高次脳機能障害【公認心理師試験対策】
高次脳機能障害とは
高次脳機能障害とは、脳梗塞や脳損傷に起因する認知障害の総称で、失語、失行、失認が増え、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会行動障害が起こります。
高次脳機能障害は、頭部への外傷による急性硬膜外血腫や脳出血、くも膜下出血、脳梗塞や脳手術の直後、低酸素脳症や脳腫瘍、てんかんなどが原因になることがあります。
■脳血管性認知症の症状にも高次機能障害がみられます。
高次脳機能障害の症状
高次脳機能障害とは、①記憶障害、②注意障害、③遂行機能障害、④社会行動障害、などにより日常生活や社会生活に支障がある状態を指します。
①記憶障害では、同じことを何度も質問したり、物の置き忘れや持ち忘れをしたり、新しいことを記憶できなかったりします。
②注意障害では、集中力がなくなり、ボーとしている時間が増えたり、ミスが増えたりします。長い作業は難しくなります。
③遂行機能障害では、計画を立てることが難しく、他者に計画的に遂行することをお願いされても、その通りに遂行することができません。時間や予定どおりに動くことが難しくなります。
④社会的行動障害では、他者の気持ち共感することが難しく、自己中心的な言動が増えます。イライラや興奮が増え、衝動的な暴力や介護拒否を起こすことがあります。
■高次脳機能障害は、全て症状が出現するわけではなく、脳の損傷部分に伴って、まばらに出現します。
脳の損傷部分による症状
脳は機能に伴い、前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉の4つに分けられています。
前頭葉の損傷
- 他者の気持ちに共感できない。
- 他者の話を聞けない。
- 言動にこだわりがみられる。
- 思いやり、気遣い、優しさがなくなる。
- 注意力、集中力、計画性がなくなる。
- 抑うつ状態になりやすい。
頭頂葉の損傷
- 場所の見当識障害がみられる。
- 衣服を正しく着用できない。
- 迷子になる。(施設内や病院内、家の中でも)
側頭葉の損傷
- 物覚えが悪くなる。
- 約束や予定を守れない(忘れてしまう)。
- 数分前のことを思い出せない(忘れてしまう)。
後頭葉の損傷
- 文字の認識ができない。
- 話(文脈)が理解できない。
- 人や物の名前が出てこない。
- 本来、わかるはずの言葉の意味がわからない。
- できていたはずの簡単な計算ができない。