教員を辞めたい!という方へ【おすすめの転職先 児童指導員】
教員を辞めたい!という方が増えています。
どうしても待遇の悪さがあるので、若い先生方は、自分の職業選択に迷いがあることと思います。僕自身、非正規教員でしたが、月平均の時間外勤務が170時間ほどあったため、身体を壊してしまい退職しました。やりがいはありましたけど、どうしても限界はありますよね。
僕は公認心理師という国家資格を取得したのち、児童福祉施設に転職したわけで、転職サイトを眺めた時間もかなりのものです。そんな経験から少しでも先生方の役に立てればと思い、記事を書かせていただきます。
学習塾への転職はアリか?
まず、先生方が真っ先に考えるであろう学習塾についての考察をお話いたします。
◆学習塾のメリット
- 教員に比べれば、労働時間が減る。
- 授業のみに集中できる。
- 学習意欲のある生徒に教えられる。
- 普通教科の教員は経験が活かせる。
◆学習塾のデメリット
- 給与や昇進が不安定になる。
- 労働日時が夕方から夜、土日の場合もある。
- 実績が重要になる。
- 副教科の教員にはハードルが高い。
- 公務員ではないので、福利厚生は劣る。
◎個人的な感想
僕は、専門教科が保健体育ということもあり、大学進学を目指す子どもの指導には自信がありませんでした。とはいえ、一応、大学院までの進学経験があるので、小中学生対象であれば、教えることができるというかんじです。ただ、労働日時を考えると、土日が潰れてしまうのは、教員とあまり変わらないと思ってしまいました。
おすすめの転職先
学習塾は自分には合わないと考えたので、次に考えたのは児童指導員です。
児童指導員とは、児童福祉施設で子どもたちの療育などをする仕事です。児童福祉施設には大きく2種類あります。
1つ目は、発達障害などがあり療育を必要とする子どもを対象とした放課後等デイサービスや発達支援センターです。
2つ目は、家庭の事情で親が育児できなくなった子どもを預かり、養育する児童養護施設や乳児院です。
子どもたちと遊んだり、勉強したり、自立活動を教えるという内容です。どちらかというと保育士や幼稚園教員の方が好まれる職業かもしれません。
僕は、特別支援学校で勤務したこともあり、授業をやるというよりは、子どもと触れ合いながら、活動することが好きだったので、こちらの方が向いていると思いました。
◆児童指導員のメリット
- 残業は、ほとんどない。
- 仕事がマニュアル化されていて、始めやすい。
- 子どもとの関わりが深い。
- おそらくストレスは半分以下。
- 教員免許があると優遇される。
◆児童指導員のデメリット
- 授業がしたい教員には向かない。
- 給与は下がる。昇進も不安定。
- 発達障害や心理面への理解、勉強が難しい。
- 子どもとの深い関わりが苦手だと向かない。
- 公務員ではないので、福利厚生は劣る。
◎個人的な感想
僕は、物欲がないので、それなりの給与で自分にも適した仕事だと思いました。正直、今でも児童指導員に転職するのはアリだと思っています。福利厚生についても、僕は非正規だったのもあり、教員の福利厚生に魅力が低かったので、十分でした。
転職した感想
僕は非正規の公立教員から一般企業の児童福祉施設の心理職に転職したわけですが、公立教員のときは非正規ということもあって、待遇は良いとはいえなかったですし、勤務時間が長すぎて身体を壊してしまいました。
現在、転職して1ヶ月が経過しましたが、職場は女性が多く、また優しく仕事を教えていただけるので、今のところ人間関係は良好だと思っています。勤務時間は子どもたちが学校から帰宅する時間に送迎して、活動が始まるため、午後からの勤務が基本です。
これは、学習塾も同じで勤務時間がイレギュラーになっています。とはいえ、残業時間は学校教員のときは月平均170時間ほどで休みも年間16日ほどでしたが、転職後は残業0時間で休みも日曜日+確定で有休が取得できます。
