錐体外路症状『アカシジア』【公認心理師試験対策】

2021年3月20日

■この記事の著者は、医師ではありません。あくまで資格試験の対策にご利用ください。

アカシジア

アカシジアとは、ドーパミンD2受容体に拮抗作用がある抗精神病薬の副作用で現れる静座不能症状のことです。公認心理師試験では、錐体外路症状の一つとして出題されています。

■錐体外路症状とは、大脳基底核に関連する筋緊張低下や筋緊張亢進によって身体が思うように動かせなくなる症状のことです。

アカシジアの症状

身体症状としては、下肢にむずむずした感覚があり、じっとしていられなくなります。立ち姿勢を維持することが困難になることもあります。下肢の小さな動き、不必要な足踏み、頻繁な姿勢変更、目的のない徘徊などをせずにいられない状態が続きます。

他の症状としては、心拍数の増加、息切れ、不安、イライラなども見られます。身体症状に伴って、焦燥、不安、不眠などの精神症状が出ることもあります。

アカシジアの原因

アカシジアは、主に抗精神病薬の副作用として現れますが、公認心理師試験では「オピオイド薬の離脱症状」「セロトニン症候群」「ベンゾジアゼピン薬の離脱症状」「アルコールの離脱症状」としても憶えておきましょう。

オピオイドというのはケシという植物から作られる薬で、アメリカではオピオイド薬の離脱症状による自死などが問題になっています。オピオイドとオピオイド受容体が結合することで神経伝達の働きが鈍くなると言われています。

セロトニン症候群は、抗うつ薬を服用することにより脳内のセロトニン濃度が過剰になることです。抗うつ薬は、セロトニンの再取り込みを阻害するものです。

ベンゾジアゼピン薬は、副作用の中に筋弛緩がありますが、副作用が強いことが指摘されています。離脱症状も強力とされています。

アカシジアの種類

アカシジアは、急性アカシジア、遅発性アカシジア、離脱性アカシジア、慢性アカシジアに分類されます。

急性アカシジアは、薬の投与開始時や増量後、中止後6週間以内に現れるアカシジアのことです。

遅発性アカシジアは、投与開始後3か月以上経ってから現れるアカシジアのことです。

離脱性アカシジアは、薬を継続的に3か月以上服用しており、その中断により6週間以内に現れるアカシジアのことでする。

慢性アカシジアは、症状が3ヶ月以上続くアカシジアのことです。

アカシジアの治療

副作用としてアカシジアが発現した場合は、薬の量を減らすことが推奨されています。また、離脱症状としてアカシジアが発現した場合は、そのまま服用を中断し、症状が治まるのを待つことが推奨されています。

公認心理師試験対策

公認心理師試験では、問題文や選択肢に使われる言葉が難しいです。表面的な理解にとどめず、専門用語にも慣れていきましょう。

確認問題

  • ①アカシジアは、錐体外路症状の1つである。(○or✕)
  • ②アカシジアは、抗精神病薬の副作用として起こる。(○or✕)
  • ③服薬を始めて6ヶ月後に発現するアカシジアを遅発性アカシジアという。(○or✕)
  • ④離脱症状としてのアカシジアは、ベンゾジアゼピン薬やアルコールが原因であることがある。(○or✕)
  • ⑤アカシジアは、筋緊張低下や亢進があり、足にむずむずした感覚が発現する。(○or✕)