アンヘドニア(Anhedonia):快感消失【公認心理師試験対策】
アンヘドニアとは
アンヘドニア(Anhedonia)とは、日本では「快感消失」や「無快感症」と呼ばれるもので、「快楽や喜びを享受する能力の消失」であるとされています。肯定的感情の低下、意欲の減退、喜びの喪失などの症状のことです。
具体的に言えば、人生が面白くないと感じる、時間がただ過ぎていくという感覚がある、ポジティブなものをポジティブに捉えられない、自己主張が減っている、意見や考えを表現する気になれない、行動するときに迷いがある、などが挙げられます。
アンヘドニアは、DSM-5では、大うつ病性障害の中心的な症状であるとされています。統合失調症、強迫症、心的外傷後ストレス障害、境界性パーソナリティ障害、摂食障害、自閉症スペクトラム、アルツハイマー型認知症でもみられます。【参考:中川ら(2017)】
アンヘドニアはゲーム依存のリスクを高める(古賀ら,2020)との報告もあります。Sculte(1962)によると、内因性うつ病患者は「悲哀不能(悲しむことや喜ぶことの喪失)」がみられるとも言われています。
アンヘドニアは、喜ぶことの喪失がありますが、同時に悲しいことがあっても悲しい気持ちが表現できない状態である場合もあることを考慮する必要があります。
公認心理師試験対策
第22回 令和元年度 精神保健福祉士試験 問3
次のうち、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の典型的な症状として、正しいものを1つ選びなさい。
- アンヘドニア
- 多重人格
- 疾病恐怖
- 考想吹入
- 的外れ応答
参考引用文献
- 古賀佳樹・山本竜也・川島大輔(2020)ゲーム依存とアンヘドニア傾向の関連:行動活性化による介入可能性の検討, パーソナリティ研究,29,1,31−33.
- 中川東夫・竹内義孝・岩崎真三(2017)精神疾患とアンヘドニア, 精神科,30,6,557−568.
- Sculte,W.(1962)Psychotherapeutische Bemuhungen bei den Melancholie.Dtsch med Wochenshencshr,87,2225.[飯田眞・中井久雄:訳 (1994)第5章 うつ病の精神療法研究,63−85.]