これは会社によって異なると思いますが、僕は運良くしっかり経営されている会社に就職できたわけです。身体への負担は体感で半分以下です。とはいえ、業種が異なるわけですから、覚えることは沢山あって、まだ一人前に仕事ができないので、そのしんどさはあります。
教員は異動があるたびに辛かったですが、やっと腰を据えて仕事ができるので、仕事に慣れて、自分から積極的に色々なことができるようになれば、この負担もなくなっていくと思います。
転職する際に注意すること
転職する際に僕が気をつけたことは、資格と年齢です。一般企業の児童福祉施設では国家資格を持つ人を配置する義務があったりして、優遇されるそうです。
例えば、児童発達支援管理責任者、保育士、公認心理師などです。正社員になるには必須の条件となります。教員免許も優遇される場合もありますが、可能であれば、こうした資格も持っておいた方がいいです。
年齢については、僕は30歳までに転職するべきだと思っています。教員での経験は、知識として活かせる場面もありますが、直接的に活かせることは少ないと感じています。その意味で、会社からすると可能な限り長く働いてくれて、将来性がある人を採用しようと考えるのが普通だろうと思います。
僕の場合、28歳で教員免許(中高専修)と公認心理師を持っていて、資格としては強みがありますが、大学院を修了してから社会人経験が短いという弱い部分もあります。
公認心理師は取得条件が厳しい資格でレアです。僕の場合は、この資格のおかげで転職が上手くいきましたが、もっと若い方がよいのかもしれません。
転職後に注意すること
転職したあとは、社会人1年目のつもりで仕事をしています。仕事を命じられたら、指示どおりに動き、報連相を常に意識します。いつも以上に元気に立ち回り、積極的に「次は何をすればよろしいですか?」と仕事をもらいにいきました。
社会人としては常識なのかもしれませんが、学校教員としての慣れの部分が残っていて、それが良くない影響を及ぼすことが予想できたので、気を引き締めたわけです。
僕は男性で、女性が多い職場なので、時間があれば整理整頓や清掃をしました。現在の自分は十分に仕事ができないので、他の職員が別の仕事をしている中でも、高いところの清掃や力仕事をしました。
とにかく一生懸命に仕事をして認めてもらうこと、少しでも役に立つことを意識しました。こうして仕事をもらっていくと、仕事を覚えるスピードも上がって、自分としても先が楽になると思っています。
特別支援学校で勤務していたとき、女性の教員が多くて、その女性社会で人間関係を上手くやっていくのが難しかった経験もあるので、念には念を入れて、最初にコケてしまわないように注意しました。
まずは、変なことや余計なことは言わないことです。公私混同は一切せずに、自分の情報は小出しにして、気になっても相手のことは聞かないようにしました。
幸い、1ヶ月経って、人柄がわかってきたこともあり、優しい人たちに囲まれていることに安堵しました。とはいえ、自己開示には今後も注意して、相手のことも聞かないようにするつもりです。
公私混同をしないというのは、人間味がなくて、つい話したり聞いたりしてしまいますが、それほど慎重であってもいいと思っています。
また、学校教員時代の経験についても、あまり話さないようにしています。正直、全然違います。知識として活かせることもありますが、「教員のときはこうだった」というのは相手はよく思わないでしょう。郷に入っては郷に従えです。会社に順応しようと思います。
最後に
転職にはエネルギーが要ります。この1ヶ月の疲労はなかなかのものです。でも、この時期を乗り越えたら、自分の専門性も発揮できるようになると思いますし、仕事の流れも理解できて、楽になるのではないかと思っています。
これから転職を考えている方は、メリットとデメリットをよく考えて、注意点も考慮して、しっかり考えてから応募してください。僕自身、受ける会社はかなり絞りました。転職サイトには載っていない情報もあるので、聞けるところは問い合わせたり、面接のときに聞いたりしてください。選ばれる側ですが、選ぶという意識も残しておかないと、失敗することもあるでしょうから。