【公認心理師試験対策】乳幼児の心理検査・発達検査【よく出る】
遠城寺乳幼児分析的発達検査
作成者:遠城寺宗徳
対象者:0〜4歳8ヵ月
尺度構成(3分野6領域)
遠城寺乳幼児分析的発達検査は、「運動・社会性・言語」の3分野の質問項目があり、「移動運動・手の運動・基本的習慣・対人関係・発語・言語理解」の6つの領域で診断します。
津守・稲毛式 乳幼児精神発達診断
作成者:津守真と稲毛教子
対象者:0〜7歳
特徴と構成
0~3歳用(家庭生活で示す行動を見る)と3〜7歳用(幼稚園などで示す行動を見る)があります。「運動・探索・社会・生活習慣・言語」の5つの領域で精神的発達を診断します。母親(または、主な養育者)に乳幼児の発達状況について回答してもらいます。
新版K式発達検査2001
作成者:京都市児童院
対象者:0歳〜成人
特徴と構成
発達障害のスクリーニングや心理発達の状況を見るために使用されます。Gesell,A.、Binet,A、Bűhler,C.の尺度項目を採用しているのも特徴的です。全328項目あり、時間のかかる検査です。現在は、2020版が作成されています。
以下を算出します。
- 全体の発達指数(DQ)と発達年齢(DA)
- 姿勢・運動(P-M)の発達指数と発達年齢
- 認知・適応(C-A)の発達指数と発達年齢
- 言語・社会(L-S)の発達指数と発達年齢
K-ABC−Ⅱ
作成者:カウフマン夫妻
対象者
- 2歳6ヵ月〜18歳11ヵ月(日本版)
- 3歳0ヵ月〜18歳11ヵ月(アメリカ版)
特徴と構成
Kaufman Assessment Battery for Childrenの略です。Luria理論とCHC理論がもとになっています。構成は、認知尺度と習得尺度に分かれています。認知尺度は、順次、同時、学習、計画の4尺度、習得尺度は、語彙、読み、書き、算数の4尺度です。(アメリカ版は、習得尺度がありません。)
田中ビネー知能検査V
作成者:Binet,A.とSimon,Th.→田中寛一(日本版)
対象者:2歳〜成人
特徴と構成
2歳〜13歳は精神年齢(MA)と生活年齢(CA)の比から知的指数(IQ)を算出します。14歳以上は偏差知的指数(DIQ)を算出でき、結晶性、流動性、記憶、論理推理の4つの領域も算出できます。
■「田中ビネー」と名前が連なっていますが、共同研究ではありません。ビネー検査を田中寛一が日本版に標準化させたのが、田中ビネー知能検査です。
WPPSI−Ⅲ(ウィクスラー幼児用)
作成者:Wechsler,D.
対象者:2歳6ヵ月〜7歳3ヵ月
特徴と構成
2歳6ヵ月〜3歳11ヵ月と4歳0ヵ月〜7歳3ヵ月で分かれています。2歳6ヵ月〜3歳11ヵ月版は、全検査IQ(FSIQ)、言語理解指標(VIC)、知覚推理指標(PRI)、語彙総合得点(GLC)の4つが算出できます。4歳0ヵ月〜7歳3ヵ月版は、この4つに加えて、処理速度指標(PSI)が算出できます。
公認心理師試験対策
公認心理師試験では、事例問題では、子どもの年齢や主訴(検査目的)が表記されている場合があり、対象者の年齢に応じた検査を選択肢から選べるようにしておきましょう。
事例問題は、配点が3点で、ここで得点したいところです。発達検査の得点のみ記載されていて、それに対するアセスメント(見立て)を問われる問題が1問は出題されています。難易度が高い問題ですが、山を張りやすい部分でもあるので、得点を目指しましょう。
確認問題
- ①保護者が2歳4ヵ月の子どもを連れて、「手足の動きが年齢相応よりも未熟だと感じる。発達検査を受けたい。」と来談した。どの検査を選べばよいか?
- ②Luria理論とCHC理論をもとにした検査は何か?
- ③田中ビネー知能検査は、田中寛一とビネーの共同研究により作成された。(○or✕)