優等生の息切れ型の不登校の特徴【教育心理学】

2021年6月28日

一概に不登校といっても原因は様々です。状態の深刻さからイジメによる不登校が話題にあがりやすいですが、今回は『優等生の息切れ型の不登校』に着目して話をします。

優等生の息切れ

優等生の息切れ型の不登校とは、学問上の概念定義があるわけではありませんが、学校臨床の領域では『原因がわからない不登校』として注目されてきました。

教員や保護者から見て、よく言うことを聞いてくれる真面目な子が、これといったきっかけもなく、急に不登校に至るケースがあります。その意味で『優等生』と言われているわけです。

『息切れ』という部分で解釈すると、真面目に頑張りすぎて、エネルギー切れを起こしたというように考えられます。しかしながら、それだけではありません。

他者評価への意識

『優等生』には2種類あると考えてください。①自分で高い目標を掲げて頑張れる子、②他者の期待や評価を気にして頑張らざる負えない子、の2種類です。

①の優等生は、自分の目標に向かって好きで頑張っているわけですから比較的ストレスを抱かずに頑張れています。

一方、②の優等生は、本来の自分のペースに適さない努力をしているわけですから長期的にストレスを抱きます。

要するに②の優等生は、不適応に至りやすいということが言えるのです。このようなタイプの子は、不安から周りの様子を見てから行動をしたり、行動を回避したりする傾向があると言われています。

理想の高さ

ここでいう『優等生』は、理想を高く掲げる傾向があります。例えば、定期テストは90点以上じゃないとダメ、成績は5じゃないとダメというように、義務的な目標を掲げます。

前述のとおり、これらの目標は掲げざるをえない理由があるかもしれません。親に将来の職業を決められているとか、家族や友達の期待に応えようとしているなどです。

こうした理想は、自分に適したレベル、ペースに合っておらず、無理な努力を強いることがあります。また、自分の興味や関心に合っていない場合、続けることに苦痛を感じます。

ストレスの爆発

不登校、非行など、優等生を演じてきたことによる慢性的なストレスが爆発することがあります。小中学生は、ストレスを発散させたり、上手に受け流すようなことが未熟で、溜め込むばかりになってしまいます。

子どもは、遊ぶことから学ぶともいうように、友達と愚痴を言い合ったり、趣味や運動を通して、ストレスの対処法も学ぶのかもしれません。

不登校や非行も、子どものために防いであげたいことです。しかし、これらが強化されたり、もっと悪い状態で現れると、犯罪や自傷、ひきこもりなどに発展することもあります。

不登校の前ぶれ

優等生の息切れ型の不登校は、きっかけや原因が分かりづらいとしながらも、後で聞いてみればSOSがあったとするケースもあります。

例えば、勉強を拒否する・しなくなる、テストの成績が下がる、家出をする、話を聞かなくなる、などの行動の回避や拒否が起こることがあります。

また、ストレスは身体症状として、現れることもあり、風邪を引く、蕁麻疹が出る、胃腸の不調がある、なども注意してあげるとよいでしょう。

支援の方法について

『息切れ』による不登校は、まずストレスを緩和することが重要です。また、よく行われているのは保護者面接です。これは「保護者のせいだ」と責めているわけではありません。

子どもは、思考や意思決定が十分にできない場合が多いです。ですから、子どもと保護者の考えを擦り合わせることや、子どもが保護者に言いづらいことを第三者であるカウンセラーが間に入って分かりやすく言語化するなど、関係を紡ぎ合わせていくプロセスが必要になるからです。

家庭の在り方の再確認

保護者として、子どもに立派に育ってほしいという思いがあるのは当然のことです。しかしながら、子どもが弱みや甘えを出せるのは、家庭だけと言っても過言ではありません。

家でも休むことができない子は、ストレスを溜め込みやすく、水が満杯に注がれたコップを持ち歩いている状態に至ります。ここで立ち止まることができればよいのですが、さらにストレスが溜まると、溢れてしまうわけです。

個人的には、家では休む、外では頑張る、こうした切替ができることが大切だと思っています。頑張る環境は、学校や塾、習い事でいいわけです。あと、毎日を頑張るのは大人でも気が滅入ります。

週に1日は頑張る。週に1日は何もしなくていい日を作る。これだけでもストレスは緩和できると思います。

親の影響はある

育て方を否定するつもりはありません。ただ、親が完璧主義だけど、子どもはマイペース、こうした家庭はあります。子どもの特性は、家庭環境以外の影響も受けていますし、生まれながらの特性も影響します。

親の育ち方で上手くいったからといって、子どもにその育て方が合うかは、わかりません。あくまで、人それぞれ適した育ち方があると思いますので、それも理解していただけたらと思います。

関連書籍