記憶とは(感覚記憶、短期記憶、長期記憶)【公認心理師試験対策】

2021年3月20日

記憶とは

記憶は『①記名(符号化)』→『②保持(貯蔵)』→『③想起(探索)』という過程で扱われます。

記憶を保持させるためには、リハーサルが必要です。リハーサルは繰り返し(反復)をして、忘却を防ぐことです。リハーサルには、短期記憶を保持するための維持リハーサルと長期記憶にするための精緻化リハーサルがあります。

■「思い出せない」という状況は、想起(探索)ができないだけでなく、記名や保持、リハーサルができていないという場合もあります。

記憶の種類

記憶には、大きく分けて「感覚記憶」「短期記憶」「長期記憶」の3つがあります。

感覚記憶

感覚記憶は、視覚、聴覚、嗅覚、触覚、痛覚など感覚器官によって刺激を受けた場合に、瞬間的に保持される記憶です。

短期記憶

感覚器官で刺激を受けたあと、数秒から数十秒ほど保持される記憶です。

長期記憶

感覚器官で刺激を受けたあと、数分から最長で一生まで半永続的に保持される記憶です。

長期記憶には、宣言的記憶と非宣言的記憶があります。宣言的記憶には「エピソード記憶」と「意味記憶」、非宣言的記憶には「手続き記憶(連合学習)」「プライミング」「レスポンデント条件づけ」「非連合学習」があります。

宣言的記憶を詳細に

宣言的記憶には、エピソード記憶と意味記憶があります。宣言的記憶は「陳述記憶」とも言われるように、文章にして説明できるような記憶のことを指しています。

エピソード記憶

エピソード記憶は、体験と結びついている記憶で、「いつ体験したのものか(時間的文脈)」や「どこで体験したものか(空間的文脈)」と関連して保持されます。

意味記憶

意味記憶は、知識として説明できる記憶で、漢字や熟語の意味、物事の歴史など「〇〇は□□という意味です。」と説明できるように保持されます。

非宣言的記憶を詳細に

非宣言的記憶は、手続き記憶、プライミング、レスポンデント条件づけ、非連合記憶があります。非宣言的記憶は「非陳述記憶」とも言われるように、文章にして説明できない(しづらい)記憶のことです。

手続き記憶

手続き記憶は、ボールの投げ方や歯磨きの仕方など運動や習慣として身についていて、ほぼ無意識的な行動の背景にある記憶のことです。

プライミング

プライミングは、先行刺激が後続刺激に影響を与える現象のことです。「10回クイズ」で例をあげると、「ピザ」を意識づけたあとの問で、肘を「ヒザ」と言い間違えるように、先入観が反応に影響しているわけです。

レスポンデント条件づけ

レスポンデント条件づけは、無条件刺激に中性刺激を対提示することで条件反応が示されるようになることです。

イヌにエサ(無条件刺激)を与えると唾液が出ます。このイヌにエサと同時に刺激音(中性刺激)を与えます。すると、イヌは刺激音を聞いただけで唾液を出すようになります。これが条件反応です。

非連合記憶

非連合記憶は、単一の刺激を継続的に提示されることで行動変化が起こる記憶のことです。