。

そのような背景は無視され、目標のみが強く意識されてしまうのです。

この目標は、自分からすると、目標なのですが、親からすると期待になります。

兄は勉強ができて、偏差値の高い高校に進学した。だから、弟も勉強ができるだろう。こう繋がってしまいがちです。

しかしながら、この「だから」には、ほとんど根拠がありません。確かに、勉強の才能のようなものは遺伝的に持っているかもしれませんが、その意識を選択的に勉強に向けない限りは同様の結果は出ません。また、遺伝的な要素も100%ではありません。

しかし、親は一途にその期待をし続けてしまうのです。この場合、弟からすると、すでに窮屈で仕方ありません。自分のやりたいことは置いておいて、親の期待に応えようと頑張ります。それも兄が無意識に設定した目標に向かっていくのです。

親も人間です。自分に降りかかるネガティブな感情からは逃げ出したくなります。

弟が兄のように勉強ができなければ、弟の努力不足を指摘したり、兄を褒めて努力を促したり、あらゆる手段でネガティブな感情を逃避します。

弟は、いつのまにか制御が効かなくなった親の言動に巻き込まれ、窮屈で限定的な学生生活を送っていくことになります。

成人になる頃に、この劣等感の意味不明さに気づくが、その頃には手遅れなほど、自分の個性を見失っています。

劣等感に打ち勝つ

劣等感は、劣っているという認知が生じさせる感情なので、事実として、劣っていなければ、劣等感を抱かないのです。

そのヒントは専門性です。

兄は勉強ができ、偏差値の高い高校に進学しました。弟はスポーツができ、スポーツ推薦で強豪校に進学しました。

このように、異なる専門性を発揮し、互いを尊重できる関係にあると劣等感は抱きません。

しかし、この専門性を決めるのは、子ども自身です。同じ目標を持った場合は、劣等感を抱くことになります。ですが、同じ勉強に重きを置いたとしても、そのジャンルが異なるだけで、劣等感は軽減されるでしょう。

親が考えてあげてほしいこと

親の期待の強さを指摘しましたが、子どもが幼いときは、適度な期待はあっていいと思います。

親にお願いしたいことは、子どもの負担になる期待を控えることです。親に期待されることは、小さい子どもからすると、嬉しいことです。しかし、劣等感を抱き始める10歳頃からは、既にできていることできるようになったことを褒めて、伸ばしてあげてください。

また、無意識かもしれませんが、兄弟の一方だけに関わり過ぎるのも、良くありません。程よくバランスを考えて、接してあげてください。

親の理想と子どもの理想は異なります。親の思うように育つ子は、一層可愛く思えるかもしれませんが、別の方向に育ったとしても、しっかり愛情を持って育ててくれた親にはちゃんと感謝をしています。

子どもが自分らしく育っていく過程を楽しむという視点を持っていただきたいと思います。

そうすることで、子どもの劣等感と親のネガティブな感情は、共に緩和されることになることでしょう。

最後に

兄弟姉妹は、仲良くあってほしいものです。親がそうしているつもりがなかったとしても、子どもは「兄には優しい」「姉だけ褒める」などの捉え方をしていることもあります。

また、兄や姉が優れているという例が多いですが、逆も勿論、ありえます。家族が近くにいるにも関わらず、孤独を感じている子どもは、意外と多いようです。親として接し方に困ったときは、カウンセリングを受けてみるといいかもしれません。

当事者として、劣等感に悩んでいる方は、親の期待を一度、考えないようにして、自分のやりたいことを頑張ってみてください。それが専門性として、実力がついてきたときには劣等感は緩和されていると思います。しかし、親が変わらず、別の兄弟姉妹を贔屓しているようなら、その場から、離れてみるのも、一つの手段かもしれません。