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チック障害とトゥレット障害【公認心理師試験対策】

2021年3月20日

チック障害

チックは、突発的かつ反復的に起こる不随意的な運動や発声のことを指します。チック障害群には、トゥレット障害、運動チック障害、音声チック障害、暫定的チック障害、他の特定されるチック障害、特定不能のチック障害があります。チック障害は、いわば、これらの総称です。

よくみられるチック症状は、目をパチパチさせたり、瞬間的に力が入ってピクッと身体が動いたり、声帯に力が入り声を発してしまったりします。重度の場合、自分の頭や身体を叩いてしまったり、跳ねてしまったりもします。(勿論、不随意運動ですから、自分の意思で統制できません。)

重度にもなれば、生きづらさを感じ、情緒的な問題を引き起こすこともあります。また、チック症により周囲の人に避けられてしまったり、イジメにあったり、自尊心の低さから不登校や引きこもりに至ることも考慮して支援に当たる必要があります。

チックの原因は解明されていません。しかしながら、不安や緊張、興奮などの状態にあるとき、チックの発現が増加することがわかっています。

発現のきっかけとしては、目の疲れにより瞬きが増え、それがチックとして定着したと語られるケースや幼少期に何となく首に力を入れることを続けていたらチックに発展したと語られるケースもあります。また、幼少期の物心がついたときには発現していたというケースもあります。

トゥレット障害

トゥレット障害は、運動チックと音声チックが両方あって、同時に発現したことがある状態を指します。その状態が1年以上にわたり持続し、発症は18歳未満とされています。

【DSM−Ⅴ】

  • 多彩な運動チック、および1つまたはそれ以上の音声チックの両方が、同時に存在するとは限らないが、疾患のある時期に存在したことがある。
  • チックの頻度は増減することがあるが、最初にチックが始まってから1年以上は持続している。
  • 発症は18歳以前である。
  • この障害は、物質(薬物など)の生理学的作用または医学的疾患(ウイルス性脳炎など)によるものではない。

持続性(慢性)運動チックと音声チック

持続性(慢性)運動チックと音声チックは、トゥレット障害と同様、1年以上にわたる持続性と18歳未満の発症が記載されています。運動チックと音声チックどちらかが発現している状態を指します。

【DSM−Ⅴ】

  • 1種類または多彩な運動チック、または音声チックが病期に存在したことがあるが、運動チックと音声チックの両方がともにみられることはない。
  • チックの頻度は増加することがあるが、最初にチックが始まってから1年以上は持続している。
  • 発症は18歳以前である。
  • この障害は物質の生理学的作用または他の医学的疾患によるものではない。
  • トゥレット障害の基準を満たしたことがない。

暫定的チック障害

暫定的チック障害は、運動チックや音声チックが、単独もしくは両方が1年未満の持続期間で起こる状態を指します。つまり、症状の発現から1年持続していない場合は、暫定的チック障害とされ、1年以上持続する場合は、トゥレット障害もしくは持続性(慢性)運動チック障害/音声チック障害と診断されるわけです。

【DSM−Ⅴ】

  • 1種類または多彩な運動チックおよび/または音声チックがある。
  • チックの持続は最初にチックが始まってから1年未満である。
  • 発症は18歳以前である。
  • この障害は物質の生理学的作用または他の医学的疾患によるものではない。
  • トゥレット障害または持続性(慢性)運動または音声チック障害の基準を満たしたことがない。

他の特定されるチック障害

他の特定されるチック障害とは、チック障害の要件を完全には満たさない場合かつ神経発達症の診断基準の中のどの疾患の基準も完全には満たさない場合に特定されます。

他の特定されるチック障害は、上記のどちらも完全に満たされないが、チック症状がみられ、他の理由を記録することができる場合に診断されています。

特定不能のチック障害

特定不能のチック障害は、チック障害や神経発達症の診断基準が完全に満たさないが、臨床家がその理由を特定しないことを選択する場合に使用されます。いわば、診断するのに十分な情報がない場合に「特定不能」とすることです。

引用文献

  • DSM−Ⅴ 精神疾患の分類と診断の手引「チック症群」