なぜ親は兄弟姉妹を比較するのか【親の自尊感情に着目して】

2020年11月23日

こんにちは。中津です。

今回は、「なぜ親は兄弟姉妹を比較するのか」というテーマでお話していきます。

なぜ親は兄弟姉妹を比較するのか

皆さんは、自尊感情という言葉をご存知ですか?自尊感情は、自分の特性や個性といった自分に向けられる尊厳を大切に扱おうとする際に生じる感情のことです。

自尊感情の当初の研究では、自尊感情が高い状態だと精神的に健康であり、自尊感情が低いと精神的に不健康であるとされてきました。

しかし、近年では、自尊感情が高すぎる場合は、完璧主義や自己愛性パーソナリティ障害との関連が示されています。これは、自尊感情と心の健康において、高すぎる場合においても健康とは言えないとの指摘です。これを兄弟姉妹を比較する親に当てはめてみましょう。

親の自尊感情が低い場合、自分の子育てに自信がなく、また経済的な問題、周囲の支援がない場合などにおいて、子育てが不安定になるとされています。兄弟姉妹の一人が良い基準となり、その子を基準に比較され、劣っている別の子に対して、育児の失敗と感じたり、嫌味や小言という非合理な方法で勉強を強制するなど、無理な教育を施してしまうことがあります。

親の自尊感情が高すぎる場合、自分の育児や尊厳を否定されたくない気持ちが強く、成績の悪さや学歴などを子どもの責任として、追い詰めてしまうことがあります。成績の良い子は自分のおかげ、成績の悪い子はその子のせい、という状況が作り出され、これが兄弟姉妹の比較に繋がります。

以上のように、親が兄弟姉妹を比較する理由の一つとして、自尊感情が関わっていると言えます。これらは、研究では示唆されるに留まり、確かな結果が出ていないものもありますが、劣等感に苦しむ子どもたちの話を聞くと、親の自尊感情の低さが顕著なエピソードが話されることが非常に多いです。

例えば、「離婚して変わってしまった」「親がリストラされて学歴にうるさくなった」などです。

自尊感情との関連とは別ですが、「親の再婚相手が厳しい。それにつられて親も厳しくなった」という環境の変化が影響するケースもあります。これももとを辿ると、再婚相手の自尊感情が低かったりもしましたが……

比較による劣等感は大人になっても続く

劣等感は、強い感情です。中学生で抱いた劣等感が、青年期の心の発達を妨げ、大人になってもなお苦しみ続ける人も多いです。それもそのはず、自分が本来、愛されるべき親から比較され、自分の価値を見失うわけです。心の負担は大きいです。

稀に親に比較されることが悔しくて、頑張って勉強した結果、良い大学に入って、良い会社に入ることができたという成功話を聞くことがあります。しかし、僕の感覚では、ごくごくわずかだと思いますし、この裏ではネガティブな感情が隠れていたり、親子関係の縁が切られていたり、本当に幸せになれたかというと些か疑問です。

それよりも、「自分らしく生きる」方が幸せだとも思います。勿論、生き方への価値観は人それぞれです。劣等感を力に変えて頑張れる人もいると思います。

ただ、この記事を読んでくださった兄弟姉妹、その保護者の方、もう一度、「これでいいのか」と考えてみてください。保護者の方は、自分の自尊感情を考慮して、子どもに悪い影響がないか、よく考えてみてください。僕の願いは、「良い親子関係であってほしい」これのみです。

最後に

僕は親になったことがないので、保護者の皆さまの大変さや苦労は、想像できない部分があります。あくまで、支援者としての一考察として受けとっていただいて、何かしらの参考になれば幸いです。