キューブラー=ロスの「死の受容過程」【公認心理師試験対策】

2021年3月21日

キューブラー=ロス(Kűbler-Ross,E.)は、200人もの死期が近い患者に接する中で、5段階の特徴的な心理プロセスがあると示しました。これは、「死にゆく過程」や「死の受容過程」として、看護や介護のターミナルケアの視点で、考慮されています。

死にゆく過程

キューブラー=ロスの「死にゆく過程」では、死期が近い患者は、『①否認→②怒り→③取り引き→④抑うつ→⑤受容』のプロセスを辿るとされています。

①【否認

医師から余命宣告を受けると、それが信じられず、認めることができません。

②【怒り

大病を患った場合、「本当に死ななければならないのか」、「何で自分なのか」と行き場のない怒りを抱きます。

③【取り引き

生と死の間で、生かしてくれるよう取り引きを考えます。神や仏のような非現実的なものにもすがる思いを抱えます。

④【抑うつ

避けようのない現状に不安と恐怖を感じ、何も考えたくない、抑うつ状態に至ります。

⑤【受容】

悩んだ末、死を受け入れ、最期に幸せを願うようになります。生への希望は薄れ、人生を顧みようとします。

公認心理師試験対策

公認心理師試験では、選択肢から選ぶ問題であるため出題しにくい部分だと思います。もし、出題されるとしたら、事例問題での応用だと思います。ですので、キューブラー=ロスは「死にゆく過程」ということ、あとは「死にゆく過程」の順序です。選択肢が書かれていても、順序どおりに並んでいると限りません。

確認問題

■患者A(43歳男性)は、一流企業の妻子あるサラリーマンである。順風満帆な人生を歩み、昇進が決まったことから、お祝いとして家族旅行を楽しんだ。しかし、会社の健康診断で異常がみられ、再検査したところ、膵臓癌であることが判明した。細部に転移があり、医師から余命宣告を受けた。それから、しばらく経ち、病院の公認心理師Bに「妻や娘が心配で仕方ない。どんなことでもするから生かしてほしい。」と涙ながらに漏らした。

Aの「死の受容過程」を考えたとき、どの段階に当てはまるか、次の選択肢の中から答えなさい。

  • ①受容
  • ②否認
  • ③怒り
  • ④取り引き
  • ⑤抑うつ
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