もし、子どもが不登校になったらどうすればいいのか【保護者の方へ】
こんにちは。フリースクールCOZYです。
今回は、何かしらの理由があって、不登校の状況にある子どもの保護者の皆様に向けて、僕の考えを提案したいと思います。保護者の視点で考えたとき、子どもが不登校になったら、心配にもなるでしょうし、焦りも感じるでしょうし、子どものために情報を集めようと考えていらっしゃることとご察しします。本記事は、自身が運営しているフリースクールの紹介は控えめに、できる限りの優良な情報をお伝えできればと思います。
不登校になる理由はネガティブなことが多い
不登校の理由は、子どもによって様々ですけど、基本的にはネガティブな理由です。
- 友達と喧嘩して学校に行きづらくなった
- いじめにあった
- 無気力
- 学校生活が辛い
- 起立性調節障害などの障害により通うことが難しい
- 先生に怒鳴られて行けなくなった
他にも理由はあると思いますが、思いつくのは子どもにとってネガティブな理由が多いです。たまに、「学業の必要性を感じないから意図的に学校に行かない」という選択をする子もいるようですが、これも「学校に行かない代わりに何をするか」がとても重要ですよね。
僕が、個人的に思うことは、学校に行かない場合(不登校を選択した場合)に何をするかによって、今後の人生を上手く生きていけるかどうかが変わってくると思っています。そして、保護者の方が心配するのは、子どもの将来のことではないでしょうか。
例えば、不登校になったけど、自宅で必死に勉強をして、高卒認定をとり、大学に進学したとなれば、環境を問わず自分の勉強スタイルを貫いて頑張って、その成果が出ているわけです。じゃあ、進学しない引きこもり型の不登校はどうなんだ?引きこもり型の不登校は、長期化してしまうと成人したあとも、その状態が続くとされています。しかし、状況として「引きこもり」なだけで、それが悪いとは思いません。家から出なくても、今の時代、ネットを駆使して利益を生み出すことができます。ただ、健康を考えると、外に出て、人と会ったり、遊んだりした方がいいのかなとは思います。
要するに、将来、一人立ちして生きていくための準備ができれば、不登校だろうが引きこもりだろうが、それで良いのではないかということです。保護者の方からすると、なんとなく学校に再登校させるだけが方法ではないと理解されているでしょうけど、学校に属して、一般的な方法で進学して、就職していくような、レールから外れることは心配になりますよね。そう考えると、「学校に行きなさい」「頑張って学校に行ってみよう」といいたくなる気持ちはよくわかります。しかしながら、不登校に至った子どもたちは、ほぼ間違いなく心に傷を抱えています。もしくは心の疲労があります。この点については、慎重に扱っていかないといけません。
不登校を選んだあとの生き方を模索する
ネガティブな理由で不登校に至ってしまった子どもは、心の傷や疲労があり、直ぐに前向きに頑張りだすことは難しいでしょう。まずは心の状態を整えたり、回復させたりすることに専念したほうがいいと思います。しかしながら、心の発達が未熟な小中高生の子どもが自らの心を理解して、整えようとするのは、とても難しいことだと思います。
そこで必要なのは、理解してくれる大人や仲間の存在です。一緒にいて、学校に行くことを強制せずに不登校であることを認めてくれたり、やりたいことを挑戦させてくれたり、このような見守る姿勢でいることがとても大切です。さらに良い支援は何かと考えると、子どもが考えた「将来」に必要な道筋を立てることができるなどの専門的な知識に基づいた支援ができれば最高です。しかしながら、なかなか適した人には巡り会えないので、その専門性を持った人を紹介したり、情報を与えたりすることも、素晴らしい支援だと思います。学校心理学の領域では、これを情報的サポートといいますが、これにより前向きな感情が大きくなると示されています。
身近な大人といえば、保護者の皆様ですが、親と子の間柄で、子どもにとっては話しづらいこともありますし、保護者様が持つ専門性は子どもの求めるジャンルではないかもしれません。そこで、先程の情報的サポートが役に立ちます。子どもの話を聞いて、やりたいことがあるのであれば、一緒に情報を集めてみてください。情報的サポートでは、「情報を与える」だけではなくて、「一緒に情報収集する」ことも大切なのです。一緒に情報を集めることで、親子間の連帯感が生まれ、互いに情報を精査し合うことができます。そして、得た情報をきっかけに「これなら始められるかも」「やってみようかな」と子どもが思ってくれたら、大きな一歩を踏み出すことができるかもしれません。
学校というレールから外れると大変?
