不安を測定する尺度┃STAIとMASの特徴【公認心理師試験対策】
STAI(状態ー特性不安検査)
STAI(State−Trate Anxiety Inventory)とは、Spielberger,C.D.が作成した尺度で、『不安』を「状態不安」と「特性不安」に分けて測定するのが特徴です。
■状態不安とは、ある状況下において一時的に感じる不安のことです。一方、特性不安は、不安の感じやすさ、不安になりやすい個人的傾向のことです。
状態不安が20項目、特性不安が20項目の合計40項目で構成され、4件法で回答します。得点が高いほど、不安が強い、不安を感じやすい、ということを示しており、55点以上で不安障害の可能性が疑われます。
MAS(顕在性不安尺度)
MAS(Manifest Anxiety Scale)は、Taylor,J.A.が作成した尺度で、特性不安のみを測定します。
MASは、MMPI(臨床尺度と妥当性尺度から構成された尺度で、様々な臨床状態が測定できる。)の妥当性尺度を含んでいることが大きな特徴です。
MMPIでは、4つの妥当性尺度がありますが、MASでは、L尺度のみを用いています。
不安尺度が50項目、L尺度が15項目の合計65項目で構成されています。回答は「そう」「どちらでもない」「ちがう」の3件法で、「どちらでもない」が10点以上になる場合、優柔不断などが考慮され、回答の信頼性を疑います。また、L尺度は、11点以上で妥当性が低いことを疑います。
不安尺度の得点が高いほど、不安になりやすい特性であることが分かります。
公認心理師試験対策
STAIやMASのように見ただけでは検査の内容が分からない心理検査は、選択肢含まれやすいです。また、MASがMMPIの尺度を使っている点も特徴的で、出題されやすいと言えます。同じ不安を測定する尺度でも、特徴が全然違うので、セットで憶えることを心掛けましょう。
確認問題
- ①MASは、状態不安を測定する尺度である。(○or✕)
- ②MASは、MMPIの妥当性尺度を用いている。(○or✕)
- ③STAIは、特性不安を測定する尺度である。(○or✕)
- ④STAIにおいては、「どちらでもない」の回答が多い場合、回答の信頼性を疑う。(○or✕)