公認心理師の年収はどれくらい?【データを参照に考察しました!】

2021年11月13日

はじめに

これから公認心理師になり、心理職として働きたい人に向けて、公認心理師の年収を調べてみましたので、参考までに読んでみてください。

2021年の調査によると

厚生労働省は『公認心理師の活動状況等に関する調査(2021)』を発表し、2019年に生まれた公認心理師の年収についての調査結果を記載している。

気になる年収については、以下のとおりである。

厚生労働省(2021)公認心理師の活動状況等に関する調査.89-90.

この調査結果を見ると、8990人のデータにおいて、200万円〜600万円に位置する者が多いことがわかる。200万円〜300万円が16.4%、300万円〜400万円が21.4%、400万円〜500万円が17.7%、500万円〜600万円が11.1%となっている。

また、常勤と非常勤で年収に大きな差がある。グラフを見ると、常勤では300万円〜500万円が多いのに対し、非常勤では200万円〜300万円が多くなっている。

教育分野で考察してみる

僕は、元教員なので教育分野を例に考えてみることにしよう。教育分野には大学教員〜幼稚園教諭まで様々あり、正規教員、常勤講師、非常勤講師など就業形態も様々である。

年収が最も高いのは正規の大学教員で1000万円〜2000万円ほどと予想される。年収が低いのは幼稚園〜高校の非常勤講師で150万円〜250万円ほどである。

僕は、高校で常勤講師をしていたとき、20歳代後半で年収は400万円程度だった。これは総支給額である。

20歳代の非正規教員で年収が400万円あるということは、正規教員になれば、より多く支給される。教育分野においては、公認心理師としても常勤になれば、年収が高いほうだということになる。

とはいえ、非常勤講師は学校を掛け持ち、授業のコマ数✕時給で収入を得ている。当然、夏休みなどの長期休暇は授業がないため、収入がなくなってしまう。

スクールカウンセラーは、都道府県や市区町村に配置され、付近の学校に週に1回か2回ほど巡回する。時給1500円から4000円と設定されることが多く、掛け持ちしている学校が多いほど、収入は多くなるが、長期休暇は仕事が減ってしまう。

また、1日何時間の勤務か、学校を掛け持ちできる数は、所属によって異なるため、安定的な収入があるとは言い難い現状にある。

つまり、教育分野においては非正規雇用が多いために総じて年収は低い傾向にある。

他の分野はどうか

他の分野については詳しいわけではないが、上記のグラフを見ると教育分野に比べて年収は高い傾向にある。特に保健医療分野は、医師免許を持つ者がおり、年収は高いと予想できる。

公認心理師の年収といっても、実質的には【公認心理師✕他資格】の年収となっており、公認心理師を取得したからといって、年収がアップした者は少ないだろう。

最後に

以上より考察すると、公認心理師の年収はおおよそ【他資格】による年収の調査となっており、公認心理師単体による年収は明らかではない。

僕の考察では、公認心理師として心理相談のみを生業にしている者は非正規雇用が多いため、今回の調査結果よりも年収は低いと予想する。

つまり、年収400万円以上の安定収入を得るためには、正規雇用を目指す必要がある。もしくは、経営者となるか、副業で収益を得て年収アップを目指す必要がある。

以前にも『公認心理師は食えないのか』という記事を書いたが、公認心理師の現状として、儲かる資格とは言い難い。

しかしながら、公認心理師はできたばかりの資格で、児童福祉施設においては、公認心理師や臨床心理士に限定はされていないものの、心理指導専門職員や保護者への心理支援に位置づけされ、企業は国から加算金を与えられるようにもなった。

また、企業は国家資格である公認心理師を施設に置くことで、ホームページや計画相談支援などの外部にアピールすることができる。

つまり、企業からすると、公認心理師は欲しい人材になるつつある。年収アップが叶う日がくるかもしれない。