実際には、自分の子どもを否定せず支えているつもりでも、「不登校になったら、そのあとが大変になるのではないか」と心配されている保護者様は多いと思います。確かに全体的に見れば、少数に属するわけですから、大変なイメージはあると思います。そして、公的な恩恵を受けづらくなることもあるでしょう。例えば、授業を受けられない、推薦で進学できない、学校での体験活動ができない、社会性を育む場所がない、など、その意味ではレールから外れているかもしれません。
しかし、小中学生においては、学校というレールから完全に外れているわけではありません。進学の支援や学習支援は、申し出れば受けることができます。学校によって支援の体制が整っていない場合もありますが、努力してくれるはずです。また、市区町村には適応指導教室という不登校の小中学生が通うことができる公的な教育機関があります。こちらは、公教育との連携ができ、出席扱いにもなります。
高校生においては、義務教育ではないので、学校に属していなければ、レールからは外れることになります。いわば、独立状態です。一方で、全日制でなくても、通信制や定時制、フリースクールといった選択肢はあります。
フリースクールは、2009年から小中高の出席扱いが認められるようになりました。しかし、これには条件があり、所属する学校の校長が適切と認めた場合かつ保護者との連携が取れることが条件となっています。長年、活動しているフリースクールの中には、文部科学省や教育委員会から出席日数にカウントすることを認められているフリースクールもあります。(※当、フリースクールは2020年10月の現在では、こうした出席日数に含まれるような認証を得られておりません。)これを考慮すると、既に前例を持っているフリースクールを選ばれると良いと思います。この出席扱いの制度を利用するためには、学校との連携が不可欠ですので、高校であっても、すぐに除籍されずに学校に問い合わせて、検討してください。また、通信制や定時制への転学手続きも籍のある学校に相談して、適切に繋いでもらった方がスムーズかつ単位が引き継げたりする場合もあるので、除籍する際は慎重に考えてください。
これらを考慮した上で、なお学校やフリースクールに属さない場合は、自分自身で勉強したり働いたりして生きていくことになろうかと思います。選択肢はいくつかあります。知り合いの会社で働かせてもらう、高等学校卒業程度認定試験に合格して進学する、アルバイトやパートから正社員を目指す、ブログアフィリエイトやyoutuberといった宣伝広告で稼ぐ、モデルや芸能関係の職につく、企業して自ら働き口をつくる、などです。どれも相当に能力が求められます。ここで、考えるべき点は、学校における教科の勉強ではない部分の知識やスキルが必要になっていることです。もしかすると、学校で学習することが活きることはあるかもしれませんが、大部分は学校では教えてもらえないことです。接客の仕方、ブログの書き方、撮影時の歩き方、企業の仕方、など学校では教えてもらえません。では、学校でも教えてもらえないことを、どこで教わればいいのか。それは、まずは挑戦することです。誰かに教えてもらえることを期待するのではなく、まずは自分でできる範囲で調べてみることが大切です。そうすると、ある程度の道筋が見えてきます。できるかできないかは置いておいて、どうすれば前に進めるかが見えてきます。
賢い方法は、モデルや芸能関係の仕事であれば、専門の学校に通うこと(モデルの養成学校など)、企業やブログであれば、コンサルティングをやっている会社や個人経営をしている方がいるので、教えてもらうことです。ただし、どちらもお金がかかります。養成学校やコンサルティング会社などは、持っているノウハウを教えるわけですから、タダではありません。大きな実績を持っていて自信があるところほど、料金は高いと思っていいと思います。
話を戻します。上述のように、不登校を選択したとしても生きていく方法はいくつかあります。これが難しいかどうかは、挑戦する内容によりけりなので、言及できません。ただ、学校に行かないことでデメリットもあるでしょうけど、逆に学校ではできないことを早く始めることができるチャンスでもあります。それだけ時間があります。勿論、挑戦するためには、保護者の支援は必須といってもいいでしょう。大きなことに挑戦しようとすれば、それなりのお金がかかります。子どものアルバイト代だけでは足りないこともあるかと思います。また、自ら道を切り開いていくわけですから、精神的・身体的な負荷もあるでしょう。その点をどう支えていくのか、考えていただかなくてはいけません。
