限局性恐怖症【公認心理師試験対策】

2021年10月9日

限局性恐怖症

限局性恐怖症(Specific Phobia)は、特定の状況や環境、対象において激しい恐怖や不安が生じる不安障害です。一般的には、高所恐怖症や閉所恐怖症などがありますが、限局性恐怖症はこれらの総称で、アメリカ精神医学会が診断基準として規定する正式な名称です。

限局性恐怖症は、実際の危険に釣り合わない恐怖を抱きます。例えば、犬が苦手だとしても離れていれば実際の危険はないわけです。一方、限局性恐怖症の人は、過度の回避やパニック発作など異常な恐怖を示します。

閉所恐怖症でいえば、普段は自分の意思で、その機会を避けることができます。エレベーターが、その対象だとしても階段を使うことができます。しかし、急遽として避けられない状況に陥った際に、身動きが取れなくなったり過呼吸を起こすなどの危険が伴う場合もあります。

また、回避行動により日常生活に支障がある場合もあります。例えば、閉所恐怖症のため、トイレはドアを閉めることができないが、公共の場では閉めざるをえない。この場合、会社や公共の場所でトイレに行けないわけです。

尖端恐怖症などは、対象の予測できない出現が考えられます。何らかの金具の先が目に入ったりして、恐怖を示すなど、こうした経験により外出すること自体に不安を感じ、安全な場所から出られなくなることもあります。

限局性恐怖症の特徴

A.特定の対象または状況への強い恐怖と不安がある。

B.その恐怖の対象または状況は、ほとんどいつも、即時に恐怖や不安を誘発する。

C.その恐怖の対象または状況は、積極的に避けられる。または強い恐怖や不安を感じながら耐え忍ばれている。

D.その恐怖または不安は、特定の対象や状況によって引き起こされる実際の危険性や社会文化的状況に釣り合わない。

E.その恐怖、不安、または回避は持続的であり、典型的には6ヵ月以上続いている。

限局性恐怖症の治療

第一選択として、暴露療法という心理療法が施されます。90%以上の有効性があるとも言われています。限局性恐怖症の状態によっては、抗不安薬が処方されることもありますが、多くの場合は投薬療法を必要としません。ただし、状況に応じて、飛行恐怖症の人が飛行機に乗るときなど、一時的な効果を期待して処方されることもあります。