パニック症/パニック障害【公認心理師試験対策】
パニック症/パニック障害
パニック症/パニック障害(Panic Disorder)は、突如とした恐怖や強烈な不安に襲われ、パニック発作を起こすことで社会生活に困難を示す障害です。
パニック発作は、心身への負担が大きいことから、当事者はパニック発作を避けるように行動を制限したり回避したりします。過去にパニック発作が起きた状況などに対しては、予期不安(予想することで感じる不安)があります。
本来、こうした心身の反応は危険を回避するという生理学的な反応であり、トラウマ的な心理的負荷による原因がある場合もありますが、脳神経機能的な要因もあるため、心理療法だけでは改善できないケースもあると考えられています。
疫学的には、発症は1%ほどとされており、障害の中でも比較的多い障害です。また男性より女性に多いとされています。パニック障害の症状が現れる場面は、人によって様々であるため、個人に適した方法で支援を施す必要があります。
なお、パニック発作とはどういう症状を指すのかについても、DSM―5に記載されています。(↓)
主な症状
繰り返される予期しないパニック発作.パニック発作とは、激しい恐怖または強烈な不快感の高まりが数分以内でピークに達し、その時間内に、以下の症状のうち4つ(またはそれ以上)が起こる。
- 動悸、心悸亢進、または心拍数の増加
- 発汗
- 身震いまたは震え
- 息切れ感または息苦しさ
- 窒息感
- 胸痛または腹部の不快感
- 嘔気または腹部の不快感
- めまい感、ふらつく感じ、頭が軽くなる感じ、または気が遠くなる感じ
- 寒気または熱感
- 異常感覚(感覚麻痺やうずき感)
- 現実感消失または離人感(自分自身から離脱している)
- 抑制力を失うまたは「どうかなってしまう」ことに対する恐怖
- 死ぬことに対する恐怖
発作のうちの少なくとも1つは、以下に述べる1つまたは両者が1ヶ月(またはそれ以上)続いている。
- さらなるパニック発作またはその結果について持続的な懸念または心配
- 発作に関連した行動の意味のある不適応的変化
治療と支援
治療には薬物療法と心理療法が併用されることが多いとされています。薬物療法は抗うつ薬や抗不安薬によって不安や恐怖を軽減させます。心理療法では認知行動療法によって不安や恐怖が強く現れる場面に対応できるように訓練したり、不安に至る自分を受容するという意味で来談者中心療法や森田療法が用いられることもあります。
支援としては、配偶者や家族、学校や職場に対する心理教育およびコンサルテーションを行い、生活に適応しやすい配慮を行い、治療に専念できる環境をつくることが重要です。また、パニック障害は、その生きづらさから他の精神疾患を併発することもあるため、早期の治療や支援が望まれます。