保護者の皆様が支援を考える際に、情報の得られづらさで困ることがあろうかと思います。不登校といえば、全体的に見れば少数ですので、情報共有できる保護者もまた少数となってしまいます。こう考えると、「凄く孤独な挑戦が始まる」と思われる方もいらっしゃいますが、実は不登校の保護者のコミュニティが全国にあります。各地域によって、多少の違いはあるかもしれませんが、同じように不登校の子どもがいて、悩んでいる保護者の方もいますし、過去に子どもが不登校だったという先輩の保護者の方もいらっしゃいます。もし、子どもが不登校を選択されたら、まずはコミュニティを探してみてください。インターネットのサイトやSNSでも盛んに活動されています。何らかの支援をいただけるでしょう。
不登校になったあとの選択肢
①保健室登校
子どもが不登校になったら、まずは保健室登校を検討してみてください。起立性調節障害や社交不安障害、パニック障害などが不登校の要因になっている場合やクラスの友達と上手くいかないことが要因になっている場合は、保健室登校を学校に承認してもらえることができれば、学校に登校することができるかもしれません。保健室には、養護教諭や養護助手の先生が常駐しています。学校の先生の体制にもよって、保健室登校ができない学校もありますが、保健室登校ができるということは、子どもにとってはいつでも安心できる先生がいて、場所があるということなので、悩みがあっても「先生に話したい」と頑張って学校に行こうという元気が湧いてきます。これは僕の知り得る範囲の話ですが、特に女子児童生徒は、保健室登校が定着しているように感じます。男子児童生徒は、養護教諭は女性の先生であることが多いので、女性の先生に弱みを見せたり頼ったりすることに抵抗があって、保健室登校が定着しづらいように感じます。
②適応指導教室
適応指導教室は、市区町村に設置された教育支援の公的な機関です。主に不登校の小中学生が通うことができる施設です。活動内容は、「自由な時間(遊びなど)」「学習の時間」「運動の時間」など学校のカリキュラムとは異なった形になっています。基本的には、学校に再登校することを目的としています。とはいえ、無理に登校させようとはしないと思います。不登校になった子どもの居場所として機能して、自己肯定感を高めるような関わり方をしてくれます。支援員は、教員であることが多いです。また、臨床心理士の方が非常勤でいたりして、子どものカウンセリングや保護者への教育相談を実施してくれます。多少、市区町村で違いがあるかもしれませんが、おおよそはこの説明のとおりだと思います。僕も大学院生のときにボランティアで行かせてもらっていました。僕のように教育や心理学を勉強している学生がボランティアで出入りしていたりして、子どもにとってはお兄さんお姉さんのような存在で仲良く活動に参加させてもらっていました。イベントもあって、山登りやバーベキューをしたり、動物園にも行きました。料金は無料で、学校との連携が取りやすいので、学校に籍を残したまま出席扱いにもなるので、保健室登校ができなかったり、合わなかったりする場合は、検討されるといいと思います。子どもたちは、何かしら心の傷や疲労があるので、お互いに共感し合いながら、良い刺激にもなると思います。
③フリースクール
最後は、フリースクールです。その前に、小中学生は適応指導教室に通うことができますが、高校生は通うことができません。高校生が不登校になった場合は、まずは通信制高校や定時制高校を検討してみてください。編入するときに、高校で取得した単位を引き継ぐことができることもあります。例えば、普通科高校から普通科通信制に編入する場合は、単位を取得している分は引き継ぐ事ができると思います。ただし、工業高校から普通科通信制に編入すると、工業高校では普通科とは授業の内容が異なりますから、単位を取得していても認められないことがあります。定時制は、夜間の学校です。全日制の生徒が放課になり、部活動をしているくらいの時間に登校して、授業を受けます。
話を戻しまして、フリースクールです。通信制や定時制に通える子どもは、言ってしまえば、心の負担が軽減してきて、前に進もうとするだけの余裕ができてきた子たちです。もし、通信制や定時制にも通うことが難しい場合は、フリースクールを検討してみてください。また、小中学生でも市区町村に数ヶ所しかない適応指導教室は、遠くて通わせることができないことが考えられます。その場合、近くにあって通いやすいフリースクールを検討してみてください。この「通いやすい」というのは、とても大切です。不登校になって、心が疲労している状態(抑うつ状態)だと、動き出すことが億劫に感じます。今から電車に乗っていくとなると、身体が重たく感じるのです。しかし、通いやすいと、ちょっとだけ踏ん張れば、行くことができたり、親の送り迎えがあったら行けるといった具合に活動がしやすくなります。
フリースクールは、各フリースクールによって活動内容が異なります。僕の運営するフリースクールの場合は、開校している時間ならいつ来てもいつ帰ってもいいです。また、活動内容も子どもが決めます。ゴロゴロしていても遊んでいても勉強していてもいいです。子どもの心の状態を回復、成長させることが第一で、次は目標をみつける、目標を達成するために勉強をする、というように段階的かつ子どものペースで支援していきます。フリースクールは、NPO法人や個人経営の場合が多く、公的な機関でないため、運営にお金がかかることから、月謝制で費用を支払うことが多いです。僕が調べた限りでは、安くて30000円、高くて70000円くらいだと思います。保護者の方からすると、なるべくお金はかけたくないこととご察ししますが、塾や習い事をさせたり、私立の学校に通わせているような感覚で、子どもと相談して検討されるといいと思います。
小中学生で適応指導教室にも通うことができるけど、もっと人の少ないところがいいと思う子どもにとっては居場所として定着しやすいと思います。アットホームな雰囲気で運営されているところが多いですし、不登校の経験がある支援員がいたりすることもあります。その点は、ホームページを見て、情報を得てください。個人的に、フリースクールの良いところは、小学生〜高校生がいて、歳の異なる子どもが日常的に交流することができることだと思います。例えば、高校生が小中学生の勉強をみるなど世話をしてくれたりすると、小中学生はお兄さんお姉さんがいる感覚で喜ぶでしょうし、高校生にとっても年下の子どもたちから慕われて自己肯定感が高くなったり、相互に良い影響があるのではないかと思います。COZYでは、今は中学生と高校生を対象としていますが、これは小学生に通ってもらうのが不安だからです。保護者の方が送迎できたり、家が近かったりする場合には、小学生も受け入れたいなとは思っています。
【最後に】COZYができること
当、フリースクールができることを考えてみます。正直に言って、「これができる!」という自信のあることはありません。僕の経験が子どもたちにとって、どれほど役に立つものなのか、やってみないとわかりません。とはいえ、じゃあなぜフリースクールを開業したのかというと、学校現場で不登校の子どもに接し、何とかしてあげたいと思ったからです。この何とかしてあげたいというのは、何も上から目線で言っているのではなくて、当時の子どもが困っていたからです。学校に居たいけど、学校に通えない。そんな矛盾した状況がとても苦しそうに感じとれました。その子にとって、学校という皆がいる場所に戻りたかったのかもしれませんが、そうもいかずに…という状況でした。
僕としては、学校に行くことができなくなってしまった子どもたちは、ずっと自宅にいて、目的もなく休んで、寂しくて、心が疲れていって、そんな悲しい気持ちを何とか一緒にいて、和らげられないものかと考えた結果が、「フリースクールという居場所を作ろう」だったのです。
どうしても開業したばかりは、自分の経験不足もあり、活動しづらい部分も支援しきれない部分もあろうかと思いますが、何かを一緒に始めるということには、行動力が活きると自負しています。塾みたいな形で勉強に集中してもいいですし、料理をしたり、映画を観たり、PCの勉強や、それこそアフィリエイトに挑戦してもいいと思っています。2LDKで広いスペースとは言えませんが、子どもたちの興味のあることを一緒に調べて、挑戦して、少しずつ活動が広がっていって、というのも楽しいかなと思っています。もし、子どもの人数が増えて、入校希望者も増えて、という状況になったら、引っ越しして、もっと広い場所で活動も増やして、みたいにできたらいいなと思っています。
ただ、経営も初心者ですので、上手く行かずに…などのご不都合をおかけすることもあろうかと思います。正直にいって、松阪市には適応指導教室がありますし、津市にはNPO法人のフリースクールもあります。そちらも検討していただいて、その後の選択肢でも来ていただけると嬉しいです。また、教育相談やカウンセリングも行っていますので、そちらのご利用もしていただけたらなと思います。僕の強みは、元教員で、心理学を勉強してきたことです。学校のシステムや内情のようなことには、そこそこ詳しいと思っています。
本当は宣伝をしたいのですが、あまり宣伝になりませんでした。というより、まずは子どものことを一番に考えていただいて、保健室登校、適応指導教室、通信制・定時制などをご検討の上、それでもCOZYを選んできていただけるようになっていきたいと思います。まだまだ始まったばかりですので、日々精進していきたいと思います。
今日のところは、これで終わります。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!長々とお話させていただきましたが、少しでも保護者様の力になれれば幸いです。それでは、よい親子生活を送ってくださいね。Twitterもやってますので、よろしければフォローをお願い致します。また、Instagramも始めましたので、こちらもお願い致します。(いまいち使い方がわかりません…)DMから入校相談、カウンセリングの予約ができますので、ぜひご利用ください。